表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神の娘 ~外伝~  作者: 藍
11/59

虐げられし姫は、風邪を引く(1)

「うん。着物とか帯とかお飾りとか、他にも身の回りの生活に必要な物…」


彼女の話を聞けば、祖国では、虐げられ、着物や身の回りの物も、もろくに持っいないと思ったからだ。


「後、こちらは急がないけど、婚礼の衣裳ね」


「こ、婚礼?!! それは、どなたので?!」


ハフサは、それほど頭が回らない男ではない。


主が婚礼の衣裳と言えば、主と相手の女性の衣裳だろう。


急に女性の着物や身の回りの物を、用意するのも、

その結婚を考えている、女性に贈る為だという事は、さっしがつくがセトの口から答えを聞かないと信じられない…。


「もちろん僕と妻になる女性だよ」


だが、返って来たのは思った通りの答え。


主の外見は、男の自分が見ても美しいと思う。


その気になれば、いくらでも女性は、よってくるが、陛下にその気がなかった。


主は、不老不死の神で、自分を生まれながらに偉大で完璧な存在と自負し、よくも悪くも、伴侶の様な存在を全く必要としていないし、そうした存在に興味を示さない。


一見、誰にでも、優しく穏やかで周りには沢山の人に囲まれいるが、一定の壁の様な物があり、それ以上誰も近づけない。


これが、人間の王様なら寿命や跡継ぎの事もあるし、色々と問題だが、地上での王様は、仮の姿、不老不死の身だから人間と違って結婚なんて必要なかった。


(その主が、奥方を迎える?!)


「どちらの女神様で?」


「ん?彼女は人間だよ」


「?!…」


どうして、突然、人間を奥方に貰う気になったのか、もはや訳がわからない。


たが、主が詳しい事情を放さない以上、根掘り葉掘り聞く訳にもいかない。


「まあ、とにかく、頼んだよ」



「かしこまりました。明日のお昼前には、王宮にお届けに上がります」



今から、急いで竜宮や天界いる、主に使えている同僚達に連絡を取りに、皆を総動員して準備して、ギリギリ明日の昼前に間に合うと計算であえて時間まで答えた。


「では、色々と準備もございますので、これで失礼いたします」


「うん。頼んだよ」


◇◇◇◇


翌日、ハフサは約束通り、王宮に着物や身の回りに必要と思われる物を用意してきた。


着物は、普段着から外出や宴に着る様な華やかな物まで沢山あり、その着物によく合う帯やお飾りの数々、髪を整えるのに必要な複数の櫛、化粧道具、それらを収納するに相応しい漆塗りの箱、衣装をしまう為の箪笥(たんす)など、端から見れば嫁入り道具一式にすら思える品揃えだった。




早速リアにを呼んで渡そうと思い、人を使って呼びに行かせても、よかったが、リアがどんな所に住んでいるのか気になって、自分で呼びに行くことにした。



◇◇◇


リアは、部屋で寝込んでいた。


「…………あーー おなか減ったわ」


昨日、陛下との偽りの結婚を決めて部屋に戻った。


リアは、いつも部屋に鍵をかけて出る様にしていたが、昨日は、酔っぱらた為か、鍵をかけ忘れていた。


部屋に戻った時には、部屋の中が、かなり荒らされていた。


(やられた)と思った。


そして、今度はゴミや虫に加え、リアの着物が、切り裂かれ寝室に散らばっていた。


ボロい着物とはいえリアには貴重な私物、また、王宮でもらったお仕着せや、 継母から渡された唯一、まともな着物も切り裂かれていたのも痛かった。


取りあえず寝室から先に掃除し寝る場所を確保し、切られた着物の残骸を集め、なんとか着物をなおそう考えたが、段々と寒気がして風邪を引きそうにな体調に気付き、すぐに寝る事にした。


リアの予感は当たり、翌朝には熱があり、体もだるく寝床から起きるのが辛い。風邪を引いてしまった。


そしてトドメは、重い体を引きずって廊下に置かれた、

朝食を取りに行ったが、虫と言う異物入りで、食べられなかった事だ。


こうして、リアは、お腹を空かせながら寝ているしかなかった。


そこへ、『コンコン』と部屋の扉を叩く音が聞こえ、

誰かが部屋に入っ来るのを気配を感じリアは、身構えるのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