虐げられし姫は、旅を楽しむ
生まれて初めて国を出る。
使用人以下の扱いと言えど王族の姫。
本来ならば沢山の共を連れ、輿に乗り行列で隣国へ向かうのが普通だが、あの継母が、そんな事をする訳も無く、徒歩で向かう。
元々、少ない身の回りの物をまとめ荷造りして、明日にの旅に備えた。
幸いにも気心の知れた、家臣や使用人達が皆で少しづつお金を出しあって旅費を用立てくれたのでので、野宿だけはしなくてすんだ。
大国までは1人、徒歩で行く。
庶民が着る用な、粗末な着物の旅仕度、端から見れば、とても一国の姫が、旅している様には見えないだろう。
だか、その道中はリアにとってとても楽しかった。
道端には美しい花が咲いてたりと初め見る美しい景色。
大国に入国すれば、道は良く整備され、町には、人が溢れ、賑やかで寄り道が格段に楽しくなった。
(あの人だかりは、何かしら?)
沢山の人々か、白い着物に身を包んだ人達に手を併せ、ありがたそうに拝んだりしている。
リアは、気になり近くまで、その行列を見に行く。
すると白い着物を来た。
少年が、リアに話しかけた。
「旅の方ですか?」
「はい」
「ぼくは、神の子で、この地方で布教をしています。お時間があれば神殿に礼拝にこられませんか?」
どうやら、布教の勧誘のようだ。
「ごめんなさい。時間がありませんので、、」
(神の子??)
気になったので、近くに居た人に訪ねてみる。
「あの、神の子って?あの方達は一体、どんな方達なのですか?」
そう聞いたのは、噂好きそうなおばさんだ。
「あんた、どこの田舎者んだい。この国は、神の治める、偉大な国なんだよ。神の子様と言えば、王様のお子様に決まってるだろ。こんなに辺境の地にも神の恩恵を届けに来てくださってるんだよ。ありがたい事だよ」
「あ、そうなんですか…」
どうやら、この国の王様を、我が子を平然と神殿に追いやったりしている酷い男なんだなと漠然と思った。
その後も、王宮のある都に着くまで、数人の神の子と称する子供を見たので、リアは、この国の王様は女好き、子供を平然と神殿に捨てる最低の男と言う評価を下した。
そして、とうとう、王宮へ、たどり着くいた。
(自由の身も、今日ここまでね)
王宮入りする前に継母から、一応は国の恥じにならない様にと、1枚だけまともな着物を渡された。
宿でその着物に着替え王宮入りした。
王宮入りした、私を待っていたのは、古びた宮殿に小さな寝室とそこそこの広さの部屋の2部屋を与えられ、捨て置かれると言う待遇だった。
この古びた宮殿には、同じような境遇の人が、他にもいるが、
皆どこか人生を諦めた様に、ひっそりと人質生活を送っていた。
リアは、この宮殿にいる方々へ挨拶をすませると、汚れてもいい粗末な着物に着替え、髪を一つに結び、念の為、顔にはソバカスを入れ変装をする。
そして旅の途中に出た洗濯物を手にある場所へと向かうのだった。
そこは洗濯物を洗う井戸がある場所。
貴人の目にとまる事がない場所。
(ここで、洗濯しながら情報収集よ!いざ!)
リアは、そして洗濯している、侍女達の群れに突撃するのだった。