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火の世界の豪炎  作者: PP
第一章-太陽の都編-
30/147

30:モロ大地を駆ける

まだ深浦のネット話は先送り。ぐぬぬ。



2015/3/2:各タイトルにナンバリング記載。

2015/3/3:文章手直し

 私は思うのである。この少女は化け物ではないのかと。


『モロは精霊だってばー』


 とは目の前にいる少女モロの発言である。精霊がこんな場所にいるわけがない。神の使いとも呼ばれている精霊は、数々存在しているとは聞いたことがある。確かに、モロの規格外の制御の数々には驚かされる。が、精霊は基本自分の領域を守るとされている、らしい。それが男と二人で冒険しているのだ、化かされている気分である。


「よし、起きたかモロ。行こうか」


「ふぁぃ」


 昨晩は大変であった、焼き魚を気に入ったモロはその後も魚を捕え、六匹は軽く完食してしまったのである。キャンプも、モロがここで寝ようと小屋を一瞬で作り上げてしまった。こんな場所で樹操作ができる者など聞いたことも見たこともない。


 本当に彼女は精霊なのだろうか?


 深浦 遊多という男性を助けるがために、流れ着いている可能性があるタナダタの町へと向かっていたが、モロという少女は男より団子といった感じなのか。食を終えると、無防備な姿のままぐっすりと眠りについてしまった。


『無防備だな、私が盗賊だったらどうするつもりなんだか』


 そんな事を思ったが、私は水の運び屋である。それに深浦という男が生きている、と励ましの言葉をかけたのも私である。私には、モロという少女に付き合うくらいの責任感はあるのだ。そんな事を考えていると、私もいつの間にか眠りについていた。



 翌朝。


「では、今日も進もう。昨日の倍くらい歩けば明日中にはタナダタの町につく」


「うん、遊多元気かなぁ……」


 キャンプがガガガッと音と共に消滅する。そして私達は歩きだす。

 会話も特にない、昨日お互いの自己紹介は終えているのでそれ以上は不要なのだ。いや、他の話題が私には思い浮かばなかっただけなのだが。


『いや』


 思い直す、私はこのモロという少女の事が気になっている。もっと本当はモロの事が知りたかったりする。しかし、生まれてこの方商売の話以外、どうすればいいのかわからないのであった。


『これから、少しづつでいいよね』


 私達は、こうして食事の時だけワイワイとはしゃぎながらタナダタの町へと向かったのであった。

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