第三十八話 再起動の兄弟姉妹
白い天井は、情報の翼がないとただの白だ。
白は清潔で、清潔は正しい顔をしている。だから――怖い。
アリスは、目を開けた瞬間にそれを理解した。
ここは保健室ではない。
ベッドのきしみが違う。消毒の匂いが違う。空気の流れが、病院のそれだ。
そして何より、音が管理されている。
遠くで誰かが歩いているはずなのに、足音が薄い。
扉の開閉があるはずなのに、空気だけが変わる。
壁の向こうの機械は働いているのに、唸りが聞こえない。
耳ではなく、皮膚が“静かすぎる”と感じる。
情報の翼がないと、こういう違和感だけが残る。
手首と足首が、柔らかい布で固定されていた。
締め付けない。痛くない。
でも動くと締まる。動くほど、こちらの動きだけが悪者になる。
――最悪。
舌打ちをしようとして、喉が少し甘いのに気づいた。
鎮静が残っている。思考が一拍遅れる。
遅れることが、戦場では死だ。
遅れることが、ここでは“手順違反”だ。
視界の端に、淡い光が浮いた。
……戻りかけている。
情報の翼が、うっすらと。
だが、翼はすぐに薄れた。
まるで、戻ること自体が禁止されているみたいに。
アリスは笑いそうになって、笑えなかった。
「……健康管理、ね」
声に出したつもりが、かすれた音しか出ない。
喉が乾いている。
乾いているのに、唇だけが冷たい。
カーテンが揺れた。
誰かが入ってくる。
空気が変わるのに、足音がない。
アリスは目だけを動かした。
白衣。
名札がない。
それだけで、もう“誰か”ではなくなる。
白衣の男は、手元の端末を見たまま、丁寧に言った。
「覚醒を確認しました。――落ち着いてください」
落ち着いて。
その言葉は、いつも逃げ道を塞ぐ。
「……誰」
「役割です」
白衣の男は微笑もしない。
ただ、正しい顔をしている。
「状態は安定しています。暴れる必要はありません。暴れると、再鎮静の適用が――」
「“適用”とか言うな」
アリスの声が、わずかに尖った。
尖ると、白衣の男の目がわずかに動いた。
嫌悪ではない。評価だ。記録だ。
「“対象”は安静です。補助は不要です」
対象。
安静。
補助。
自分がいま、人ではなく工程として扱われているのが、言葉だけで分かる。
アリスは唇を歪めた。
「……ここ、どこ」
「医療区画です」
「どこの」
「安全な場所です」
安全。
配慮。
手順。
同じ温度の単語ばかりだ。
アリスは息を吐き、天井を睨んだ。
睨んでも天井は白いままだ。白は傷つかない。
白衣の男が、端末の画面をわずかに傾けた。
そこに映る文字が、一瞬だけ見えた。
《保全:対象A/健康管理モード》
《監査:外部照会不可》
アリスは、胃の奥が冷えるのを感じた。
「……外部照会不可?」
白衣の男は、淡々と言った。
「ここは治療の場です。混乱は避けます」
治療。
その言葉で、何もかも正当化できる。
殴れない。叫べない。逃げられない。
治療だから。
アリスは、目を閉じた。
――落ち着け。
――翼がないなら、翼のない戦い方をしろ。
義弘が、そんな顔で言いそうだ。
思い出すだけで腹が立つ。腹が立つのに、ちょっと安心する。
目を開けると、白衣の男が言った。
「説明があります」
説明。
説明は、言葉で縛る儀式だ。
「……聞く」
白衣の男は、端末を操作し、淡い映像を空中に投影した。
古いニュース映像。崩壊したインフラ。止まった信号。暗い病院。
その映像に、アリスは見覚えがある。自分が“知っていること”のはずなのに、いまは翼がないから、断片が刺さるだけだ。
白衣の男は穏やかに言った。穏やかだから冷たい。
「元々は、戦うための技術ではありません」
アリスは鼻で笑いそうになった。笑えない。
「揺り篭の日の異常太陽風で、電子機器だけでなく、人間の神経も焼けました。脳腫瘍が“増えた”のではなく、“発生した”。大量に。特に新生児で」
増えた。発生した。特に。
言葉の選び方が、最初から死者の数に慣れている。
「切除できない位置にできる腫瘍が多かった。手術が間に合わない子も多かった。だから“迂回路”が必要になった。神経の電位変化をバイパスして、機能を生かす。――それが、最初のブリッジです」
アリスの喉が、きゅっと縮んだ。
新生児。
腫瘍。
間に合わない。
映像には、保育器と、細い管と、白い手袋が映っていた。
白い手袋が小さな頭に触れようとして、躊躇する。
躊躇した瞬間が、記録されている。
「当初は医療です。治療です。延命です。――救いです」
