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火の世界の豪炎  作者: PP
第一章-太陽の都編-
31/147

31:ツリィム-2-

やっとツリィム内で行動開始ですね。


2015/3/2:各タイトルにナンバリング記載。

2015/3/3:文章手直し

 書物に拳を置き火の操作をした途端に意識が遠くなり、次の瞬間には見たことのない空間に俺はいた。


『ここ、は』


 そうだ、先ほどメイさんに教わった通りにツリィムの世界へと没入した事を思い出す。


『「うわっ」』


 歩こうとするも、足が動かず体も動かせない。まさに金縛り状態である。


『動けない、んですけど』


 誰に言うでもなく、心の中でつぶやく。


『「あの、メイさーん? どうやったらいいんですかー?」』


 と、動けないだけではなく声も上手くだす事が出来ない。


 視界の先には一人の男性と無限に広がる、事はなく自分の部屋程度の空間があり、壁一面には大量の本が埋まっていた。


 目の前にいる男は、壁側に向かって本を読んでいるためにこちらには気づいていないようである。


『困った、動けないし声も出せないし、メイさんとの連絡方法も全くわからん』


 そう困っていると、視界の隅にボンヤリと正面が濁ってみえる部分があることに気が付く。


『これって』


 意識を集中すると、視界の隅っこにぼんやりとパネルが表示されていることに気が付いた。


『ヴヴヴ』


 パネルがぶれるが、更に意識を集中すると、ぶれていたパネルが一か所に固定化される。


『話す』

『移動』

『行動』

『戻る』


 の、4項目が表示されていることを確認する。間違いない、これは昔見たことがある、RPGの操作みたいなものである。


 意識するとカーソルが表示され、移動の項目するよう意識してみる。


『ぽちっ』


『 北

 西 東

  南 』


『「おおう、これまんまそうやって行動する世界なのか!?」』


 思わず声を出そうとするも、やはり声はでない。


 とりあえず、男性がいる方向へと近づくため北に意識を集める。


『てくてくてく』


『おお、歩けた!』


 自分の意志で歩く感覚ではなく、完全にゲームのような操作性のようだ、歩いている感じがわからないが、確かに俺は歩いている。


『話す』


 に意識を集中させると、今度は文字パットらしきものがでてきたが、全く読めない。いや、読めそうなのだが読めないのである。全てが数時で表記されている。


『1・2・3・4・5・6・7・8・9・0

 0・9・8・7・6・5・4・3・2・1』


 これ、どれを選んだら何になるんだろうか、全くわからん。わからんからこのコマンドは今は放置だ。


 男性の真後ろまで近づけたので、今度は『行動』を意識してみる。


 そうすると、俺の体は相手の男性の肩をポンポンっと軽く叩く動作を起こした。

 俺がそうしたいな、と思ったので行動は移動以外の動作を集中した通りにトレースしてくれるみたいである。


「おや、深浦君じゃないか」


『「あ、貴方はモコン様ではないですか!いやー奇遇ですねーハッハッハッ!」』


 と、言葉が出ないのでとりあえずフレンドリーな感じで喋っておいた。心の中で。


「おや、コントロールの仕方を教わらずにこちらに来たのかな?」


『「そうそう、メイさんおっちょこちょいやな!」』


 再び心の声で会話をしておく。


「そうだな、初期だと話すのコマンド使いにくいからね。自由にパネル内は変更できるから、試しにやりやすいコマンド表にカスタムしてみたらいいよ」


『改めてガッツリ地球の、俺の知ってる言語を使いこなしてるよな。いや自動翻訳されてるのだろうか? 話すコマンドは0~9の数字しか並んでいないし、謎だが今はソコではない、カスタムできるか試そう』


 俺はイメージする。


 ネットの世界で自由に行動でき、なおかつコマンドでも操作が出来る。一人称の世界、その世界での操作でもっとも適しているイメージを。


『ヴヴヴ』


 ウインドウが霧散して、再度俺の正面に具現化される。


『キーボードきたぁ! 後マウスパッドとマウスと完備よし!』


 俺は再び、話すに意識を集中する。


 マイキーボードさすがだわ。真っ黒のそれは、ショートカットボタンが異常に多いタイプのネットゲーム用のキーボード。銀色のマウスは玉を指でころがして移動するタイプで、これにも異常なまでのショートカットボタンが内臓されている。


『カタカタカタカタカタカタッ』


「あ、ありがとうございますモコン様。深浦です。カスタム無事できました!」


 俺は入力した文字をエンターキーをタンッと押すと同時に会話を開始していた。


「おや、もうできたのかい? これは凄いな。書庫の整理はできそうかい?」


『カタカタカタカタッ、タンッ』


「はいっ、任せて下さい!」


 俺はそういうと、マウスとキーボードを利用して移動を開始する。


『WASDキーありがとう、またお世話になるよ』


 動かない体をキーボードとマウスを扱い、俺はツリィムの世界を駆け始めるのであった。

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