虐げられし姫は、陛下と竜宮に行く(1)
「リア、久しぶりにどこかに出かけない??」
神殿の事件の事もあり、忙しい日々だったが、ようやく、王宮にも、普段通りの生活が戻ってきた矢先に突然、陛下からの外出の提案。
「はい。私は、喜んでお供いたしますが、陛下は、政務の方は大丈夫なんですか?」
この王宮では、最近の陛下の言われない中傷もあり、そんな時に外出なんて余計に立場が悪くなるのではと気になってしまう。
「大丈夫、大丈夫。リアと2人っきりになりたいし。大切な話もあるから。明日1泊だけど泊まりで行こう」
2人っきりと言われると、どうしても、まだ恥ずかしく意識してしまう。
それに大切な話というのも気になる。
「///わかりました」
だが、考えて見れば久しぶりの外出なので、リアは段々と明日が楽しみなってくる。
どこに連れて行ってくれるのだろ。
大切な話って、なんだろう?
明日になれば、全て分かるというのに、そんな事ばかり考えてしまう。
だが、リアは暫くしてから泊まりで出掛けるのに、何の支度もしていない事に気が付いた。
慌てて、明日、着て行く着物を用意しするが、どこに行くのか、何も聞かされていないので、どんな着物を着て行くか迷ってしまう。
野外であれば、動き易い着物の方が良いだろう、もし人に合うなら、陛下に恥にならない様に失礼の無い着物をちゃんと用意したい、あれこれ事態を、想定すると簡単には決められなった。
だが、そこへ、陛下からの使いと名乗る商人が、リアに目通りを願いでてきた。
「初めてお目にかかります。リア様、私は王宮出入りの商人、ハフサと申します。主様よりこちらのお着物を、リア様にお渡しする様にと申し付けられて参りました」
そう言うと、美しい桜の着物をリアに手渡す。
リアは、とても驚いてしまった。
「あ、あの、これは??」
「明日出掛けられる時にお召しください。ご宿泊先にも、着替えや身の回りの物はすでに用意してありますが、リア様が持って行かれる荷物等が、ありましたら事前にお預かりする様に言われております。何か荷物は、ございますでしょうか?」
「私、陛下から何も聞いて無くて…。それに、こんな素敵なお着物、私が着ても良いんでしょうか??」
まさか、明日の為に着物まで、用意して貰えるなんて思ってなかったし、ワザワザ自分の為に、新しい着物を用意してくれたと思うと、申し訳なく思ってしまう。
「勿論でございます。リア様にと主様がお選びになった、お着物です。リア様が、着物を、お召しなればとても喜ばれますよ」
「//はい。ありがとうございます。色々と用意してくださっているなら、荷物の方は特に持って行かなくてもきっと大丈夫ですわ」
どうやら、リアの知らない内に色々手配していたらしく、リアは、その言葉に甘えて荷物も余り作らずに出掛けることにした。
◇◇◇◇
だが翌朝、どこへ行くのだろうと楽しみにしていたが、陛下に連れてこられたのは、王宮に奥にある人気の無い場所にある池だった。
「あの陛下、ここは王宮の池だと思うのですが…」
「うん、そうだね」
リアには、からかわれている様にしか思えない。
「さぁ~リアは、ここで目を閉じて」
「え?!どうしてですか…?」
怒りながら答えるが、セトは悪びれた様子も無い。
「ふふ。それはリアを、びっくりさせていから」
これ以上なにを、言ってもムダだと思ったリアは、シブシブ目を閉じた。
「じゃ。出発するよ」
そう言うと、いきなり抱き上げられた。
突然の事に、リアは小さく悲鳴を上げる。
だが、セトは、気にも止めること無く、どこかへと、歩いて進んでくのをリアは感じていた。
そうして、動きが止まるのを感じ、リアはセトに声をかける。
「あ、あの陛下、どこかに歩いていた様ですが、もう着いたのでしょうか??目を開けても良いですか??」
「うん。着いたよ。リア、もう、目を開けてもいいよ」
リアが、目を開いたすぐ目の前に広がっていた景色は、王宮ではなかった。
その光景にリアは、ただ驚くのだった。