白衣の男は、救いという単語を口にした。
救いの単語が、紙の匂いをする。
「しかし、社会は崩れました。医療も崩れました。資源が足りなくなった。病院が足りなくなった。人が足りなくなった」
アリスは目を伏せた。
“足りない”という言葉の下で、たくさんのものが切り捨てられたのを知っている。
白衣の男が続ける。
「そこで、治療・療養・再雇用プログラムが設計されました。患者が生きるために。社会が回るために。――企業が維持されるために」
最後の部分だけ、言い方が少しだけ変わった。
それでも、温度は変わらない。
「OCMは、患者を“保護”しました。戸籍のない者も、難民も、孤児も。治療を施し、療養を与え、適性を測り、社会に再配置する」
映像が変わる。
優しい音楽。明るい色。笑顔の少年少女。
パンフレットの宣伝映像だ。
『あなたの再出発を支えます』
『新しい身体、新しい未来』
『社会に必要とされるあなたへ』
アリスは吐き捨てた。
「……きれいごと」
白衣の男は否定しない。
「きれいごとは必要です。秩序のために」
秩序。
秩序はいつも、誰かの骨で立つ。
白衣の男は淡々と締めた。
「そして、そのプログラムが発展した結果が――NECROテック・エージェントです」
アリスは、言葉を飲み込んだ。
自分も、その結果の一部だ。
“備品”扱いされる理由が、いまは骨に刺さる。
白衣の男が少しだけ声を落とした。
「エージェントたちは、自分たちをこう呼ぶことがあります。――一度死んで、生まれた兄弟姉妹」
その言葉が、妙に優しく聞こえて、アリスは腹が立った。
優しさは、拘束の別名だ。
「兄弟とか言うな」
アリスは掠れた声で言った。
「勝手に家族面すんな」
白衣の男は、ようやく目を上げた。
「勝手ではありません。共感です」
共感。
共感という言葉で、また縛れる。
アリスは笑った。
笑い声は出ない。喉の奥だけが動く。
「……共感で動くなら、私を解けよ」
白衣の男は、そこで初めて躊躇した。
躊躇したのは感情ではない。手順だ。
「……手順が必要です」
ほら。
結局、手順だ。
アリスは目を閉じた。
閉じると、薄い翼の残像が浮かぶ。浮かぶのに掴めない。
焦りが胸に溜まっていく。
シュヴァロフ。
双子。
グリンフォン。
コロボチェニィク。
そしてバンダースナッチたち。
自分が守るものが、遠い。
遠いのに、ここに引き戻されている。
“健康管理”で。
同じころ、オスカー・ラインハルトの机の上には、サボテンが並んでいた。
鉢の数は少しずつ増えている。増えるたび、部屋は静かになる。
静かになるほど、言葉の余白が増える。余白が増えるほど、命令は鋭くなる。
オスカーの端末に、短い要約が落ちた。
文面は丁寧で、丁寧すぎる。
「権限移管」「監査」「再編」
どれも“調整”の顔をしているが、要は首だ。
海外部門が動いている。自分を切るために。
そして切る理由は、彼個人ではない。
NECROテックを、奪うため。
オスカーは机の端のサボテンを撫でた。
いつもなら、余計なことを言わない静けさが心地いい。
今日だけは違った。
指先が、ほんの少し強く棘を避けた。
「……不適切だ」
声は小さい。だが、温度が一段下がる。
「技術を“資産”と呼ぶのは構わない。だが、患者を資産と同列に置くのは許容できない」
怒り。
とは呼べない程度の棘。
しかし、棘は棘だ。刺さるように設計されている。
オスカーは通信を開いた。
呼び出し先は四つ。
リッチ。
レヴェナント。
ドッペル。
そして――シュヴァロフ。
応答は同時ではない。だが、どれも遅れない。
「指示」
オスカーは単語だけを落とした。
「海外部門が動いている。目的はNECROテックの回収」
画面の向こうに、三つの反応が揃う。
命令に従うための静けさ。
そしてもう一つ――守るための静けさ。
オスカーは言いかけて、言葉をわずかに変えた。
意識せずに変えたのが、彼の棘の証拠だった。
「……対象は、我々の兄弟姉妹だ」
空気が変わる。
「侵入経路を遮断。学校経由の“健康管理”系統を洗い替え。こちらの責任線で回収する」
責任線。
それは戦場の境界ではなく、書類の境界だ。
境界を押し返せば、相手の手順が崩れる。
「余計な衝突は避ける。だが、奪われることは避けない」
最後の一文だけ、声に微細な棘が混じった。
シュヴァロフの応答は、言葉ではない。
しかし、オスカーは理解した。
あれは“武器”ではなく、“手”だ。
アリスの髪を整え、汚れを拭い、眠りの呼吸を数える手。
「……君は、彼女の側に」
