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火の世界の豪炎  作者: PP
第一章-太陽の都編-
24/147

24:とても修羅場です-4-

太陽の都編なのに、まだまだ都につきそうにないです。


2015/2/25:文章手直し

2015/3/2:各タイトルにナンバリング記載。

「深浦は俺が鍛え上げる、そして組む」


「いいえ、遊多様は私が、いえ、つ、つつつ、妻としてですね」


 がやがやがや、と俺の意識に誰かの声が聞こえてくる。

 一人は男性、一人は女性。


 俺は先ほどまで木の実を取っては食って、を繰り返す腹ペコサバイバルをしていた、気がするが。


『ん、確か』


 意識がどんどん覚醒していく、会話をしているのだろう二人の声はシゼルとメイさん。そして先ほどシゼルが連続で火の玉を放ってきたのを受け止めてから意識がない。


『負けた、んだよなきっと』


 手合せだが、やはり負けるというのは悔しい。PvPでもよく、勝つまでレベル上げしたり、対策したりしたよなぁとそんな事を思い出していた。


「い、いでで」


 起き上がろうとするもお腹辺りが非常に痛む、思わず悲痛な声をあげてしまった。それに気が付いたのか、二人が近づいてくる。


「おう、目を覚ましたか。すまんかったついつい、な」


「そうですよシゼル、やり過ぎはいけませんよ。大丈夫ですか、遊多様」


 二人が俺の顔を覗き込む、辺りを確認すると、どうやらモコン様の館まで再び連れ戻されているようだ。ベッドの弾力が心地よい。


「いえ、俺こそ気を失った上に、運んでもらってありがとうございます」


 俺は軽く頭をあげるも、二人とも問題ないとばかりに話を進めだす。


「んで、深浦、お前は兵になって俺と組め、それがいい、絶対いい!」


「まっ、何て事を。遊多様、この筋肉バカはほっといて私と、その、私と!」


 何故に顔を真っ赤にしていますかメイさん、そして何故シゼルさん貴方も顔が火照ってるんだよ。


「あ、えっと、俺はモロとの約束が……」


 と、二人の迫力に押されつつ声を振り絞る。


「お前が生きているとはそのモロとやらも思わんだろう、いいから俺と組め。これからが楽しくなるぜきっと!」


「まっ、何て事を。遊多様は私と結ばれて、そしてこの大陸一の男になってもらいますの!」


「ちょ、だからぁぁぁ!?」


 俺は二人の勧誘、いやメイさんに至っては告白されてるよね完全に、を振り切って声を張り上げる。


「俺は、モロと太陽の都に行くんです! でも、モロとの合流が難しい今、ここに少しいさせていただけると助かります。一方的な都合のいいお願いだと思ってますが、受け入れてもらえないでしょうか。は、働きますし!」


「「っっ!?」」


 二人が息をのむのを感じる。


「そうか、働くか、そうかそうか、それでは俺は深浦、お前と午前中の基礎トレコースに付き合ってもらう。昼の巡回コースを回るまでで良い」


「では、私が午後から遊多様と二人っきりで私の部屋へ来て頂きます。書物の整理が滞っていましたので、私の仕事を手伝っていただきましょうか」


「え、あ、はい、あれ?」


 とんとん拍子にOKをいただくも、あれ? と思考を整える。


『午前中はシゼルさんに鍛えてもらって、午後からはメイさんのお手伝い(特別レッスン)をする、という事は』


「今日はもうゆっくりしていろ、明日の朝迎えに来てやる」


「遊多様、また後で食事をお持ちいたします、本日はごゆるりと」


 二人はそういい、その場を去っていった。


『ここに居てもいいって事、だよな』


 知らない土地で知り合いも居ない世界で一人きり、という状況を免れて良かった、と思う。


 間違いなく地獄の日々が待ち構えているのにも気が付かず、俺はゆっくりとモロといつか再会できると信じて再び眠りにつくのであった。

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