虐げられし姫は、陛下と同居を生活を初める
結局、その日の内に、リアは、簡単に陛下の宮殿に引っ越しが出来た。
理由は、荷物がほとんどなかったからだ。
陛下の宮殿に用意されたリアの部屋は三つ。
その全部が繋がっていて、着物をしまう部屋、寝室、私室と使い分けできる上、全てがとても広い。
(こんな広い部屋に住むのは初めて、なんて贅沢な……)
先程の陛下からの送り物も、こちらに運ばれてきた。
そして荷物の整理を初めようとしたら、荷物を運んでくれた、侍女さん達に止められた。
「こちらは私達に任せて、リア様はお座り下さい」
(あれ??)
じゃあ、『他に何か手伝う事はありませんか?』と聞けば、何もないと言われてしまった。
黙って座っている以外に、何もする事がなかった。
(まさか、やる事が何にもないなんて…)
リアは、じっと座っているのが、こんななにもシンドイものなのかと思た。
母親と暮らしていた時も、暮らしを支える為に必死で働く母の役に少しでも立ちたくて、お手伝いを沢山した。
母を無くし、継母に引き取れた時は、朝から晩まで、働かされいた。
この王宮に来てからも、他の人質とは違い、お仕着せを手に入れ、下働きの侍女になりますまし歩き回っていた。
使用人専用の休憩室や食堂で、自分から積極的に話かけ、おしゃべりをして、色々な情報を手に入れた。
以外と毎日動き回り充実していた。
(次の予定が、夕飯を食べて、お風呂入って、寝るだけって………)
色々、考えた挙げ句、熱は下がっていたが、今朝は体調が悪いかったので、侍女さん達に荷物を頼み、寝て時間を潰す事にした。
「失礼いたします。リア様、陛下が、お食事をご一緒と仰せです」
(……もうそんな時間?まだ早いような?)
少し早いと思ったが、陛下付きの侍女が、時間を間違えるはずはないと思い返事をする。
「分かりました」
寝間着に着替えて、休んでいたが、再び今日着ていた着物に、着替えようとしたら、侍女達に止められ、次に言われた事にリアは驚いた。
「では、こちらの着物にお召し代えを」
それは、リアが休む前に着ていたのとは違う陛下から頂いた着物だ。
「えぇ!!もう夕方なのに今から新しい着物に着替えるの!!」
「もちろんです。常に陛下の為に、美しく保つのが、リア様のお役目でございますから……」
そう言われ目が点になる。
一瞬、『私達の結婚話は偽わりなんですよー!!こんな地味娘が着飾っても、陛下は興味ないからー!!』
と大声で言いたくなったが我慢した。
そうして、侍女達によって着替えさせられ飾り立てられる。
着飾ったリアは、いつものリアとは、まるで別人の様に美しかったが、肝心のリアは別の事を考えていた。
(普通のお姫様って以外と大変なんだ。
髪飾りで頭は重いし、着物の裾も長いくて歩きづらいし。
ちょっと踏んだら転んびそう。気をつけてないと……)
どこまでも、庶民思考のリアだった。
そうして支度を終えて陛下が待つ部屋へ案内される。
「お待たせいたしました。陛下、お食事にお招きくださりありがとうございます」
「……」
、セトは美しく着飾ったリアに、とても驚き見惚れてしまう。
「今日はとても綺麗だね…」
無言のままでいるのも変だと思いそう声をかけた。
また、リアもセトに、そう言われて、『ドキッ』胸が高鳴るが、自分の事はではない無くて、着物やお飾りのことを言われているのだと思い直し答えた。
「はい/// 陛下から、頂いた着物は本当に、どれも素敵で綺麗ですよね。こんな素敵な物を贈ってくださり、本当にありがとうございました」
「………え?、いや。うん、どういたしまして」
(???お礼を言ったのに、何故、微妙な顔に??)
「「………」」
2人の微妙なすれ違で、ちょっと気まずい空気が流れる。
先にそれを破ったのは、セトだった。
「取りあえず食事にしよう」
「は、はい」
机にならべられた食事は、美味しが、どれもあっさりしていて、病み上がりのリアにはちょうどよかったが、陛下には物足りないかもと思った。
でも、病み上がりの自分に合わせてくれたのが、うれしかった。
(それにしても、この世にこんな美味し物があるとは、ほんと生まれ来て良かった)
引っ越して初めての夜は、もし陛下が、夜這いに来たら、どうしよう!!と変な妄想もしたが、来る事はなかった。