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神の娘 ~外伝~  作者: 藍


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冥府の大騒動(1)

ー冥府ー


それは、リアが冥府の正式な官吏になってから少したってた頃だった。


冥府の宮殿を、いつもの様に掃除して居ると、突然、女鬼に囲まれたのだ。


そして1人の女鬼が前進み出て質問が飛んできた。


「貴女が、リアさんね?」


その様子は鬼気迫るものがあり、リアはその迫力に負けて、ただ「はい」と返事を返すので精一杯だった。


そう答えると、女鬼は再び口を開く。


「大変申し訳ありませんが、私達に同行してください!」



そう言われてリアは無理矢理に手を引っ張られる。


「えっ?!はぁ?あの、ちょっと私は仕事中なんですがー?!困りますー!」


一応の抵抗はするが、誰もリアの言葉には耳をかさ無い。


そうして問答無用で連れて来られたのは『八大地獄』だ。


『八大地獄』には様々な部署が有る。


そしてリアが連れて行かれたのは『統括地獄』。


そこは色欲に溺れた者達が落ちる地獄とされていた。


ここに勤める獄卒の殆どが女鬼だった。


そしてここの主任こそ、エンマの妻にして、エンラの母親だったのだが。


冥界に最近来た、リアは疎かった。


いきなり広いく立派な屋敷の部屋に連れて来られその部屋の中央にはこの屋敷の主らしき美しい女の人が静かに座っていた。


決して派手では無いが、一目で上質と分かる着物、そして有無を言わせぬ気品があった。頭には、角があり


そしてその女性がリアに話掛けてきたのだ。


「貴女がリアさんね?初めまして(わたくし)シュラですわ。この統括地獄で主任をしています」


突然、地獄に連れてこられ、明らかに高貴な感じの女性の登場にリアは慌てて頭を下げて返事を返す。


「え?あ、はい。初めましてリアと申します。それで、あの、私に何か御用でしょうか?」


迫力に押され、そう返事をするのが精一杯だった。



「突然ごめんなさいね。私どうしても、一度、貴女とお話をして見たかったの」


面識の無い相手から、そう言われて、リアは戸惑った。


「えっ?私と話ですか??」


(何故?私、何か粗相したかしら掃除は毎日気合を入れてやっているし、…)


呼び出される心当たりの無いリアは戸惑った。


そんなリアを無視して、シュラは話しを初める。


「貴女が、旦那様に大変目を掛けられていると聞いています。そして、一度、貴女と今後の事をお話して、納得したら、私は身を引こうと決心していたのです」


「はい??旦那様??あの、それはどなたの話ですか??」


リアは、言っている意味が分からずただ困惑しか無い。


そこへ慌ててエンラが入って来た。


「母上。失礼致します」


エンラが、シュラをそう呼んだので、リアは驚きながら、2人を見比べる。


確かに容姿が似ていた。


「え?母上ー?じゃあ、旦那様ってエンマ様?!」


リアの驚きを、他所にエンラは、シュラに話しかけた。


「母上は誤解しています。リアさんは、父の愛人ではありません!」


「私が、エンマ様の、あ、愛人ー?!」


「エンラ。(わたくし)に嘘を付かなくても良いんですよ。もう長く一緒にいないんですもの……他の方に心移りしても仕方がないこと思っています」


その話しでリアも勘違いされた事に気が付く。


「本当にそれは失礼ながら酷い誤解ですわ!私は、その、つまり、陛下いえ、セト様をお慕いしていますの///確かに結婚式とかしていませんが心は既に人妻です!それに私達の間に娘もいますし///だから、エンマ様の愛人なんて酷い誤解ですわ!」


だがまだシュラは疑って居るようだ。

「……」


「そうです。母上。リアさんは、叔父上。セト様の奥方です。ただ人間である為に、現世で残念ながらお亡くなりになられ、冥府へ来てしまったのです。父上に取っては、義理の妹、身内なのです。ですから、父上は気に掛けておられるです」


