【番外】虐げられし姫は、冥府で働く(1)
リアが、冥府に来てから一年間が過ぎていた。
天国には、少数の人間達も暮らしている。
最近、冥府では異常に死者が増えて、忙しいとの声が天国にも届いていた。
天国に住む者の中には、生前の能力が評価されて、冥府で官吏として働いて居る者もいるからだ。
天国で暮らす者達の、生活費は冥府から支給され、リアは働かなくても、生活には困っていなかった。
だが同じ天国で共に暮らす人達から、そんな話を聞いて、リアは冥府にやって来た。
天国から、冥府へは門で繋がって居て、すぐの場所にある。
また冥府から地獄も門一つですが繋がっている。
リアが、冥府へやって来ると、鬼達は忙しく働いていたが、慌てて手を止めて、エンマの所に取り次いでくれた。
冥府の大広間は、死者を裁く場所であり、エンマとその息子のエンラは、そこで忙しく仕事をしていた。
仕事の合間に、リアとの面会の時間を作ってくれた。
「お久しぶりです。エンマ様、エンラ様。お忙しいのに申しわけありません。実はお願いがあって参りました」
「久しぶりだな、リア殿。最近は冥府も忙しいてな。余り様子を、気に掛けてやれずすまんな。なにか不自由しているなら、遠慮なく申すがよい」
「いえいえ。不自由なんてとんでもありませんわ。今、冥府では大変な人手不足と聞いたものですから、私も冥府の雑用として働かせて頂けないでしょうか??」
「「は??」」
リアの申し出に、二人は驚きの声をあげる。
「ですから、私、冥府で働いて皆さんのお手伝いがしたいんです!私に出来る事なんて、お掃除とか、洗濯とか、料理とかですが、冥府の仕事には、そうした雑用の仕事もあると聞いていますので…」
「気持ちは、ありがたいが。その様な事をさせる訳にはいかぬ」
「冥府に来て以来、エンマ様をはじめ、天国や冥府の獄卒の皆様、私を本当の家族の様に暖かい迎え入れてくれました。とても感謝しています。ですから私も皆様が困っている時に、役に立ちたいんです!お願いします」
エンラは、少し考えてから、リアに返事をする。
「分かりました。お申しで大変感謝いたします。では冥府の雑用係として、採用いたしますね」
「エンラ!何を勝手に決めておる」
「父上、今の冥府には余裕がありません。リアさんの申し出を有りがたく受け、少しでも現状の改善をすべきです」
「リアさん。冥府での雇用条件を説明いたしますね。まずは、見習い期間が3ヶ月です。その後、正式な冥府の官吏(雑用係)として正式に採用になります。
労働時間は、8時間、休憩は1時間です。あと冥府の官吏のお仕着せを支給いたします」
「ありがとうございます」
「それから、給金や福利厚生もありますから、そちらも後で詳しく説明いたします」
「え?お給料も貰えるんですか?そんな、すでに冥府から色々と頂いてますし。お給料なんて要りませんわ」
今まで、ひたすら、ただ働きしかしたこと無いリアにとっては、驚きの話である。
ましてや、冥府では、すでに生活に困らないだけの費用をもらっている。
「それはそれ。これはこれです」
こうしてリアは、冥府で官吏見習い(雑用係)として、働く事になった。
◇◇◇◇
冥府と現世を繋ぐ入口の門。
そこには、エンマから直々に特定の人間を捕らえる様に手配書、が回って来ていた。
そして、その人間達を鬼達が見つける。
「こいつら、手配書の人間達だ!!そいつらを捕らえろ!!」
「何する!」
「きゃー!」
こうして、3人の人間達は、鬼達に捕まり、冥府へと引き立てられた。
その途中で、小鬼達と仲良く掃除をしていたリアとすれ違う。
その人間達の姿にリアは驚く!
「なんで、貴方達がここに!?」
そこのには、リアを虐げた継母や、そしてリアの死の原因をでもあるエリサ、その夫で従兄弟が酷い姿でリアの前に現れたからだ。




