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火の世界の豪炎  作者: PP
第一章-太陽の都編-
19/147

19:舞い込んできました

メイさんの服装が思いつかなかった。


2015/2/25:文章手直し

2015/3/2:各タイトルにナンバリング記載。

 道具屋のカウンターで、深浦 遊多様に道具の扱い方を教えている。

 何故そんな事をしているかって? それは私に、この ワ タ シ にこの町に詳しくない遊多様が困らないようにと、モコン様がお仕えを許してくれたのだ。


 一時的なお仕えだという事はわかっている。私だって、メイド初めて5年がたっているベテラン勢である。私が仕えているのはモコン様にである、だが、だがしかし。


『出会いがないのよっ』


 そう、大きく声を張り上げたい、張り上げたかった。

 モコン様の館には様々な人の出入りがあるし、極まれに良い男がやってくる事だってある。しかし、良い男なんて基本独り身なんて事はない。決してないのである。


 一時期、モコン様に相談した時期があったが。


『メイ、君は良い男を探すのではなく良い男に仕立て上げるタイプだ。だから良い男ではなく、仕立てた後に良くなる男を探してみたら良い』


 これがモコン様のお言葉。私も世界が開けたように思えた、が、モコン様の館に来る男は全て『完成系』なのである。モコン様の見る目が有りすぎるのだ、そして今やっと、やっと……。


「これが水筒か、なんか温くなりそうだよなコレ」


「いいえ、ゆ、遊多様、これには砂漠地域の温度にも適用する程の火の加護が」


 そう、目の前に何とも弱々しい、しかしそれでいて中々に真っ直ぐそうな青年がいるのである。


 見た目は弱々しいのだが、館に運び込まれた時に濡れた服を脱がせて私は見てしまったのです。この引き締まった体、そして体中にある謎の痣、これはきっと修羅場を潜り抜けてきた男に違いない。服を用意し、着させてみるとまた一段と栄えたように私の瞳には映った。


『食事を……』


 モコン様の命に従い、私は遊多様と二人っきりになるお許しを得た。話をすると、本当にダメダメな方でした。この地域についての知識がまるでないのである。

流されてきた程だから、西の方の出身かと思ったがそれは違っていた。モロ、という人と会いたがっているが、完全にこの人は今『一人』なのである。その事を意識してからか、私は遊多様に熱い、熱い視線を投げるようになっていたのです。


 この道具屋、実は私の実家だったりします。今、店番をしているのは雇ってる子なのですが、遊多様を親に紹介しましょう、ふふふ。


 手先が器用だった事もあり、道具屋で親の跡を継ぐという選択もあったのだが、モコン様に誘われ館での勤めに転職したという経歴なのだが、当時十二歳だった私は憧れの館勤めという響きに一言返事でその道を選んだ。それから十七歳になった今、更にチャンスが訪れているのである。


『モコン様、ありがとうございます。私、頑張ります』


 私は、このチャンスが舞い込んできた今日に感謝を致します。



 シゼル、邪魔するなよ。そう、心の中で願いつつ遊多様と他愛のない会話をしつつ親を呼ぼうと試みるのであった。

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