【番外】虐げられし姫は、冥府で働く(3)
エンラに、おば様の事を頼み、リアは、仕事を終わらせて家に帰った。
改めて今日の出来事をふり返り考えた。
セトが、地上に戻ったのは聞いて知っていた。
どうやら、そのセトの国と自分の国が戦をしたとは、リアには驚きだった。
戦火の中で娘は、無事なんだろうかと心配になったが、冥府にいるリアにはどうする事も出来ず、ただ娘の無事を祈のるのだった。
さらに昨日は、つい怒りを爆発してしまった。
大鬼の皆さんは、最初こそ驚いたが、最後は、なぜかエンラと共に称賛の嵐に変わったが、昨日の話を聞いた小鬼達は、怯えているかも知れないと思うと気が重かった。
小鬼達は、皆、子供の様に可愛らし性格も明るくて優しい、
冥府の鬼とはいえ暴力とは無縁に思える。
気は重かったが、仕事をサボるなんて出来ない性格のリアは冥府へと出勤する。
そして出勤する小鬼達の態度がすっかり変わっていた。
何故か、小鬼達は皆、整列してリアを出迎える。
『やはり恐がられてる!!』と思い落ち込んで、ただ立っていると、小鬼の1人がリアに声を掛ける。
「おはようございます。姉さん。本日もお勤めご苦労様です。よろしくお願いいたします」
「あ、姉さん??!!」
思っても見ない敬称に驚く。
「昨日のお話を伺って、我々、小鬼一同、尊敬の思いを込めてこれからは、姉さんと呼ばせてください」
「はぁ?!でも、あの、どうして突然、出来れば今まで通り接して頂きたいのですが……」
「我々は、冥府の鬼です。見た目は小さくとも、いつかは地獄の獄卒になるのが夢なんです!!姉さんは、掃除も料理も完璧、その上腕っぷしまで強いとは、まさに我々の憧れ理想の存在。ですから、これからも、我々をご指導、お導き頂きたい!どうぞよろしくお願いいたします」
どうやら小鬼達も、大鬼と変わらずリアに、称賛を送って来る。その上、何故か新人の自分を上司扱いする。
掃除とか、料理は、そこそこ自信があるし、教えられない事も無いけど、腕っぷしは……それ誤解ですからー!!
と言いたいが、昨日の事が有るため否定できない…。
リアの想像と違うが、取りあえず小鬼達に嫌われていないので安心するリアだった。
そして結局、今まで通りと頼んでも『姉さん』と呼ばれ、今まで以上に慕われたる事になった。
◇◇◇
休憩時間に休んでいると、エンラに会った。
「リアさん、昨日のお話の件ですが……。リアさんのおば様は、冥府にいらっしゃいました。それで、本日、会える様に取り計らっておきました。仕事が終わりましたら、冥府の客間にお越しください」
リアの心配した通り、亡なっていたらしい。
エンラは、冥府の副官で、昨日は、忙しい身の上なのに時間を、取らせたすぐに取り計らってくれた事にリアは申し訳なさで一杯になる。
「お忙しいのに、お手間を取らせて申し訳ありませんでした」
「いえ。偶然、今日、裁判で見つけましたので」
「そうなんですか?」
そう言われリアは少しホッとする。
「あのおば様は、この後どうなるんでしょうか?!」
「生前の罪は、軽いですので転生の判決がでいます」
「おば様を私と一緒に天国に住む事は出来ませんか?」
「すでに出ている判決を覆す事は出来ません。それに天国に住めるのは、あくまでも父が裁判の時に天国逝きを決めた者のみです。申し訳ありません」
エンマに選ばれた者達。天国に暮らしている人達は、皆、教養や中には人知を、越えた能力を、持つ者もいたり、リアのような何の教養や能力も無い人達とは違う。
リアは、セトのお陰て、天国に暮らせる特別な存在なんだろうなと改めて思った。
(でなきゃ、今頃、転生か最悪地獄逝き……)
仕事が終わってから、おば様に会った。
おば様は、リアが元気な姿を見せた事にただ驚いていた。




