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神の娘 ~外伝~  作者: 藍


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妖精の森(1)

これは、シノエ、キシル、ファイがまだ妖精だった頃のお話です。

ー天界。


天界は、神々、精霊、そして妖精が住む世界だ。


そして神との主従の契約により妖精は、精霊へと昇格し神々と同じ不老不死になれた。


精霊に慣れなかった妖精には、寿命があり、最後には消えてしまうのだ。


そんな時間との戦いで、必死に主を探す妖精もいれば、諦めてひっそりと生きる妖精達もいる。


天界の片隅にある巨大な森は、そんな妖精達の住みだった。


その森を、天界では、『妖精の森』と呼んでいた。


妖精の森では、妖精達が力を合わせて自給自足の生活をしていた。


「ふぅ。兄さんもファイもどこに行ったのかしたら」


妖精シノエの兄キシルは、大変無口で神々に自分から売り込む事は出来なかった。



ファイは、石の妖精で、石の妖精の中には宝石眼と呼ばれる美しい瞳を、持った者が、生まれ神々から主従を、希望される場合が多いがファイには、ちょっと別の事情があった。


2人は、神々に使える事は既に諦め妖精の森へと引きこもっていた。


シノエも、兄やファイ達と一緒にいたいと、まだ精霊にはなっていなかった。


必死に森の中を、探しやっと、兄を見つけた。


「兄さん、こんな所に隠れて!やっと見つけたわ」


「シノエ…」


「兄さん。地上から沢山の神様が登っていらしたの。地上の神族は、天界の神族とまた違う価値観や文化を、お持ちだと聞いたわ。だから、きっと兄さんやファイの実力を認めてくださる神様もいらっしゃると思うの。お願いよ兄さん一緒に地上の神様の所へ行きましょう?」


「シノエ……分かったよ。地上の神々を訪ねて見よう」



「ファイの居場所は、俺が知っている」


こうして、2人は、ファイの隠れていた場所にやってくる。


「俺は行かない……」


「ファイ。そんなこと言わないで。さあ行きましょう」


そう言うとシノエとからキシルに、がっちりと両手の腕を捕まれ、ファイは逃げる事が出来なかった。


ファイは、諦めた顔になって、2人のされるがままになっていた。


こうして、3人は地上の神々の屋敷に向かったのです。


四季の神の屋敷。


既に噂を聞き付けた、妖精達が沢山集まっていた。


我先にと、妖精達は、四季の神に売り込みを初めている。


「兄さん、ファイ。私達も、神のお側に行きましょう!ってあれ??兄さん??」


「キシルなら、あっちの植物に夢中だぞ…」


ファイは、呆れた様に、キシルの居る場所をシノエに教える。


そこには、沢山の珍しい植物が植えられていた。



キシルは、植えられていた、植物に目がいっていた。


「これは珍しい。はじめて見る植物ばかりだな…」


キシルは、四季の神の屋敷にある植物に興味を、引かれ最早、就活という目的を完全に忘れてしまっていた。


「に、兄さん?!何してるの?!」


「シノエ。すまん。ここには珍しい植物の宝庫でつい目がいってしまって……」


「に、兄さん……」


植物の妖精は、植物に詳しい、キシルは妖精達の中でも更に優れた知識を持っていた。


「おや。そこの貴方。この植物が、何か分かりますか?」


話かけて来たのは、春の神、春眠(しゅんみん)だ。


シノエは、とっさに姿勢を正し頭を下げて挨拶をするが、キシルは挨拶もせず、春眠に臆すること無く答えるので、シノエは春眠の機嫌を損ねて、仕舞わないかハラハラしていた。


万年青(オモト)ですね。品種改良されてますが…」


だが春眠もキシルの態度を気にしていないので、シノエはホッとする。


「ふむ。当たりです。では万年青の育て方は分かりますか?」


そう問われキシルは、自分の知りうる情報の全てを話す。


「貴方は、優秀な妖精の様ですね。どうでしょう。私と共に植物を育て、品種改良等の手伝をしてくれませんか?」


それは、シノエが一番、待ち望んでいた瞬間だった。


「……はい…」


キシルは、春眠の要請に答えた。


「に、兄さん。おめでとう」


シノエは、兄キシルに使える神が見つかりとても喜んだ。

そうして喜んでいるとシノエの姿が春眠の目にも入る。


「貴女は、キシルのお友達ですか?」


「あ、いえ、私は妹でシノエと申します」


「そうでしたか。私にも弟達や妹がいます。兄妹を引き離すのは本意ではありません。シノエさん。貴女も、よろしければ、キシルと一緒に私に使えてくれませんか?我が家には、秋風(しゅうふう)と言う、可愛妹がおります。妹の世話や遊び相手になる、女性の精霊も必要としていますから」


「はい。それで、あ、あの、ファイ。いえ私の友達も一緒にお仕えする事は可能ですか?彼は石の妖精なのですが」


「石の妖精ですか?申し訳ありませんが、私の所では植物の妖精を探していまして、石の妖精は必要としていないのです」


「そうですか……でしたら、兄さんだけお仕えさせて頂ければ、私は」


シノエは、明らかに春眠の誘いを、断ろうとしていた。


「シノエ!!止めろ!」


それを止めたのは、ファイだった。


「ファイ?!どうしたの大声なんて?!」


「シノエ。俺は神に使えるつもりは無いと言ったはずだ!!」


「だけどファイ!!」


シノエは、困った顔でファイを見る。


「それにな!シノエお前にしつこく付きまとわれて迷惑してたんだよ!お前は、うるさいし、お節介で俺は、森で静かに暮らして行きたいんだ!もう二度と俺に付きまとうな!」


「ファイ…。私の事をそんな風に思ってたの?!」


その言葉を聞いてシノエの目には、涙が溢てきていた。


「ああ。ずっと思ってた。迷惑だ邪魔だってな。俺はもう森へ帰る。じぁな」


「ファイ待って!!」


引き留める様にシノエは、ファイの手を掴んだが、ファイは、シノエの手を振り払って行ってしまった。


(傷付けてすまない。シノエ。だがな俺に付き合ってお前が精霊に慣れる機会を奪う訳にはいかない。俺の事なんてさっさと忘れて精霊になって幸せになってくれ……それが、お前の為なんだ)


こうして、ファイは、妖精の森へと1人帰って行くのだった。


虐げられし姫の外伝がまだ終わらないのですが、こちら、空いてる時間にちまちま書いてきた作品です。


こちらも不定期更新ですがよろしくお願いいたします。



またいいなと思ったら広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして応援いただけると嬉しいです。


どうぞよろしくお願いします。

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