オスカーが言った瞬間、胸の奥で何かが跳ねた。
怒りとは別の、もっと古い感情。
治療が間に合わなかった子どもたちの記録が、頭の隅で薄く鳴る。
「失敗は許容しない。――だが、痛みは増やすな」
矛盾だ。
矛盾を命令として成立させるのが、オスカーだった。
通信を切った後、オスカーはサボテンを見つめた。
サボテンは余計なことを言わない。
言わないからこそ、こちらの余計なことが増える。
「……奪うな」
誰に向けた言葉かは、曖昧だった。
海外部門か。協力者か。
あるいは、世界そのものか。
義弘は、玄関を出た瞬間から“戦場”を逆算していた。
今日は銃弾が飛ばない。だからこそ、逃げ道がない。
端末の通知。
「健康管理」「保全」「問い合わせ不要」
この温度の文面は、現場の人間のものではない。
現場の人間は、もっと焦る。もっと汚れる。
これは、責任を動かす側の言葉だ。
義弘は歩きながら真鍋に通話を入れた。
「真鍋」
『……津田さん。今は――』
「保健室から“搬送”された」
『……っ』
呼吸が詰まった。
詰まった呼吸は、正論の前兆だ。
『それは――学校の案件ではありません。学校は“安全対策”の範囲で――』
「安全対策の提供元を洗え」
『提供元……?』
「端末に“安全管理モード:搬送補助の使用が可能です”と出た」
真鍋が黙る。
黙るのは、否定できないときだ。
『……最近、学校に“無償提供”が入ってます。複数。名義が散ってて、表面上は――』
「散ってるのは、責任を散らしている」
『……はい』
真鍋の“はい”は、警察の“はい”ではない。
人間の“はい”だ。
義弘は続けた。
「責任線を作れ。誰が許可した。誰が承認した。誰が鍵を渡した。誰の印鑑で搬送になった」
『津田さん、それは……』
「正論が遅れてくる前に押し込む」
『……』
真鍋が息を吸い、そして決めたように言った。
『分かりました。……鳴海さんに繋ぎます。治安機関の“線”が必要です』
「繋げ」
通話が切り替わる。
短いノイズ。
そのノイズの中に、義弘は“別の温度”を感じた。
鳴海宗一の声が出た。乾いている。現場の声だ。
『津田。何だ』
「アリスが学校から搬送された」
『……どこに』
「医療区画。監査。外部照会不可」
鳴海が短く笑った。笑いというより、歯軋りだ。
『……誰が“不可”にした』
「それを今から突き止める」
『突き止める前に死ぬ可能性がある』
「死なせない」
義弘の言葉は誓いというより命令だった。
命令にしなければ、工程に飲まれる。
鳴海が言った。
『学校の“安全設備”の系統、俺が押さえる。――ただし、正面からは入れない』
「正面から入る必要はない」
『……やる気か』
「やる。書類で」
鳴海は息を吐いた。
『お前は相変わらず、嫌な戦い方をする』
「褒め言葉だな」
『褒めてない』
通話が切れた。
義弘が歩みを止めたところで、背後から小さな足音が追いついてきた。
透だ。孫。
靴紐がほどけている。ほどけたまま走ってきたのが分かる。
「おじいちゃん……!」
透の顔は青い。
さっきまでの熱は消えている。残っているのは怖さだけだ。
「俺……俺のDM……あれ……俺が……」
「お前のせいじゃない」
義弘は、透を見ずに言った。
「だが、お前が入口だったのは事実だ」
透が泣きそうな顔になる。
「俺、どうすれば……」
義弘は足を止め、透の肩を掴んだ。
強くない。だが逃げられない。
「生きろ」
「え……」
「お前が死んだら、恒一郎が壊れる。恒一郎が壊れたら、会社が揺れる。会社が揺れたら、インフラが揺れる」
透は呆然としている。
自分の行動が、コメント欄の軽さでは済まないことに、ようやく触れた顔だ。
義弘は続けた。
「そして今は、アリスが“健康管理”という言葉で縛られている」
透が唇を噛んだ。
「……助けるの?」
「助ける」
「殴り込むの?」
「殴り込まない。――責任で殴る」
透は訳が分からない顔をした。
分からなくていい。今は。
義弘は歩き出した。
トミーが肩の上で低く言った。
「ジジイ。お前、今日の方が疲れそうだな」
「戦いより疲れる」
「だろうな。学校と病院は、だいたい敵だ」
「敵じゃない」
「敵じゃないのが一番厄介なんだよ」
トミーの毒舌が、妙に正しい。
白い部屋で、アリスの鎮静は少しずつ薄れていた。
薄れた分だけ、怒りが戻ってくる。
怒りが戻る分だけ、翼の残像がちらつく。
ちらついた瞬間だけ、視界の端に――手順の文字が走った。
翼が戻りかけたのではない。戻りかけたものを、誰かが“使った”。
