チラシの裏に書くような140文字の話

その時何があったのか

　多忙な夫の出張中に自宅が燃えた。かろうじて妻は助かったものの意識は戻らなかった。夫は仕事を替え、毎日妻の介護に病院に通う。

　そんな生活が三年ほど続いたある日、突然妻は目覚めた。夫は涙を流して喜んだが、妻は自分の置かれた状況をすぐに理解して夫にこう言った。

「人工呼吸器を外して下さい」

※なぜ家は燃えてしまったのか？その事について夫には何も分かりません。人工呼吸器を外して欲しいという妻の真意も分かりません。でも夫はただただ妻を愛しています。