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トレイマスターの日々  作者: 純菜
第2章 メイド喫茶は大変な所でした
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第15話 ★私の名前はトレイマスター。トレイさんとでも呼んで下さい

イラスト入りです


リンスター家に着くと、姉様が来ていて驚いた

リンスターブランド起ち上げの手伝いに来ていた様だ

わが家も金持ちとは言えない状態なのでリンスター家に出資する事にしたのだった

めざとい、ハリセンやくろなんかの転生者組も一口乗っている

姉様は親友のノーラ様の手伝いが出来て嬉しそうだ


私はシャナママに今回の事情を話して、メイド服の制作を依頼した

シャナママは自分達もブランドの起ち上げで忙しい時期なのに、快く引き受けてくれた

私はスケッチを描き、プランを話した

「それでスカート丈は短くして、ニーソックスを履きます……」

前世知識を無駄にフル活用してアイディアをまとめた

姉様は私が着るというので、それはもう飾りたてようとした

勿論、却下である

メロンもアイディアを出してくれて可愛いデザインに仕上がった

仮縫いが出来たら連絡をくれるという


興奮したままの私は熱に浮かされた様にぼーっとしながら帰ろうとした

「■■?」

呼び止められた私は振り返ると見てはいけない物を見た気がした


挿絵(By みてみん)


「ど、どうしたのその格好! 罰ゲームか何か!?」

そこには何故か真っ赤なナース服を着て手にはドリル、というかドリル形の注射器を持ったドリ男が立っていた

「今日から俺の事はドリルマスターと呼んでくれ」

「ど、ドリルマスター!? どういう事?」

ドリ男は幼い頃にメロン達と一緒にリンスター家に保護されて働いていた

メロンはメイドになり、ドリ男は治療士になるためにシャナママ、イネス様のもとで修行をしていたのだという

イネス様は元冒険者で優れた治療士なのだとか

ノーラ様もその血を受け継いでか治癒魔法が得意らしい

さすがだぜ、ノーラ様!

その服と注射器は修行を終えた証なのだとか

名前を変えるのは治療士としての覚悟のつもりらしい

「んー。じゃあ、ドリルさんで良いかな。ドリ男とあまり変わらないけど」

「……かまわん」

その奇抜な格好には驚いたけど

そう言えば、コイツとは今まで余り話した事はないな

何時も無口で、何を考えてるのか分からない奴だったけど、もしかしたら熱い奴なのかもしれない


○月×日


朝、学園に着くと教室ではドリ■ルさんの話題で持ちきりだった

「おはよう、■■ちゃん。あんまり驚いていないね」

アリサは私が驚かないので不思議がっていた

「昨日、リンスター家に寄った時に会った。びっくりした。ドリルマスターって呼べって」

「ふうん。でもリンスター家に何か用事でもあったの」

「メイド服を作って貰いに行った。メイド喫茶でバイトする事にした」

「メイド喫茶? 何時も行ってるあの? でもどうして?」

「何だか手伝いたくなったんだ。私、お節介かもしれない」

メイド喫茶の事情を普段から話してあったアリサは、ふふっと笑った

「優しいね」

そう言われて私はいつの間にか顔を赤くしていた


「ふーん、ドリルマスターか。なら私はハリセンマスターだな、それからお前はピコハンマスターな」

ハリセンは気に入ったのか自分の名前を宣言した

「ええっ! 勝手に名前を付けないでよ」

ピコさんはあんまりな名前に抗議する

「それからお前は竹刀マスターだ」

「……カッコ悪いよ」

しーには不評な様だ


私はおもむろに相棒のトレイを出すと

「それなら私の名前はトレイマスター。トレイさんとでも呼んで下さい」

クルリと回ってメイドターンした後、ぺこりとお辞儀をした

初めてやった

うまく回れたかな?

後で練習しておこう

「■■ちゃん?」

「これからはトレイで呼んでね」

そう言って私はにっこり笑った

普段、女の子の笑い方の分からない私は、どうやって良いのか分からなかったけど、どうやら改心の笑みが出来た様だ

アリサはびっくりしたのか急に抱き付いて来た

「■■ちゃん可愛い!」

むー

名前を呼んで欲しかった

「あー、えーと、トレイさん?」

眉間にシワが寄ってきたのを見て、アリサは言い直した

「うん。これからはそうして」

「ふふ、分かったよ。でも変な感じ」

「そうかな?」


○月×日


仮縫いも終わり、メイド服が完成した

お店の改装はまだ始まったばかりだ

私は出来上がったメイド服を店長とオーナーへ見せに行く

場所は店が改装中なので、オーナーの家だ

オーナーは笑顔の似合う太ったおじさんで、もう見るからに人の良さそうなオーラが出ていた

今までよく騙されなかったな

聞くと、今まで何回も騙されてきたが、毎回誰かに助けられているのだという

大丈夫か、お人好し

そんなのに付き合う、私も大概お人好しかもしれない

因みに店長は細身の紳士だ


「これでどうですか?」

メイド服を着た私はトレイを持ってその場でクルリと回った

メイドターンという奴である

リンスターブランド特注品のメイド服はターンしても裾が広がらない

ミニスカなのにかがんでも下着が見えない、素晴らしい出来だ

フリルとリボンが可愛らしい

名札にはトレイの文字が書いてある

お店でもトレイさんで通すつもりだ


挿絵(By みてみん)


二人は目を細めてうなずいている

変態じゃない紳士はこうでなくちゃ

「そう言えば君の名前を聞いていなかったよ。教えてくれるかい」

「私の名前はトレイ、トレイ・サーバーです。トレイさんとでも呼んで下さい」

私はこの日のために練習してきたメイドの挨拶のポーズをした


ちゃんと決まってるかな

ちゃんとメイドに見えるかな

私はこの日からトレイさんになった


やっとたどり着きました

今日からトレイさんです


ドリルさんはこの頃まだ赤いヒールは履いてません

イネス様が闇商人と出会うのは学生ギャングの頃です

ドリルさんの加速装置付きヒールはイネス様が闇商人からゲットしたものです


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