虐げられし姫は、母になる
この国に来た時の様に、1日中歩くのは無理がある為、道中、休んだり輿に乗ったりししてどうにか無事に祖国に帰り着いた。
(ふう。どうにか辿り着けたわ。赤ちゃんも頑張ってくれてありがとうね)
そう言って優しくお腹にをさする。
リアが、住む家は町の外れにある田舎の家。
おば様が、持っている別荘で貸してもらった物だ。
祖国の王宮に暮らす事も勧められたが、継母に虐められ、嫌な思いでしか無い王宮に住むのはリアにとっては辛いだけただったので、この田舎にある別荘を貸してもらった。
田舎の別荘と言っても王族の別荘、リア一人で住むには、十分広く、おば様が手配してくれた、管理人や侍女が2人、料理人もいて、家の中には、すでに家具揃っており、まさに至れり尽くせりだ。
そうして、穏やかに月日は流れて行った。
冬の終わり頃とはいえ、この北の国は、まだまだ暖かくなるには時が掛かる。
すでに臨月に入っていていつ生まれてもおかしく無い。
王宮で暮らしていた頃に陛下から、宮廷費としてお金を頂いていた。
お金のお陰で、生まれてくる赤ちゃんには、不自由のない生活をさせてあげられそうだ。
「肌着やおむつの準備もこれだけであれば良いかしら?」
「ええ。肌着やおむつは沢山使いますからね。リア様お腹は大丈夫ですか?」
リアは、生まれてくる赤ちゃんの為に、手作りで、産着や肌着や着物、おむつを縫って準備していた。
「お腹、、そういえば、さっきから、少し張っているよな~~」
「え!リ、リア様、大丈夫ですか?!」
「んんん!、なんか意識しだしたら、すごくお腹が痛くなってきたわ!」
「大変。今、人をお産婆さんも呼んで来ますから」
そう言って、一緒に縫い物を、手伝ってくれた侍女は部屋を、出て行った。
すぐに、男達や年配もう1人の侍女達が部屋に入って来て、リアを出産の為に用意された部屋に運んでくれた。
「リア様、大丈夫ですか?!しっかりなさってください。今、産婆も参りますからね。大丈夫ですよ」
「い、痛、痛」
リアを、励ましながら優しく背中をさすってくれる。
暫くすると、痛みは治まった。
「陣痛は治まったり、痛み出したりわ繰り返しますからね。痛みが治まった今はゆっくり休んで体力を温存してください。陣痛の間隔が短かくなったら、いよいよ出産です。食べ物を、お持ちいたしましょか?」
「体力の温存はするけど、食べ物まではいらないわ…」
赤ちゃんを生むのが、こんなにしんどいなんて、リアは思ってめいなかった。
そうしている内に、産婆もやってくる。
「私が、来たからには大丈夫ですよ。リア様」
そうして陣痛の間隔が、段々と短くなり痛みでリアの意識が、朦朧とする頃、おぎゃ~っと元気な声が部屋に響く。
「おめでとうございます。可愛い、女の子ですよ」
そう、産婆の声が、リアの耳に届いた。
「私の…赤ちゃん…」
リアは、感動で涙ぐむ。
だが、疲労困憊だったリアは、そこで意識を手放した。
意識が戻り目覚めた時には、赤子は、産湯で清められたりリアの仕立てた、産着を着せられたりと、皆が、忙しく赤ちゃんの世話していた。
そして目覚めたリアの横にそっと寝かせられる。
リアは、生まれた赤子を優しく抱きしめた。
生んでいる時は痛みが、凄いので、どんな大きな赤子なんだろうと思っていたが、実際にはきゃしゃでとても小さい。
こんな小さい赤ちゃんが、あんなに大きな声で泣いたのだと思うと不思議だ。
改めて、無事に生まれてきてくれた事に感謝した。
そうして、落ち着いて赤ちゃんを、見れば、青い髪や顔立ちは、良く父であるセトに似ている。
女の子が、生まれたと聞いた時には自分に似て、地味な子だったら、どうしようと真剣に赤ちゃんの将来を心配したが、父親に似ているので、きっと凄いキラキラ美人になり将来は心配無いと安堵した。
そんな時に、侍女の1人がリアに話掛けて来た。
「リア様。赤子のお名前は、なんと?」
「え?な、名前?!」
突然、そう聞かれてリアは慌てた。
ずっと赤ちゃんとしか、呼んでおらず、そもそも、生まれるまで、男の子か、女の子かわからないし、赤子が生まれてくるまでには、陛下も帰ってくるかもと気楽に考えいた、陛下に赤子の名前を付けて貰うつもりでいた。
だが、セトがいない、今、リアがつけるしかなかった。
「そうね~う~ん」
「陛下から、一文字もらってセ、~~セリ!」
自分の名前とセトの名前を、一文字づつ合わせた単純な名前しか思いつかない自分が、ちょっと悲しが、それでもリアは、この名前しか無いと思った。
「この子の名前はセリにするわ」
そうして、リアは、無事に子を産み母親になった。




