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神の娘 ~外伝~  作者: 藍


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虐げられし姫は、天国で暮らす(2)

落ち込む日々が続くが、エンラを、初め鬼達はリアに色々優しいくしてくれる。


リアの世話をしてくれる小鬼は、リアを慰める様に言う。


「お元気がありませんね?死者限定ですが、リア様の会いたい人はいませんか?私が、お連れしますよ」


「死者でですか?」


「はい。現世とあの世の人間の接触は出来ませんが、死者と死者ならば問題はありません」


「あ、あの、それなら私の母に会う事はできますか??私の母は、私が子供の時に亡くなってるんです」


もし、母に会えるならばリアは、母に会いたかった話をしたかった。


「分かりました。少しお待ちくださいね」


そう言って小鬼は出でいった。


だが暫くして、小鬼は青い顔をしてなぜかエンラと一緒に戻って来た。


「申し訳ごさいません…。その、リア様のお母様は、すでに転生されてました」


「転生??」


「転生とは、新たな命となって生まれ変わる事です。ですからリアさんのお母様の魂は冥府には居ないんです」


エンラが、小鬼に変わって簡単に説明をする。


「部下が、よく考えてもせずリアさんにぬか喜びさせて申し訳ありません。後で厳しく教育しておきます。

それで、色々と調べたのですが、リアさんのお母様は、すでに転生されてますが、お父様ならばまだ地獄にいらっしゃいます。

よろしければお連れしますが……」



「いえ、結構です。父が、どんな罪で地獄に落ちたかは知りませんが、キチンと罪を償いをさせてください」


リアにとって父親はいないも同然だった。

今さら会う気もなければ、話たい事もない。



そして転生の話を聞き、リアは自分も転生できなかと思った。


転生して再び愛する陛下や娘のいる地上に生まれたいと。


そう考えれば少し希望ができた。


そうして、とうとうエンマが冥府へと戻って来た。


最初にリアが、連れて来られた宮殿の大広間でエンマと会う。


「ふむ…そなたがリア殿か?」


その姿は、エンラに似ていて、凛々しい顔立ちで威厳に満ち溢れ、まさに冥府の王と呼ぶにふさわしい。


「天界、地上、冥府どの異界も時の流れが違う。それ故、随分と冥府で余の帰り待ったであろう?すまなかったな」


「い、いえ、あのそれで私はどうなるのでしょうか?」


死者は冥府で裁きを受けるのだと言う。


リアも死者なのだから、これが裁きなのだと思った。


そして自分は、裁かれ地獄に落とされても従うしかないと…。


「ふむ。その事だか、そなたはどうしたい?」


だが反対にエンマから質問された事には驚いた。


どうやら、リアの思いを聞いてくれるらしい。


それならと正直に自分の思いを伝える。


「………私は、地上に帰りたいです。ですが、このままでは無理なのも承知しています。ですから転生したいと思います」



「転生か、確かにその方法でなら地上に帰れるな。

だが転生は、そなたが思っているものと少し違うかも知れないぞ。転生とは、そなたがそのまま、生まれ変わるのでは無い。

自我も記憶も全てが消え、ただの生命力になり、天界に昇り違う生命力と複雑に交ざりあい、再び違う命となって生まれ変わるのだ。

転生すれば、そなたは消えたも同然。それでも良いのか?」


「そ、それは…」


リアは、そこまで詳しくは知らなかった。


「本来ならば、死者を生き帰らせる事はできん。だが、(あれ)はそれやるつもりでいるらしい」


「私が生き返る?!陛下は、私が約束を破って王宮を勝手に、去った事を怒ってはいませんでしたか?」


「ああ。寧ろ『一番大変な時に側にいられなくて、すまなかった』と伝え欲しいと言っていた。そして、そんな自分を許してくれるなら、これをもう一度受け取って、転生をせず冥府で待っていて欲しいそうだ」


そう言って、エンマの部下の鬼に視線を送る。


部下はその視線に気が付いて近くに置いてあった、箱を開け、

リアに渡す。


箱の中に入っていたのは、あのイルカの指輪だった。


「陛下から頂いた指輪…」


それは消えてしまった、あのイルカの指輪だった。


リアは、ただ嬉しいさで涙が溢れる。


「ふむ。その指輪を受け取るなら、まだ、そなたも、(あれ)を、思っていてくれているのだな。ならば冥府に留まって待っていてはどうか?」



「セトは、そなたの事を本気で愛しているのだろ。だから、そなたに神々と同じ様に不老不死や特権を与え、神である自分の正式な妻に迎えたかったのだろ」


「わたしがですか…?」


リアは、それほどまでにセトに大切に思われていたとは思ってもなかった。


「そう。人間を不老不死にする薬が、天界には存在するのだ。もっとも、その薬の存在は天界では忘れて去られ薬は消失し。

地上では伝説や夢物語になってしまっているのだがな。

セトは、天界でその薬の材料を、一から集め作っていたらしい。それで、そなたの元にすぐに帰れなかったのだ。

そして今度は、そなたを生き返らせる薬を開発するそうだ。その薬か他の手段が見つかるまで、冥府に留まり待っては、もらえぬかる?無論これは、セトの兄としての、余の希望でもある。だがリア殿が待つ気が無く転生を望むなら、無理にとは言わぬ。そなたの意思は尊重しよう」


「私は、再び陛下や娘と再会して一緒に暮らせる日がくるのでしょうか?」


「無論だ。今はすぐには無理でも。死者であるリア殿も冥府にいる限りは神々と同じ不老不死時間は無限にある。そして神に不可能は存在しない」


エンマは絶対の自信を持って答える。


「エンマ様、私、待ちます。生き返れる、その日までご迷惑を

お掛けしますがお世話になります。よろしくお願いします」


◇◇◇


そうしてリアは、冥府の天国で暮らす事になった。


最初は、豪華な宮殿の様な屋敷を用意されたが、自分には不相応だと言って断った。


そして、自分の希望を伝え用意してもらった、小さな家にリアは住んでいる。


死んだら人間は、天国に逝くと聞いていたが、実際には冥府のエンマに気に入られ天国で暮らせる人間は少ない。


残念ながら、ほとんどの人間は地獄に落ちたり、転生してしまうのだ。


天国は、冥府の中で一番、光に満ち溢れた明る場所。



そして、冥府では地上よりもずっと時の流れが早い、リアは冥府に来てから十年近い時がすでに流れていた。



地上では陛下が戦を起こしたり、大規模な災害もあったらしく、大量の死者が、冥府へと押し寄せ大変な混乱が起きた。


そんな、混乱をリアは放って置けず、自ら冥府の仕事の手伝いを申し出た。


もっともリアに出来る手伝いは専ら小鬼達と一緒に掃除や洗濯といった雑用だ。


「おはようございます。今日もお掃除にお洗濯、頑張りましょう」



そうして今日もリアは、冥府で元気に働いている。


いつの日か愛する夫や娘と、一緒に暮らせる日が来ると信じて


ー完ー



『虐げられし姫』の話はこれで完結になります。


ですが、『神の娘外伝』なので、また『神の娘』の登場人を、主人公に違う話を書く予定です。


また、リアの冥府での暮らしも『虐げられし姫の番外編』として書きたいと思ってます。


準備ができ次第、掲載しますので、引き続きよろしくお願いいたします。


また、あわせて本編『神の娘』もよろしくお願いいたします。

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