そう言って、エンラは、シュラに手に持っていた書類を渡す。


エンラが手渡した書類は、冥府で裁判に使う『人生史』と言われるもので、そこにはリアの地上での人生が全て記されていた。


それを読んでシュラも納得したらしい。


「私ったら勘違いを……。ごめんなさい。噂を鵜呑みにしてしまって…」


「いえ。人生史を見られて恥ずかしいですが//わかって頂ければ、それで//」


「誤解が解けて何よりです。私はこの『人生史』を早急に返しに行かねばなりませんから、。これで失礼します」


エンラの持ちた見した書類は、本来なら持ち出し禁止の重要な書類だ。

だから、エンラは急いでいたのだ。


シュラも、それを理解して、エンラを見送る。


「ええ。本当にごめんなさいね。リアさんは責任を持って部下達に冥府へ送らせるから…」


シュラがそう答えるがリアは遠慮してしまう。


「いえ。大丈夫です。一人で帰れます」


「それはダメよ。地獄は危ないわ。特にここは統括地獄。色欲に溺れた者が落ちる地獄です。女性が一人で歩きなんて、襲ってくれって言っているようなものよ」


「えっ!?」


そう言われる、亡くなる原因が頭をよぎる。そうしてリアはシュラの行為に甘えるの事にした。


「えっとお手数お掛けしますがよろしくお願いします」


そして、連れて来られた時と同じ女鬼達がリアを送ってくれる。冥府に繋がる道で彼女達はリアに謝罪する。


「先程は大変失礼を致しました。本当に申し訳ありません」


そうして歩きながら話しをした。


「シュラ様にも謝罪をして頂きましたし、終わった事てすわ。お気になさらず。それにしても色々とびっくりしましたわ」


「奥様と王との事ですか?」


「ええ。あの、ずっと別居されて居るんですか?」


余り立ち入った事を聞くのは失礼だがつい好奇心が勝ってしまう。


「はい。はじまりは、奥様が、エンラ様を難産の末にお産みになられた頃からですから、もう数百年前です」


「数百年って……。一体何があって、その別居に?」


「元々はエンラ様ヲ難産の末にお生みになって、奥様が体を壊してしまったのが原因です。あの屋敷は、シュラ様が静養する為に建てられ屋敷なのです。」


「まぁ。それは大変ですね。産後は特に無理をすると大変ですもの…」


出産は命がけだ。


出産は無事だったが子を産んだ事があるリアには、他人事には思えなかった。


「ですが、今は奥方様のお体も良くなり静養の必要は無いのですが…」


「そうなんですか?ならどうして?」


「王との関係が、冷え切ってると言うか、奥方様が一方的に思い込んでるんです」


「え?」


「元々エンラ様のご出産の時は、酷い難産で、医師が万が一の時は、赤子を優先するか?奥方様を優先するかで、王は奥方様の命を選びました」 


「それを奥方様は、お子の誕生を望まれてないと思い込んでしまって……」


(誕生を望まれてないとまでは、思わないけど、母なら絶対、我が子優先って思ってしまうのは仕方ないわね)



「その上、エンラさまも幼い頃から沈着冷静。その無邪気さの欠片も無いお子さまで……。奥方様が弱ったの体で、無理をして世話を焼いたら『無理して世話をして貰う必要はありません』断ってしまって、その上、甘えたり、寂しがったりしませんでしたので。それも有って。自分は、息子にも必要とされていないって、ますます拗れてしまったんですよ」


「そんな…エンラ様ってそんなに幼い頃から大人ぽかったんですか?流石に小さい頃は無邪気で母親に甘えた事もも有ったと思いますが?」


リアでもなんとなく想像は付く様な気がするが、流石に小さい頃は多少は甘えたり無邪気だったのでは?と思ってしまう。


だが、そんな考えを女鬼達は否定する。


「エンラ様は種族上は神族ですからね。なんて言うか…、とにかく子供の頃から見た目は子供。精神は大人って感じで、今と全然まったく変わりませんよ。神の子は、なんて言うか、とにかく子供らしく無いんですよ。初めから私達の言葉も理解出来るし、頭も良くて、あの難しい神文字を幼い頃から簡単に読み書き出来るし神族と私達では何もかも違うんです」


「そうなんですか?」


同じ神を父親に持つエンラの子供の頃の話になり、リアは娘のセリを思い出していた。


もしかして娘のセリもエンラの様に沈着冷静な子供に成長しているのかしら?と。


(思い返して見れば、確かにセリは赤ちゃんだったけど、私の言葉が通じていた様な気がするし…。余り世話を負担に感じる事も無かった…。いいえ、でも無邪気な赤ちゃんだったわ…)



セリがリアが一緒にいられなくて、寂し思いをしているのでは?と考えると辛い。でも、もし母である自分の存在を必要ともしてもいなかったら、忘れられていたら、それは、それでリアは悲しく思う。


だからシュラの気持ちは良く分かるし子供には甘えて欲しい。自分を必要として欲しいと心の何処かで思ってしまうのだ。




そんな母としての気持ちが分かるから、何かして上げたいと思うが、余り個人的な事に立ち入るのも、難しいのは事実だ。


だから、夫婦、親子がいつか蟠りが解けて仲良く暮らす日をただリアは祈るのだった。



久々に外伝の更新ができました。


話しの続きは、明日の夜10時に更新します。


よろしくお願い致します。

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