虐げられし姫は、裏切にあう*
赤子も無事に生まれ、親子2人幸せな生活が続いた
セリは、とてもおとなしい性格なのか、余り泣いたりは、しなかったし良く笑顔を見せる手間の掛からない赤子だった。
そして、月日は流れ半年がたった。
「そろそろ、離乳時期かしらね」
そうして、リアは手作りの離乳食を、セリの為に作る。
「はい。お待たせセリ。ご飯よ!」
「まー♡」
リアは時々、セリが自分の言う事をちゃんと理解している様な不思議な感じがしていた。
言葉こそ話せ無いが、話、掛ければちゃんと返事の様な言葉も返すし、言うとも聞いてくれる。
セリに、食事を、食べさせていたら突然、来客の訪問が、あった。
「リアちゃん、お久しぶりね」
護衛の兵士を、引き連れてやって来たのは、新たに王妃となったエリサだった。
彼女は、この国に昔から使える家臣の娘で、王宮にも、幼い頃から時々出入りしていた。
彼女は、昔から人なっこい性格で誰にもでも気安く話かけた。
王宮で、働いていたリアにも、優しく声を掛けてくれてり、お菓子をくれたりもした。
セリの食事を、侍女に頼み、エリサを客間に案内する。
「エリサ様。お久しぶりです」
「リアちゃんが、この国に帰っていて、子供を産んでいたなんて驚いたわ。それでね。これからの話をしたいと思って来たの」
「これから??」
リアには、彼女が、何を言っているのか分からなかった。
「うん。リアちゃん1人で子供を育てるのは大変でしょ?だからね。私が、リアちゃんの子供を、もらってあげるわ」
「な!!いきなり何を言っているの!」
「あら、そんなに怒るなんて以外だわ。私は、ただ親切でリアちゃん達の事を思って話しているのに……」
エリサは不思議そうにリアに言う。
「私の子供を、貴方がもらうって話のどこが、親切なの?」
「え?だって、リアちゃんは、血筋も悪いし大国では、誰もが、結婚に反対していたと聞いたわ。だから、私生児の可哀想なこの子は、私達夫婦の子供にしてあげるわ。そうすれば、この子も何も不自由無く暮らせるし。リアちゃんも大丈夫よ。この子の乳母って事にして雇ってあげるから、そして大国で王が、病で亡くなったら、この子はたった1人の子供って事になるんだし、名乗り出て家臣の方々に根回しして正式に跡継ぎとして認めてもらうの。いい考えでしょ?」
どうやら、エリサは、権力に目が眩んでいる様だった。
「それに陛下は本当は、病でもなければ、ましてや亡くなんて絶対にありません。今は少し遠出されていて、不在なだけで、いずれ帰ってこられます。帰って来て、私達を迎えに来てくれます」
エリサは、意地悪い笑みを、浮かべる。
「リアちゃんは、もっと、現実を見た方が良いわ。国を、治める王が長期に国を、不在にして、どこに行けると言うの?」
「それは…」
確かに『陛下は違う世界に行ってます』なんておとぎ話の様な話をしても信じはしないだろう。
「とにかく私は、本当の事を言っているわ!陛下は本当に不在なだけよ。きっと帰って来て私やセリを迎えに来てくれます。だから、セリは絶対に渡しません!」
エリサは、呆れた様にリアに言う。
「仕方無いわね。本当はこんな事、したくなかったんだけど…」
そう言うと、お供の者に命じる。
「リアちゃんの赤ちゃんを、私の所に連れて来てちょうだい」
「な、そんなふざけないで!」
リアが、急いでセリの元に向かうが、セリは世話を、していた侍女によって家の外に連れ出されていた。
「セリを、どこに連れて行くの!!返して」
「あー!あー!」
セリは助けを、求めてリアに手を伸ばす。
次第にその声は、泣き声に変わっていった。
「リア様…申し訳ありません…ですが王妃様の命令でございますので…」
「さあ、リアちゃんも一緒、王宮に行きましょ」
リアは、エリサから差し出された手を弾く。
「私は、王宮にはいかないわ。セリを返してちょうだい!」
「はぁー。リアちゃんは、自分の立場が、まだわかって無いみたいね。仕方ないわ。貴方達、リアちゃんに少しは、自分の立場を、分からせて上げてちょうだい」
兵士達は、そう命令されてリアを、取り囲む。
そうして、セリはエリサに無理やに王宮へと連れて行かれてしまった。
「待って、セリを、返して!!!」
リア取り囲まれた男達に押さえられ、身動きが、取らなかった。
エリサ達が、去った後に残されたのは、いやらし目付きを、した男達だ。
リアは身の危険を、感じ、なんとか逃げようとするが、腕を、捕まれ逃げられ無い。
「へへ。王妃様はこの女を、好きして良いって言われたしな」
「や、やめて!!」
リアは必死に暴れ抵抗するが、力ずくで押さえこまれ着物を、乱され、どうにもならない。
そして姿勢を、崩し倒れてた所には、運悪く大きな石が、あった。
リアは、石に頭を打ち頭からは大量の血が流れる。
その様子を見て、男達は慌てだす。
「お、おい。これはヤバくないか?!」
「ああ」
「この女が、勝手に転んだんだ!」
「王宮に戻ろうぜ!」
そうして男達は、リアを、放置して逃げる様に去って行った。
1人残されたリアは、薄れ行く意識の中でただ、連れて去られた娘の事を考えていた。
(セリ…待ってて……きっと助けてあげ…)




