Episode:78
「だが、そうだとすると……外と常に連絡が、取れるんじゃないか?」
「あ、すいません、それダメです」
期待を込めたシルファ先輩には悪りぃけど、そう答えるしかなかった。
「でも、取っていたんじゃ……?」
「俺慣れてねぇから、受信がやっとなんです。だから送信は、かなりキビしいですね」
だいたい、あゆ細かい作業はキライだし。
「――そうなのか」
先輩少し残念そうだけど、これはしゃぁねぇだろう。
タシュア先輩が後を引き取る。
「まぁ、やむを得ない場合に限るのが賢明でしょうね。
だいいちこれがなければ、事が運ばないというわけでもありませんし」
――正論。
面白味もねえけど。
もっともここでンなこと言うと、「そんなものはあっても意味がありません」とか、言うんだろうけどな。
「ともかく、どうにもならないってんなら俺もやります。ただそれ以外は、向こうから来るほかは、なるべくパスってことで。
んで、肝心の話のほうなんですけど」
「前置きが長すぎます」
またすかさず突っ込んでくるし。
けどこれにかかずらってっと、ストレス溜まるだけだから無視した。
「向こうが期限切ったそうですよ」
「本当か?!」
シルファ先輩が声を上げる。
タシュア先輩も、僅かに表情が変わった。
「考える頭もない割に、人並みのことをしますこと。
期限は――2300ですか」
「ええ」
さっき俺がうっかり言ったのから、時間が分かったらしい。
「イマド、外に見張りの交代の件は伝えましたか?」
「そっくりそのまま、言っときました」
これ言わなかったら、バカっつーしかない。
「そうですか。
この情報を伝えたとなると――この後の交代は2000と2200ですから、2159に突入ですかね」
言いながらタシュア先輩の表情が、また一瞬変わった。
なんつーか、ネコがネズミを捕まえたみたいな……。
ともかく、凶悪なことを考えてるのは間違いないだろう。
「――ほぼ、一網打尽にできますかね」
先輩、なんかいい方法を思いついたらしい。ただ珍しく「ほぼ」がついてるから、カンペキじゃねぇんだろう。
理由はひとつ、あのガキんちょたちだ。
同じことをシルファ先輩も思ったらしかった。
「だがタシュア、子供たちは――大丈夫なのか?」
心配そうに訊いてる。
「――それなんですけど」
シルファ先輩の後に俺は口を挟んだ。
「ルーフェイアのやつが、ここ来るってんですよ。んで、ガキんちょの中に紛れ込むって言ってますけど」
「ルーフェイアが? 大丈夫なのか?」
先輩が、また少し心配そうな表情になる。