虐げられし姫は、祖国の人々に会う
竜宮から、帰って来ると、確かに陛下の言う通り、一週間以上が立っていた。
そして地上に戻った、その日の夕方。
「気をつけて行ってらっしゃいませ」
「うん。いってくるよ」
まるで散歩にでも行くかの用にいつも通りにセトは、天馬で天界へと行ってしまった。
陛下の姿が見えなくなった後もリアは、ずっと空を、寂しげに見上げていた。
◇◇◇
ー1ヶ月後、リアの祖国から、新しく即位した王が挨拶に来た。
どうやら、陛下は、病気で療養の為、公式の場にも出ないと言う事になっていた。
リアは、そうした公式の場所に呼ばれる事はなかったが、非公式に、祖国から、非公式に面会を、望まれ、会う事になった。
リアは、王宮で歓待の準備をして祖国の王達を待つ。
祖国では、私と陛下の事は、どう思われているのか、リアはずっと気になっていた。
もちろん、貧しい祖国では、大国との友好関係は必要不可欠。
リアが、王妃どころか側室になったって喜ぶだろう。
「リア様、お久しぶりですわ」
そう、最初に声を、掛けた野は、気品の良い老女。
「お久しぶりです。サナおば様」
その老女は、リアの祖国の即位した王の母親でもあった。
「まあ、それにしてもリア様は、すっかり大人にもなられて、本当にお美しいくなられたこと」
「え?いえ//」
リアは、余り気にしていないが、美しく調えられた黒い髪、
透き通るような白い肌、誰が見ても美しいお姫様に見えた。
「正直、リアが、こちらの国王陛下に見初められたと、聞いた時は驚きましたよ。でも、こんなにお綺麗なら納得ですわね」
「///そんなこと」
「母上。長話はその変で、私にもリアに挨拶させてください」
「久しぶりだね。リア」
「お久しぶりでごさいます。この度はご即位おめでとうございます」
新たに王に即位したのはリアの従兄弟だ。幼い頃から、両親に可愛いがられ、リアとは幼い頃から知っていた。
リアは、王宮で働いて傍らで、子供頃から、王宮で楽しく遊んでいる姿を、見かけた事がある。
正直、うらやましいと思った。
両親や周囲に愛され、自分の様に、働かされる事もなく、自由に遊んでいる。
そんな子供の頃を、ぼんやりと思い出していた。
「リアが、こんなに美しいとは思わなかったよ」
そう言って、リアを見る視線はどこか意味ありげで嫌な感じがしたが、リアは、それを表には出さずに笑顔でお茶を続けた。
お茶が終わって2人を、見送って部屋に戻ろうとした時だ。
突然、後ろから声がかかる。
「リア」
呼ぶ声に後ろを、振り向けば、従兄弟がいる。
先ほど別れたのに、なぜ戻って来たのだろう?
「忘れ物ですか?」
「いや、君と2人でゆっくりと話がしたいと思ってね。私も、余り長く滞在出来ないから、明日また時間空いてるかな?」
肩を抱き寄せ、耳元で、突然そんな誘いを受け、リアは正直固まった。
慌てて、少し距離を取り断った。
「申し訳ありませんが、私も忙しので」
「そっか、残念だな…」
そう言ってあっさり引き下がってくれて、リアはホッとしていたが、そんな話をしていた所を運悪く侍女達に見られていた事にリアは、後になって知った。
元々、王宮では歓迎されて以内身の上、それでも陛下がいる時は、皆、陛下の顔色を、伺って表面上、普通に使えてくれていた。
だが、陛下が以内今、リアへの風当たりは、少しずつ強くなって来ている。
更に先程、男と2人で会っていた上そんな場面を、見られたので
陛下留守に男を、引っ張り込んだ等の噂が流れた。
そんな時に、留守を、預かる宰相のガクサンが、リアの元にやって来た。
ガクサンは厳しい表情で話す。
「侍女達が、そなたが、陛下の留守に男を、引っ張り込んだと噂しているが、まことか?」
「その様な事実は、一切ございません」
「なら良いが以後この様な騒ぎは起こさぬ様に。それで無くとも、この王宮では誰もそなたを認めてはおらぬ。例えセトが、強引にそなたを娶ったとて誰も祝福する者はおるまい。我は願わくばそなたが、この王宮を、去る事を挑んでおる」
分かってはいたが、面と向かって言われれば、その言葉は辛く、泣きそうになるのを堪えた。
「……騒ぎを、お越し申し訳ありませんでした。以後気をつけます」
だが、それでも陛下との約束が、あるからリアはどんな言葉にもかかわらず耐えた。
リアは、その日から、体調不良も重なり塞ぎ込日が続く様になっていたった。
そんな時には、リアは貰ったイルカの指輪をじっと見る。
青い美しい石が、優しく輝く指輪は、どこか陛下にも思えてリアに取っては、掛け替えの無いお守りになっていた。
(陛下、早く帰って来てください)
そう、ただ指輪に祈った。




