ろにーず いんとろだくしょん その1 『因子編 ~騎士型』
どうも、今回は、本編で説明しきれない設定を紹介させていただこうと思います。
せっかくなんで、ただ設定を書くだけではなく、あのキャラに説明してもらいます。
設定の説明は必要ないという人や、途中でなんかもう鬱陶しくなってきたって人は、3つ目の最後にざっくばらんに結論だけ言ってくれるので、そこだけ見たんで大丈夫だと思います。
どうもみなさんこんにちは。ロニー・ロングです。多分もう初めましてじゃないだろうから、わたしの自己紹介はしないでおいていいかな? ん、いいよねぇ。
『何いきなりでしゃばってんの?』って感じの人もいると思うけど、今回はわたしの方から、《因子》について、本編で説明しきれなかったところを簡単に説明させてもらおうと思ったの。
どお? ありがたいでしょオォ~~っ。え? 帰れ?
はいっ。そういうわけなんで、わたしの口下手な説明ではありますが、聞いていただけると光栄です~……ってなモンで、早速やっていきましょうか。
そうそう、これからもまたこういう機会があると思うから、よろしくぅ。
で、今回説明するのは……はい、ババン!
『《因子》の分類について』ね。
え~……《因子》っていうのは、人間に与える作用によってまず大きく四つに分けられるの。
それが、《騎士型》と《魔導型》と《賢者型》、そして《特殊型》ね。
その中でも《騎士型》と《魔導型》はさらにA~Cの三つにランク分けされてるんだぁ~。
※
はい! ってなわけでね。え~まず最初にババン!
《騎士型因子》から説明していくよ。
《騎士型》っていうのは本編でも説明されてるけど、身体能力がものすごく強化される。
一部に《因子》が作った武器を使う人達がいるけど、それはさらに特C~特Aに分けられる。ただ、“特”がついてるとはいえ、身体能力自体には大きな違いはないよ。
んで、具体的にどれぐらい強化されるのかってことを、それぞれのランクについての説明と一緒に話していくね。
まず《Cランク》。
これは実をいうと、それほど《因子》の作用が強くなくって、あくまでも普通の人の延長ってぐらいでしかないの。
でも、だからって一般人と見分けがつかないってわけでもない。
例えば、50m走を三秒代で走ったり、ヒョロッヒョロの高校生でも重量挙げで500kg持ち上げられたりと、一目見て“まともじゃない”っていうレベルの肉体強化はされるから、すぐに区別はできる。
実を言うと《Cランク保有者》にはこれといってはっきりした区分の付け方がないんだけど、さっき説明したこともあるし、大体の《保有者》は、《因子》を手に入れたら早い段階からそれに気づくよ。
んでその後、《保有者》専門の医療機関での身体検査を受けて、《保有者》として認められることになるの。その後は《先導会》の持つデータベースに個人情報が登録されて、管理されるようになる。そうして、日本国憲法と一緒に、《因子管理措置法》っていう、《保有者》のための法律に適応されるようになるの。略して《因子法》。これ覚えてね。どーせロクに出てこんけど……
これが、本編でも説明されてた、《保有者》が犯罪を犯せばどーたらこーたらってヤツ。これについての説明はまた今度するよ。
……いやそこ、もしかして法律の説明とかめんどくさくてする気ないんだろ、とか思ってる? そういう図星つくような真似やめてよねぇもうお~。
あ、そうそう。ついでに説明しておくけど、因子は先天的にも後天的にも持つことがあるよ。基本的にはどんな年齢の人でも、きっかけさえあれば《保有者》になる。昨日まで会社で上司にヘコヘコしてたサラリーマンが、次の日突然《因子》に目覚めて『なにこれやべえ!』ってことも普通にある。
あ、でも、お年寄りは滅多なことでは《保有者》にはならないね。大体60歳ぐらいになると、《保有者》になる確率は指数的に減っていくよ。
んでもって話を戻すと、《Cランク》はまだ並の人間に近いから、《保有者》扱いはされているといっても、《因子》を使った犯罪を犯してもまだ罪は軽い方なの。
そのせいか、一番調子に乗りやすいのがこの《Cランク》だったりする。
とはいえ、調子に乗りすぎたヤツは自分より上のランクの《保有者》にボコボコにされて、パシリになるのがオチってことがほとんどだけど。
《因子法》は、《保有者》同士による暴力行為はそれほどキツくは取り締まってないからねぇ。
《Cランク騎士型》は日本で一番多くて、《保有者》全体の約60%。大体70万人ぐらいいるよ。
勿論! 今もこの数はどんどん増えていってる。
と、《Cランク》についての説明はこれぐらいにして……
ん~そうそう、あくまでざっくばらんに説明するだけだから。今回は細かい話ずぇんぜんしないよォォ~~ん。
で、次は《Bランク》
社会で活躍する《保有者》には、この《Bランク》が多い。
今度は《Cランク》と違って明確な区分があるの。
はい! 以下参照。
『その1! 走力、平均200km/h以上。
その2ィー! 握力250kgw以上。
そのさァん! 腕力、片腕1250kgで両腕2500kg以上。
その4ン~! 視力裸眼で左右どちらか、あるいは両眼で5以上』
あとその他もろもろは面倒くさいので中略!
