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穴の底
「恋はするものじゃなくて落ちるものよ」そう彼女は言っていた。
そうか恋が盲目というのは、目が見えなくなるんじゃなくて、落ちた穴の底が暗くて何も見えないだけだったのか…しかし何も見えないと逆に想像力は増してくる。
彼女に突き落とされた深い真っ暗な穴の底で、僕は彼女の姿を頭に描いていた。
※理屈じゃないんですよね。
人を好きになってしまうと、どんな仕打ちを受けても心が言う事を聞いてくれなくなります。
でも一旦心が裏返ると怖いことになるので気を付けましょう。
好きの反対は嫌いでは無くて無関心です。