【番外】虐げられし姫は、冥府の研修会に参加する(6)
そして屋敷に無数に飾られていた絵は全て男性の姿絵だった。
「これ!全部、男性の絵ですか!!」
「そうよ♡言ったでしょ。これがあたしの趣味♡」
黄桃は、その中から大きな絵を壁から外してリアに渡す。
「あった。はい。これ貴女にあげる」
リアが、渡された絵に見ると、そこには美しく着飾って立っているセトの姿が描かれていた。
「ええー!陛下の絵ー?!」
「そうよ。セトちゃんの絵よ。天界の宴の時の姿ね。ほんと素敵よね~♡エンマちゃんの配下の絵師が、描いてくれた物よ。エンマちゃんはね。あたしの為に
絵師に沢山の絵を描かせて、あたしを楽しませてくれるのよ。他にも天国は地上みたいに明るでしょ!地上と変わらない環境をあたしの為に調えてくれたの♡」
冥府は、地下にある異界と言われ冥府や地獄に太陽の光は無く暗かった。
「天国だけが、地上とよく似た明るい世界なのは、全て黄桃様の為だったんですね」
「まあ、そうね。あたしは元々地上生まれなの。でも、地上でゴタゴタが合って、人間達の魂、冥府が受け入れる時にエンマちゃんから、熱烈にお願いされてね。あたし、冥府に引っ越たのよ。他にもあたしが寂しく無いように絵も沢山用意してくれたし。この絵があたしからのお礼よ。会いたくても会えないでしょあから良かったら貴女の家に飾ってちょうだい♡」
「あの、良いんですか?、黄桃様の大切な収集品では?」
「良いのよ♡だってあたし、既婚者には興味が無いから……。まあ、エンマちゃんもだけど良い男が、また一人あたしから去るのは悲しいけど……」
他の絵をざっと見渡せばエンラの絵や他な神とおぼしき絵や鬼男性の絵もあるがエンマの絵は見当たらなかった。
リアは久しぶりにセトの姿を見て、顔が赤くなってしまいながらも黄桃に礼を言う。
「あ//ありがとうございます//嬉しいです。大切にしますね」
「うふ♡喜んで貰えて良かったわ。簡単には生き返るなんて出来ないでしょうから、それまでは、それで我慢ね♡」
「///な、なんで…それを!!」
突然、そう言われリアは素直に反応してしまう。本来なら絶対に知られてはいけない秘密だったのに。
そう訪ねると黄桃は、懐かしい昔話をするのだった。
「セトちゃんとは、古い知り合いなの。彼の性格を考えれば、何でも自分の思い通り、不可能も可能にしちゃう神よ」
「陛下と知り合いだったんですか?」
「ええ。彼が、天界から地上に降りて来た頃からのね。ばじめて彼を見た時から、あたしの心は彼の虜になったわ。あの美しい姿に」
(もっと彼を見つめていたい♡笑顔が見たい♡)
そんな思いで分身でこっそり後をつけ回して、毎日、毎日、物陰からそっと彼の様子を見ていたわ。
「えっ?!そ、それは、犯罪……」
(う~ん。それはちょっとどうなのかしら。陛下も大変ね。私と会った時も言い寄られたし。陛下には女難の相でもあるなかしらね……お気の毒に…)
などと、思ってしまうリアだった。
「そしてある日、彼は、あたしの本体。つまり木の所にやって来たの。あたしは嬉しかったわ。セトちゃんが、あたしに会いに来てくれたんですから。でも彼は何故かとても怒ってて、自分をつけ回すのを辞める様にって。あたしがヤダって言ったら、本気で怒って、氷やら海水をかけられたわ。正直アレ、今でも、あたしのトラウマ……。それ以来、本物は、危険だから絵を眺めることにしたのよ。絵なら、いくら眺めても問題無いから♡」
「氷や海水ですか?」
「神の力にはね、元素造化と云う力が有ってね。セトちゃんは、水や氷を造るのが得意なの。海水も造り出すのはお手の物なのよ。
