虐げられし姫は、意識を取り戻す*
悲鳴を上げ、慌てて男の手を振りほどき飛び起きる。
そして自分が裸である事に気がついて更に慌てる。
何か身を隠す物をと必死に探す。
そして薄いの布ような布団を、引っ張り出して体を隠す。
そうしている内に、リアの悲鳴にセトも目を覚ました。
「ん?ああ、意識が戻ったのなら、もう心配いらないね」
どうやら、彼女を温めて、横になっていたら眠ってしまったらしい。
リアは、その男の顔を見て、初めて、その男が陛下だと気がついた。
「へ、陛下!な、なぜ、どうして!!」
混乱しながら、ようやくの思いで言葉を絞りだす。
「君、まさか覚えて無いの?僕にあんな事しといて…」
「/////あっ、あ、あんなこと?!///」
あんなこととは、池に突き落とした事だが、リアは誤解していた。
自分は裸で男の陛下に抱きしめられて眠っていた。
頭の中では、いけない妄想が、どうして浮かぶ///
(///私、いっ一体なにを…///)
耳まで真っ赤になって困って、うつ向いている、
リアの様子が可愛く思えて、ついからかいたくなってしまった。
身をお越し、肩を抱き寄せ、わざとリアの耳に息を、吹きかける様に囁いた。
「ひどな…覚えて無いなんて……」
「ひ、あっ/// あ、のだからなにを…////」
耳に息が掛かり嫌でも感じてしまう。
顔は、真っ赤で涙目になったリアを見て、からかいが過ぎたと思い、あんな事を話した。
「本当に忘れたの?僕を池に突き落としといて…」
そう言われ、リアは自分がした事を思い出した…。
さっきまでの、真っ赤な表情から、今度は真っ青になる。
そして、急に土下座して、
「あ、あの本当もう訳ありませんでした。罪は償います。
…私を、陛下に無礼を働いた罪で死刑にしてください!」
リアの突然の申しでと、思い詰めた表情を見て、今までの行動といい、今回の事といいその事情が気になった。
「僕を池に突き落とした事は、まだ誰も知らないよ。それに何か事情があるなら話してくれない?」
そう言われ、どうやら今回も、失敗に終わりそうだと思い。
これ以上の事は何も出来ないと思い正直に話した。
祖国の悲惨な状況、自分の生い立ち全てを話す。
「だから、どうか、私と、私の家族を全員死刑にしてください。それが無理なら、いっそ戦争して、私の祖国を征服して、継母達の圧政で苦しむ人達を救ってください」
と。
「う~ん。やって事も言っている事も、むちゃくちゃだね。君の考えは分かったけど、戦争になったら、その祖国の国民が一番犠牲になるって分かってる?」
「そ、それは………」
「まさか考えてなかった?」
「………はい」
リアは、ただ継母達の権力を、取り上げなければと、そればかり考えていた。
だが、なんの力も無いリアには、こんな方法しか思い付かず、また政治や軍事等の教養も無い仕方の無いことだった。
「つまり犠牲を、最小限に抑えて君の国を救うえばいいんでしょう?それなら僕の国が、君の国を支援しよう」
「支援ですか?」
貧し国なので支援はありがたいが、これ以上、継母達に私腹を、肥やされても困る。
また、それでどうやって救えるのか疑問に思った。
「支援の中には物資は勿論、人的な支援も含ませる。僕の国から送った者達が、君の国のまともな王族や家臣を支援して、
国を上手く乗っ取らせる。そうすれば、民に被害を出さなくて済む」
「そんな事が、出きるんですか??」
リアはすぐには信じられなかった。
「うん。出来るよ。後は支援をする口実だね……。そうだ!君、僕の妻にならない」
「?!?!?!」
(コノヒト今なんつったー!!)
リアは突然の話に、ただ、ただ驚くのだった