虐げられし姫は、冥府に逝く(1)
暗闇の中でリアは目を覚ました。
(ここはどこかしら??)
見渡す限り、真っ暗な闇の中。
そもそもどうしてこんな所にいるからわからない。
その時、ずっと先の方に光が見えるのに気がついた。
取りあえずリアは、その光を目指して歩く事にした。
光の場所に現れたのは巨大な開かれた門。
明るくなり、周りを見れば人間達が、沢山いいて、門の中へと入って行く。
リアは、訳が分からなかった、なんとなく他の人間達と同じ様にその門の中に入って見ることにした。
門の中は薄暗く、明らかに人間では無い者達が、人間達を、先導している。
「いいか。まずは、順番に2列に並び白い着物を貰って、あそこで、その着物に着替えろ!」
そう鬼が、人間達に命令している、とても通常では考えられ無い光景だった。
他の人間達は、素直に鬼に先導されるまま、大人しく列を作る。
リアは、その列に並ばないでなんとか、ここ場所から元の場所に帰る事を考えてたが。
リアの様子に鬼達が気がっいた。
「そこの女さっさと列に並べ!!」
「ここはどこですか?!貴方達は、一体なにをしているんですか?!」
「ん?死んだ自覚が無いのか?よく見れば頭から血を流し、着物も、破けたり汚れてるな。盗賊にでもあって殺されて死んで、
自覚が無いのか??いいか、よく聞け!!ここは冥府だ!そしてお前は死者なんだ」
「冥府?!私が死んだ?!それってどういう…」
「言った通りだ。ここは人間達が、あの世と呼ぶ場所。お前は、すでに死んで魂となって、冥府へとやって来た」
「分かったら、さっさとと他の亡者達と同じ様に列へと並べ!」
リアには、全然、理解出来なかった。
自分が、死んだ事も、ここがあの世だなんて、悪い冗談にしか聞こえない。
「バカな事を言わないでください。私は死んでません。それに娘が拐われたたんです。こんな所で、冗談か、なんかのお芝居に付き合っている暇はありません。私を今すぐ元の場所に帰してください!!」
そうして、リアと鬼達が、言い争っていたら今度は違う鬼がやって来た。
「そこ!!さっきからなに騒いでるんだ!」
「ああ、申し訳ありません。この女が、言う事を聞かなくて…」
「全く人間の小娘ごときに、手間取るとは!新人は、これだから。ん?小娘その着物…!!」
その偉そうな口振りの鬼は、リアを見るなり態度が変わる。
「この小娘を捕まえろ。この小娘の着物は、明らかに人外の物だ」
そう命令されると、鬼達は、リア、捕まえ縄で縛りあげる。
「きゃぁぁー!いきなりなにするのよ!放して!!私は、娘を、助けに行かないといけないんだから!!」
リアは、必死に暴れ抵抗したが、力の強い大きな鬼達に敵う筈もなく、簡単に縛りあげられる。
「すぐにエンラ様に報告を!異界の者と、もしかしたら咎人と関わりがあるかも知れない小娘を、発見しましたと!」
そうして、リアは、抵抗むなしく鬼達によって捕らえられ無理やり縄を、引っ張られ歩かされどこえと連れていかれた。
「その着物や装飾品は、どうやって手に入れた」
歩きながらも、鬼達の詰問は続く。
「これは、陛下から頂いたの。陛下は確かに人ではないけれど、悪い方ではないわ!いい加減ふざけた芝居は、止めて。それにさっきから言っている。咎人って、化け物の事でしょ?!私は、化け物の知り合いなんていないんだから!」
「ほう。咎人の存在を知っているのだな。ますます怪しい小娘だ」
「な、いいかがかりよ!化け物に知り合いは、いないって言ったのよ!」
「まあ、いい。もうすぐエンラ様の所に着く。そうすれば全ては、明るみになって、お前は、即、地獄行きだ」
「な、なによーそれ!!」
そこは、冥府で一番大きな宮殿がある場所。
大きな広間に連れてこられると、そこには、凛とした姿の鬼の青年が立っていた。
「エンラ様。怪しい人間を見つけたので連行いたしました」
エンラ様と呼ばれる青年は、同じ鬼の様な姿でありながら、大鬼達とは、違い美しい容姿をしていて威厳もある。
明らかにリアを捕まえた、鬼達とは格が違うのは、リアにも分かった。
先程までとは、雰囲気が代わってリアにも緊張が走る。
鬼達の言葉を、真に受け訳では無いが、ホントに地獄に落とされそうな厳しい雰囲気が、この青年から伝わってくるからだ。
リアが、黙って緊張して立っていると、先に口を開いたのは、エンラの方だ。
「確かにこの方は、異界の着物や装飾品を見に着けてますね」
「はい。ですから怪しいと思い連行いたしました」
「この者の、現世で関わった異界の者を調べます。鏡を。」
鬼達によって、大きな鏡が、リアの前に置かれた。
「一体なにを…」
リアを捕らえいる大鬼が怒鳴る
「黙れ!小娘!お取り調べだ」
鏡に写し出されたのは、陛下の姿、そして連れ拐われた娘のセリ。
次の瞬間、エンラの肩に留まっていた、大きな蝶々が、金棒へと変化し、リア目掛けて振り下ろさた!
リアは、咄嗟に目を瞑り身構えるのだった。