植物のあたしに塩は毒なの。塩害と言って水が吸い上げ出来なくなるから。あたし干からびたのよ!普通の植物なら枯れてるけど、神木は、一応、神の端くれ不老不死だから枯れなかったけど、その分生き地獄を味わったわ」
そうげっそりとしながら話す。
「となりにいた白桃ちゃんも巻き添えになって。それ以来、白桃ちゃんは、セトちゃんを危険で危ない奴に認定しゃって大変だったんだから…まあ、全ては、昔の話よ……」
「他にもね。これが大陸の神アシアちゃん。アシアちゃんは、ちょっとつかみ所の無い子なんだけど、あたしが物陰からじーっとアシアちゃんを見てると必ず声を掛けてくれたわ。優し子なのよね。他にも四季の神の兄弟達。みんな良い子なのよ」
四季と言うからには4枚の絵か有るかと思いきや3枚しかなかった。
「あの四季の神様の絵が1枚足りないのでは?」
「足りなくないわよ。秋の神は可愛女の子なの。秋風ちゃん、あたしも大好きだし~。いい子だけど、収集品は対象外ね」
「そこは徹底してるんですね」
「コッホン。まあ、とにかく、あたしね。今はこうして冥府に居るけど、いつか、またみんなと会えるって信じているのよ。だからリアちゃんも諦め無いでね。きっとまたセトちゃんと会える日が来るから…」
そう励まされ、思わずリアの目は潤む。
「はい。ありがとうございます……」
「また、みんなと会えたらお花見がしたいわねぇ~。その時はリアちゃんも絶対に来てね。うふ♡約束よ♡」
「はい。私こう見えても料理と作れるんですよ。お花見弁当作りますね。黄桃様は何が好きなんですか?」
「あたし、窒素、リン酸、加里ね!」
それは植物が必要とする栄養成分だったが、そんな事は知らないリアは、目をぱちくりさせて戸惑う。
「はい??」
「あたし達、植物が必要とする栄養よ。主に油かすと魚粉、米ぬかを発酵させた物が、あたしは好きよ。
他にも草木灰とかがいいわねって、もう、あたし植物よ。貴女達と同じ物は食べれないわよ」
「あ、そうですよね。すみません……」
「うふふ。良いのよ。あたしの桃の花を眺めてながら皆の笑顔が見れたらあたしにはそれだけで十分なんだから特にイケメンの笑顔が♡♡」
「……はい。そこは絶対にぶれ無いんですね」
「当然よ―!」
そんな楽しい話は、いつまでも続き、黄桃と別れ、リアが研修会の部屋へと慌てて戻ったが、すでに研修会は終った後だった……。
そこへエンラがリアを訪ねて来て書類を渡す。
怒られると思っていたが、特に咎める様子は無い。
「あの、申し訳ありません。それから、この書類は?」
「いえ。黄桃さんの相お手ご苦労様でした。黄桃さんは、この冥府で一番大切な方です。この冥府が数多の死者を受け入れ穢れに満ち溢れる場所でも清浄で入られるのは、全て黄桃さんのお陰でですから。
全ては、黄桃さん優先です。
ですので、今回はリアさんには、簡単に目標や決意等をこの書類に書いて提出頂ければ、それで結構です」
「いいんですか?」
思いもよらない、簡単な課題だったがリアは一生懸命に書いて提出した。
その後、書き直しも無く、こうしてリアは無事に研修会を終えたのだった。
お読み頂きありがとうございます。
長らく更新出来なくて、申し訳ありませんでした。
黄桃の上げた好きな物については、私が育ている植物に使っている肥料の材料を書かせて頂きました。
普段から化学肥料を使わずに有機肥料を主体で育ててます。
その肥料として愛用しているのが『超発酵 油かす おまかせ』と草木灰です。草木灰は酸性に傾いた土壌を中和する土壌改良や水で流れ易い加里の補給として使っています。
何故かマニアックな後書きになってしまいましたが、これからもよろしくお願いいたします。
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