丁寧すぎる文面が、白い空気に貼り付く。
《OCM本社/NECROテック統括局・保全運用課:MORTE》
《監査封印:継続 外部照会:不可》
次の瞬間、翼はまた薄れた。
名前だけが残った。
名札ではない。――工程のラベルだ。
扉が開く気配がした。
足音がない。
空気だけが変わる。
カーテンの向こうから、白衣ではない人間が現れた。
制服でもない。軍装でもない。
だが、動きだけが――現場のそれだ。
目が合った瞬間、アリスは本能で理解した。
同じ匂いだ。
“治療”で生き延びて、そして“役割”に押し込まれた匂い。
男――いや、年齢の判断がつかない。顔の一部が“調整”されている。
その目は、妙に疲れているのに、妙に静かだ。
アリスは唾を飲み込み、言った。
「……誰」
その男は、名乗らなかった。
名乗る必要がない顔をしている。
代わりに、短く言った。
「……分かるか」
アリスが返す前に、男の指が端末を撫でた。
撫でただけで、部屋のどこかが“了承”したみたいに、空気が一段落ち着く。
カーテンの陰の小さなランプが、緑に変わった。
――こいつ、鍵を持ってる。
医者の鍵じゃない。手順の鍵だ。
男の端末の隅に、文字が一瞬だけ滲んだ。
名札ではない。署名でもない。
「保全運用」――それだけ。
アリスは、喉の奥で笑いそうになって、やめた。
「……分かるとか言うな。殴れないだろ」
男の口元が、ほんの少しだけ動いた。
笑いではない。共感の癖だ。
「殴らなくていい」
「……私は今、縛られてんだよ」
「知ってる」
男は視線を、アリスの固定具に落とした。
その視線に、怒りの棘が混ざった。
大きくない。だが、本物だ。
「……“手順”だ」
「手順は嫌い」
アリスが言うと、男は淡々と返した。
「俺たちは手順で生き延びた」
それが、何よりの呪いだ。
男は一歩近づき、声を落とした。
「君は……一度、終わった。俺たちもだ」
アリスの喉が、また甘くなる。
鎮静じゃない。言葉の鎮静だ。
男は続けた。
「生きてるのに、死んでる顔をするときがある。分かる」
アリスは目を逸らした。逸らして、悔しくなった。
悔しいのに、嫌いになれない。
「……兄弟とか言うなよ」
「言わない」
男は、そこで初めて選ぶように言った。
「……姉妹でもいい」
アリスは鼻で笑った。
「気持ち悪い」
「分かってる」
男は端末を取り出した。
古い型。古いのに、妙に改造されている。
こういう端末を持つやつは――“外”を知っている。
「外が動いてる」
男が言った。
「お前の外?」
「君の外」
男の目が、ほんの少しだけ険しくなる。
「奪う動きがある。……同族を、資産として」
資産。
その単語に、アリスの胃がむかついた。
「……誰が」
男は首を振った。
「今は言えない。言えば手順が崩れる」
アリスは歯を食いしばった。
言えない。
手順。
また手順だ。
男は、しかし、そこで一つだけはっきり言った。
「ただ、覚えておけ」
そして、低く落とす。
「俺たちは、一度死んで生まれた。――だからこそ、簡単には奪わせない」
その言葉に、アリスは胸の奥が熱くなるのを感じた。
熱いのに、嬉しくない。
嬉しくないのに、孤独が少しだけ薄れる。
男は、固定具に触れなかった。
触れれば、手順違反になる。
手順違反になれば、彼が消される。
だから彼は、触れないまま言った。
「止めるのは、殺すためじゃない。壊さないためだ」
アリスは目を閉じた。
「……止めるなら、早く解けよ」
「今は無理だ」
「最悪」
「知ってる」
男は一歩引いた。
そして最後に、ほんの少しだけ――温度を落とした。
「でも、君はひとりじゃない」
それが、優しさだ。
優しさは、拘束の別名だ。
だけど――今日は、その拘束が少しだけありがたい。
男が去る。
足音がない。
空気だけが元に戻る。
アリスは天井を見た。
白い天井が、少しだけ白くなくなった気がした。
視界の端に、翼の残像が浮かぶ。
浮かぶだけだが、浮かぶことが重要だ。
――義弘。
――シュヴァロフ。
――兄弟姉妹。
自分は備品だ。
でも、備品にも怒りはある。
怒りがあるなら、翼は戻る。
アリスは、喉の奥で小さく笑った。
笑い声は出ない。
それでも、口元がわずかに歪む。
「……奪うなよ」
誰に向けた言葉かは、曖昧だった。
海外部門か。協力者か。
あるいは、世界そのものか。
白い天井は余計なことを言わない。
だから、こちらの余計なことが増える。
そして、余計なことは――いつか戦いになる。




