虐げられし姫は、拉致される(2)*
セトの住まう宮殿では、騒ぎになっていた。
部屋で休んでいる筈のリアが、居なくなっていたからだ。
侍女達は、宮殿をくまなく探したが見つからない。
そうしている内に、ちょうど、宮殿に帰って来たセトの元にもその報告が入った。
「リアが居なくなった?!」
「はい。昼間、少しお休みになられると仰せになって、私達は下がったのですが…その後、夕方にリア様を、起こしに参りましたら、お姿が部屋になく…」
この宮殿は、一応、警備はしているが、元々、身の回りの世話は必要だが、1日中、警備兵に張り付かれ様な、束縛は嫌う、セトの性格もあり警備は以外と甘い。
その気になれば、王宮に出入りしている者なら、誰でも簡単に侵入できた。
(誰かに、拐われた?!いや、もしくは、リアが勝手に王宮を出歩いている?)
セトは、リアの性格を考えてなんと無く、後者だと思った。
(まあ、夕飯までには帰って来るかな??)
そうして、考えてい時、今度は政庁からの使いの者が来た。
今は、リアがいなくなった事の方が重要だが、どうやら神殿の事件で、重要な話があるとの事だった。
仕方なく、政庁に向かった。
だが、政庁で聞いた話は、とんでもない話だった。
「リアと北の国の者達が、神殿の首謀者?!」
そうセトに話をしたのはガクサンだ。
「そうだ」
「そんな事は、ありえない」
そもそも、この神殿の事件を知ったのはリアが、きっかけだ。
そして、リアが姿を、消した直後に、この話。
まるで仕組まれいるとしか思えない。
(リアは、神殿の者が拐った?!危険だ。早く捜さないと)
「話はわかった。僕は、用事が出来たから、まあ、引き続き捜索は、君に任せるよ」
そう言って政庁をさっさと後にする。
そうして、白尾の居る部屋に向かう。
「やあ、白尾。君に頼みたい事が、有るんだけど……」
「なんじゃ?わしは、忙しいんじゃが…」
(王宮内で、リアを拐い、神殿と関わりがあるならトワだろうな…)
白尾にトワの居場所を捜させた。
すでに、トワは、実家に戻ると言って王宮を出た後だった。
◇◇◇◇◇
「う~ん………ここは?」
リアは目を覚ました。
だが、真っ暗で、ここがどこはわからなかった。
その上、体は縛られて、自由も気かず冷たい床の上に寝かせられていた。
その時だ!
誰が部屋に入って来た。
「あら、ようやくお目覚め?リア様」
聞き覚えがある声がした。
「トワ様、これはどういう事ですか?」
リアは、問いかける。
「どういう事も何も無いわ!貴女は、神殿の事件の関係者として、ここで死んで貰うの」
「なっ!!なにを、訳のわからない事を…」
「ふふふ。もう王宮では、貴族達によって、そう言う話になっているの。貴女は、北の国の出身、神殿は、北の国境の街を拠点にしていたから、ちょうど良かったわ。後は貴女を始末するだげ…」
神殿の事件には、貴族達が関係していると事は、リアも知っている。
だが、まさか、自分に罪が擦り付けられるとは、思ってもいなかった。
「そんな……」
トワは、勝ち誇った顔になり、今までのリアの態度を思い返し怨みを晴らすかの様に、リアの着物の衿を掴み頬を平手打ちする。
「今まで、よくも、私をバカにてしてくれたわね!!」
「ウッッ……」
リアは痛みで、顔を歪める。
「私を、どんなに痛め付けてても、例え殺したとしても、陛下の気持ちが、貴女に向くことは絶対無いわよ」
トワは、そう言われ更にカッとなってリアに暴行を加える。
リアは、悲鳴を上げる事もなくひたすら耐えていた。