で、
『以上のうち3つ以上に当てはまったものを《Bランク騎士型保有者》として認めるっ!』
……と、こんな感じね。
これらに当てはまらない時にはあくまで《Cランク》でしかないってわけ。
でもまぁ、実際はCとBの間っていう中途半端な《保有者》は滅多にいないわ。
このふたつは同じ《因子》でもまったくの別物と言ってもいいぐらい、はっきりが差があるんだよね。だから、《Bランク》の《因子》をもらいさえすれば、ほぼ必ずこれらの条件には当てはまるよ。
そう意味じゃ、《Bランク》だって別に細かい区分は必要なかったりする。
ただまぁ、Cはともかくとして《Bランク保有者》は世間一般的に《保有者》の象徴みたいなモンだからね。いろいろ細かくチマチマと数字を並べてりゃ、体裁も整うってもんなのかなぁ。
いやはや、人間のこういうところはよう分からんねわたしは。
ま、わたしの個人的な話は今はいっか。ごめんごめん。申し訳ないです。
はい、気を取り直します。
《Bランク》ぐらいになると、《因子法》による取り締まりもそれなりに強くなるもんだから、おおっぴらに悪さはできなくなるけど、大抵の場合非保有者は《Bランク保有者》ってだけでも下手に出てくれるから、実際のところは《保有者》は好き勝手できるんだけどね。それが現状さぁ。
《Bランク》になると、《Cランク》に比べて数は大分少なくなる。
大体全部の《保有者》の5%。六万人ぐらいになるかな。
さて、《Bランク》についてもこれぐらいにして、お次は《Aランク》について説明するよ。
セーイチが《特Aランク》だったね。
これをひとことで言い表すなら……まぁ『とんでもない』だね。
CとBの間に大きな差が開いてるのと同じで、この《Aランク》もBとはまったく違う存在なの。
どれぐらいとんでもないかっていうと……少なくとも音速以上で移動できるし、握力とかの身体能力は、最低でも、いいかい、『最低』! でも常人の二十倍はあるらしいし、4tのトラックが突っ込んできたら、トラックの方が粉々になるぐらい身体も頑丈、と来てる。
もう区分だの基準だのを数値化して決めることなんて不可能なレベルの強さなんだ。
しかも、これでもまだ《Aランク》としては“雑魚”だよ。
一部には、戦闘機よりも早く動ける奴もいるし、数十m離れてる相手を“風圧でパンチ”できるようなのもいる。仕舞いにゃ、核ミサイルをたらふく撃ちこんでも傷ひとつつかない“らしい”ってのまでいる。
この《Aランク騎士型》がいるおかげで、日本は全世界で一番強い発言力を持つ国家になった。
《因子》が発見されて間もない頃は、諸外国がその力を日本からご拝借しようってんで、かなり圧力をかけてきた。しまいにゃ、武力行使に打って出るなんて脅しをした国もある。
でも、そういう連中も、《Aランク保有者》の力をちょいとデモンストレーションするだけでみんな黙り込んだ。
下手に日本を攻撃してごらんよ。この国だって平和主義国家ではあるけど、やられっぱなしってわけじゃないんだ。だから自衛隊だって現代まで残ってる。『核兵器持ってきたんじゃしょうがないわ~。ウチの国を守るためにも、そっちの国に最強の《Aランク》様を送って政府の首脳陣皆殺しにさせますわ~』なんてことになったら、相手さんとしては『はい喜んで~!』って返すしかなくなる。
と、まぁこういうことね。
とはいえ、それぐらいの連中になると、日本の側でも大分持て余すことになるけどね。
下手に《Aランク》が犯罪を犯せば、並大抵の警察なんかじゃ捕まえられない。《因子法》だって関係ないね。死刑判決出して電気椅子に座らせたって、まず電気流したぐらいじゃビクともしないのが《Aランク》なんだから、連中が調子に乗ったら、力のない人間には為す術もない。
でもまぁ、この辺についても大丈夫!
日本の警察には、《Aランク保有者》を専門的に捕まえる、同じ《Aランク保有者》の特捜班ってのもいるし、なんでも、《Aランク》の死刑を執行するための“処刑人”だっているって話だよ。おっほほ、なんか怖っ。
ま、そういうこともあるからか知らないけど、実際のところは犯罪を犯すような《Aランク保有者》はほとんどいない。時々起こる惨殺事件や行方不明事件が《Aランク》による犯行だって話はあるけど、そういうのは実際、ほとんど《因子人》の仕業だからね。
でも、大体の《Aランク保有者》は――これは《騎士型》の話だけど。普段は自分の能力をこれっぽちも使わない。そりゃあ、法律で規制されてるしね。
普通の人達の中に溶け込んで生活している人もいれば、政府からの至れり尽くせりの援助を受けて、のほほんと暮らしてるのもいる。
いや~羨ましい! セーイチだってそうやって暮らせばいいのに。
まぁ、あの人間はそんな暮らしは厭か……




