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トレイマスターの日々  作者: 純菜
第2章 メイド喫茶は大変な所でした
17/38

第16話 メイド喫茶は開店準備中なのです

○月×日


私と店長、それにオーナーとでメイド喫茶を改装中だ


外装や力仕事を二人に任せて、私は内装や小物を作っている

本格的に業者に頼むのではなく、日曜大工的な手作り感がある方が良いと思ったのだ

まあ、予算が無いのも確かなのだし

詐欺グループはオーナーの財産を根こそぎ奪おうとしてたらしく、被害は結構大きかった

他にも余罪があるらしい

おかげで改装費用が取れなくなっていたのだ

取られた金はほとんど戻って来なかった

一体何に使ったんだ?

無一文になるよりはましとは思うが


裁縫は得意な方ではないが、お針子メイドちゃん達に特訓して貰って、縫い物位は出来る様になった

カーテンなんかは新しく明るくファンシーな仕上がりだ

ピンクなのはやりすぎたろうか?


改装と平行して料理の方も研究中だ

何も前世のメイド喫茶の料理にこだわっている訳ではないが、そこはロマンという事で

出せる物は出したいからね

と言っても米はないからモドキ料理だ

トマトもどきはあったのでケチャップは問題なく作れる

定番のオムライスにケチャップアートに萌え萌えビームは必須だろう


あれ?

それ私がやるのか?

うおー!

なんかメチャメチャ恥ずかしいぞ!

いやミニスカも大概、恥ずかしいが、そっちは制服で大分慣れた

これはあれか「お帰りなさいご主人様」も私がやるのか?

メイドさんは私一人だし

や、やるしかないのか


○月×日


完成したメイド服を着て自室で接客の練習をしている

家族には姉様がバラしたおかげでメイド喫茶で働く事は公認になった

家族には内緒にしてたかったのに、恥ずかしいじゃないか

大体、貴族の娘がメイドで平民相手に客商売するってどうなの?

貴族の娘でも、王宮に行儀見習いでメイドになるのとは訳が違う

普通なら怒られて当然なシチュエーションなのに


まあ、店には貴族も来店出来るけど

家は何故かその辺おおらかだった

分かってて姉様、言ったんだと思う


「お、お帰りなさい、ご、ご、ご、ご主人様。こ、こ、こちらでお、お休み下さい。た、た、た、ただ~今お水をお持ちします」

カミカミだ

全然なっちゃいない

客の前に出ると思うともう!

その時ドアがいきなり開き姉様が部屋に入ってきた

「あ、姉様!? ノック位して下さい!」

「だっていきなり入った方がびっくりするでしょう。緊張している人にはちょうど良いわ」

姉様は私の緊張を解すために飛び込んで来たらしい

「私が客代わりになるから練習してみましょう?」

「……はい」

そうして今度は姉様を客代わりに何度も練習した


「お帰りなさい、お嬢様。こちらでお休み下さい。ただ今お水をお持ちします」

「声が小さいわ。それに姿勢がよくないわ。後、笑顔が足りないわ。貴女の笑顔にみんな虜になってしまうはずよ。もっと笑って」

虜って姉様、私、魔性の女か何かですか?

むむむ

笑顔は昔から苦手だ

笑おうとすると顔がぴきぴきになってしまう

前に出来た時はテンションがおかしかったのと嬉しかったからだ

今はどっちも足らない

本当、笑顔って難しい

「お帰りなさい、お嬢様……」

にっこり

これでどうだ!


○月×日


今日は、店長とオーナーとメイド喫茶で打ち合わせした

私は学生なので店に出られるのは、授業が終わってからになる

ランチタイムは店長一人だけだが今までもそうだったので問題はないだろう

初日はメイドが居ないと話にならないで、オープンは休日にやる事になった


「そう言えば店名はどうします。いくらなんでもメイド喫茶だけでは変です」

「ああ、それなら、良い名前があるよ」

オーナーは実に‘良い’笑顔になった

「〈シルバートレイ〉と言うのはどうだろう? 店長と考えたんだが。実はもう看板も作ってある、ほら」

そう言ってオーナーは布に包まれた板状の物を部屋の隅から取り出した

布を解くとファンシーな文字で〈メイド喫茶 シルバートレイ〉と書いてあった

銀のお盆のイラスト入りである

「君のトレイが印象的でね。店の看板に丁度良いと思ったんだが。駄目だったかい?」

もう、びっくりである

おい相棒

お前、看板になっちゃったぞ?

しょうがない、覚悟を決めてメイドさんやるか!


何はともあれ、メイド喫茶、いよいよ開店である

頑張りますよ?


お店に名前が付きましたw


姉様のスポコンスイッチ

セル「全然駄目ね、貴女にはこれから毎日このメイド養成ギプスと鉄下駄を付けて貰います! 特訓よ!」

トレイ「はい! お姉様!」

姉様に変なスイッチが入ったw


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