青春怪奇談 楽劇の能面 第一幕 消失の女の子
4月5日
始業式から1日経った。
朝食を食べた後、住んでいるマンションを後にし、下の自転車置き場に行った。
清々しい春の朝、自転車をこぎ始めた。
「ふぁぁあ」
俺は自転車をこぎながら、あくびをかいた。
「おはよう、快斗!」
隣で走りながら幹也が挨拶をしてくる。
「……前から思ってたんだが、何でお前、自転車で走っている俺と並走出来るの...」
「走ってるから」
脳の処理が止まった。
「……」
「どしたん、黙って?」
「ふざけてる?」
「いや?」
これが素なのかと口を開きそうになった。
こうなるのは大体分かっていてもやっぱり驚きは無くせない。
大代幹也、小学校からの幼馴染で、2年生にして陸上部でも早い方…らしい。昔はいつも一緒に遊んでいたが、今はスクールカーストの差が酷すぎて遊んではいない。だけど登校時には、話しかけてくれる良いやつだ。
新しいクラスはどうかと考えていると目の前に信号が赤になったから、停まった。
「ドキン」
心臓がなぜか痛む。痛みで下を向いてしまうほどだ。
「うっ」と怯みつつ、前を向きなおした_________。
目の前には化け物がいた。黒く、泥のように皮の様なものが爛れていて、顔には口以外見当たらない。
腹には、大きな目が一つ、空は赤く紅に染まっており、白い日輪からは所々にヒビが広がっている。
化け物は、何体も目の前にいたが、こちらに気付いていなさそうだった。
「…!…斗!快斗!」
幹也に呼ばれ、視点を右に逸らす____。その一瞬だけ周りが白く輝いている女子高校生と目が合った。その子は「あっ」とこちらに一瞬驚いているように見えたが、すぐさま憐みの目を向けてきたような気がした。
「快斗、大丈夫?いつもなら青になったらすぐ自転車を漕ぐのに」
「大丈夫だ。走りながらで悪いがさっきそこに女子高生居なかったか?うちの制服着た」
「なに言ってるの?ここには俺と快斗しかいないじゃん、もしかして寝不足?」
「あぁ、あるかもなソレ。実際寝たの2時だし」
日常的で生産性の無い会話をする。今思えばこれも不安を打ち消したかったのかも知れない。
それから会話を続け、ホームルーム15分前に学校に着いた。自転車を駐輪場に置き、靴箱で上履きに履き替える。普通科の校舎3階に行き、ここで幹也と別れる。俺は2のA、アイツは2のCというクラス分けだったからだ。それにしてもアイツ1年の頃から付き合ってる女子とまだ付き合ってるって相当イケメン何だなの考える。準備が終わり机に腰掛けると、すぐに担任が入って来てホームルームが始まった。
「今日は校長先生とお近くの警察署の署長が来ております。皆大体育館に来るように」
と告げ、担任は教室から出て行った。
「またかよ」「でも流石にこの頻度はヤバくない?」
などという声が教室のあちらこちらから聞こえる。
そうして、高2の最初の一限を朝会で潰す事となった.
大体育館に入ると高1から高3、そして中高一貫なので中学生もいた。体操座りで待つと校長が登壇した。
「新入生、はたまた進級生達、今日は新学期初めの挨拶をしようと思っていたのだがそのような事をする暇が無い。高校諸君は前から伝えていたのである程度分かってしまうだろうが、署長殿の話を聞いて欲しい」
やはり予想は的中してしまった。
「新学期を迎えた生徒諸君、残念だがまたこの地域での行方不明の生徒が増えた。昨年度の11月辺りから女子高生グループの1人が消え、そこから何人も高校生が姿を消している。そして昨日、別の中学校の生徒5人が漏れなく姿を消した。そして皆さんに気をつけて欲しいことが“夜に神社などの宗教関連の場所に行かない事”を徹底して欲しい。最初の失踪者であるこの学校の高等部普通科失踪時2年の春咲紫苑さんは失踪日に友達と夜の神社に行っていたらしい。彼女は失踪前はモデルをしていたので、神社などの暗いところで拉致された可能性を踏まえると、その他の生徒を拉致だろうと私達は結論を出しました。くれぐれむを暗い所を通るのは注意してもらいたい」
と、署長が話して壇を降りた。
その後はいつもの長話、ようやく終わり、教室の席に戻る。その時、幹也が彼女や部活の友達と話しながら帰っていくのを席から眺めていた。
2時限も終わり、やる事が無いので旧視聴覚室という今となってはただのアナログな記録の保管をしている空き教室へと行く。そのような場所はよく陽キャ達のたまり場として使われるがこの教室には誰も来ない。
そうして、暇人の俺は旧視聴覚室の扉を開ける。そこには別の友人の麻田拓哉と目が合った。
更新が遅くなりすいません泣
ですがこれからもこのような不定期投稿となります!
末長く見守り下さい




