第32話 爺様に怒られに来ました やんちゃな家系だったらしい
また数行で済む話が中途半端に膨らみましたw
○月×日
爺様と婆様の所に挨拶に行く
わが家は田舎に小さいながらも領地を持ってる
父様に後を譲り、引退した爺様が領地経営をしてるのだ
転移するには距離があるので、相棒に乗って飛んで行った
道に迷わない様に街道沿いを飛んで行く
馬車で連れられて行った事がある位なので実は道を知らなかったりするのだ
飛んでる所を街道で旅する人達に見られたけどしかたない
後で変な噂が立つんだろうなぁ
久しぶりに爺様と婆様に会う
田舎暮らしがよっぽど馴染んだのか、王都の気苦労から解放されたのか、魔族か! っていう位に二人とも元気だ
だって畑仕事とかしてるんだもの
引退したら何でもありか? 貴族
「お花や野菜を育ててみたかったのよ」
あー、はい
家庭菜園ですね、婆様
採れたて野菜、美味しいです
私は身分を捨てたいと二人に話した
怒られるかと思ったけど二人は黙って聞いていた
父様から手紙を貰ってたらしく、びっくりはしてなかった
「お前が決めたのなら何も言うまい。好きにするが良い。家名の事は気にするな。お前の父も出世は望んではいない。問題はないはずだ」
出世を望まない貴族
それがわが家の処世術であり家訓なのだとか
「厄介事は始めから避ければ良いのだ」
家の家系は代々お節介な体質らしく色々トラブルに見舞われたそうな
余計な所へ首を突っ込んだり、やらなくて良い事をしてみたり
ああ、それで兄様も残念なのか
でもそのおかげで人脈も築けているので、トントンかもしれない
私もメイド喫茶なんてしなくても良い苦労をしてるし
だからこその家訓なのかもしれない
でもご先祖様!
いくら家訓があっても、この性格は治りませんよ!?
怒られる覚悟をしてきたのに、拍子抜けだった
おかげで、怒られてもいないのにまた泣いてしまったよ
うちの家族は子供に甘い!
そのまま一泊して、爺様と婆様に今までの事を一杯話した
メイド喫茶を再建する所や、チンピラを摘み出した所は大喜びしてた
もしかしてこの性格は遺伝なのかな
爺様も若い頃はやんちゃしてたのかも
厄介事は避けるんじゃありませんか? 爺様
あ、何で口笛吹いて目をそらすんですか!
子供か!
やっぱり遺伝みたいだ!
今度、噂のメイド喫茶を見に王都まで来るって言ってた
うう、恥ずかしい
□□□
テラスで夜風にあたりながら、老夫婦は星を見上げていた
「わが家が普通の貴族であったなら、あの子を跡継ぎにした物をなあ。つくづく惜しい」
「あなた、貴族の器では小さ過ぎたのかもしれませんよ。それにルデルに才能がない訳ではありませんし」
「だが、メイド喫茶とやらがその器か?」
「ふふ、もっと大きな事をしてくれるかもしれませんよ」
「ふむ。しかし、やはりあの子もお人好しの血を受け継いでいたか。面白いものよな」
「あっ」
青年が見つけたのは死んでいる子猫だった
銀色の毛並みが綺麗な猫だった
特に目立った傷は無い様だ
青年はそっと腕に抱えると優しく運んだ
「ごめんな、うちも借家だから連れてけないんだ」
青年はまるで生きているかのように話しかけた
青年は公園の隅に穴を掘り子猫の遺体を埋めた
「成仏しろよ。祟るなよ」
彼がその子猫に再び出会うのは、二度目に死んだ時であった




