第23話 似た者姉妹と言う事で
第15話のドリルさんのイラストをヒールなしに変更してあります
月音さんに頂きました
ありがたや~
○月×日
わが家は朝食をなるべく家族一緒に取る
余所では知らないが、わが家ではそうだ
私が、泣きはらした目をして起きてきたので家族に心配された
特に昨日一緒にいた兄様はしきりに気にしてた
姉様はそれをやんわりなだめてくれた
姉様は私の方を見て優しく微笑んでた
何でだろう
私は怖い夢を見たと嘘をついた
いくらなんでもホントの事なんて言えないよ
□□□
真っ赤な目をして学園に行ったら、やっぱり皆に心配された
「大丈夫だよ」
前世の自分を思い出してニカッっと笑った
アリサはまだ心配そうだ
「ちょっと昔を思い出して泣いてた」
私がすっきりした顔をしているので少しは安心した様だ
「後で話してね」
「分かった」
転生者組は‘昔を思い出して’というフレーズに納得顔だった
ホームシックと思われたかな
皆経験があるらしい
何だ、通過儀礼かよ
これでやっと一人前って事かな
□□□
姉様の朝の様子が気になったので、姉様の部屋へ行ってみた
姉様は優しい笑顔で迎えてくれた
「姉様はもしかして私が泣いた理由に気付いてましたか?」
「ええ、大体はね。貴女自身は気付いてなかったみたいだけれど」
そんなに露骨だったのか
我ながら恥ずかしいぜ
「私にも経験があるから」
なんですとー!?
姉様は何でも出来る兄様か大好きだった
何時のまにか恋してたらしい
そして私の兄様への自分でも気付かない、憧れ以上の感情に気付いてしまった
「姉様は泣きませんでしたか?」
「ふふ、泣きましたよ、思いっ切り。簡単には諦められないけれど、兄様には幸せになって欲しいですからね。アリサちゃんが良い子で良かったわ」
姉様は私よりずっと兄様を見て来た
どれ程辛い時間を過ごしただろう
その姉様は、今は笑ってる
かなわないなと思った
「そうそう、エミーも貴女と同じみたい。気を付けて上げてね」
なんですとー!?
「私達、似た者姉妹と言うことですか?」
「理想の男性のタイプが同じだったのね」
それから兄様の事を楽しく色々話し合った
良い所、優しい所、残念な所、良い上司に恵まれない所
姉様と本気で話したのは初めてな気がする
姉様、本当に兄様の事、好きだったんだね
「姉様も早く結婚して下さい」
「貴女が結婚するまではするつもりはありませんよ」
「私は結婚とか出来そうもありませんよ? 相手の方を待たせ過ぎませんか?」
「そう言うのを分かって下さる方よ。貴女の事も話してあるの」
姉様、一体何を話したんですか?
○月×日
私はアリサと兄様を呼んで話をした
一応誰にも内密にと言う事で
私が転生者である事
前世が男だった事
兄様に恋してた事
失恋して泣いた事
二人には幸せになって欲しい事
二人とも大好きな事
「と、まあ、これからもヨロシクと言う事で」
はぁ、なんか全部話せてすっきりした
でもまあ、元男の自分が実の兄様に恋するとは思わなかった
自分でもびっくりだぜ
二人もびっくりしてた
アリサは抱きついて来るし
二人とも今の話は内緒にしてくれるという
有り難いね
さすが親友
これからは大親友かな
○月×日
アリサには親の決めた許嫁はいなかった
と言うかアリサに来た縁談は全部断ってたらしい
アリサの両親が考えてたのは家の兄様だった
小さい頃から私が良くする兄様の話をアリサから聞いていたので、この人ならと思った様だ
だったら縁談を進めれば良いじゃないかと思うだろうが、アリサの気持ちに任せていたらしい
きっとアリサが好きになると確信していた様だ
大したもんだ
こうして二人は両家公認のお付き合いとなった
国にも届け出ていて、順調に行けば晴れて婚約が成立する
幸せになってね、二人とも
「さあ! 兄様と結ばれたいのなら、私を倒して行きなさい!」
アリサはトレイをそっと抱き締めて頬にキスをした
「にゃ~!?」
その場にヘタリ込むトレイ
「えっと、これで良い?」
アリサの勝ち!




