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Episode:43

 シルファも部屋の様子に気づいたらしく、尋ねてきた。

「ところで、イマドは――?」

「そこのベッドで寝ていますよ」

 タシュアにつられて視線をやって、見たものにシルファが唖然とする。


「こんなとことろで……」

「私も呆れました」

 どう考えても、こういう行動に出る人間はごく少数派だろう。


「それにしたって……あ、起きていたのか」

「いや、メシの気配がしたんで」

「なんですか、それは」

 目を開けて身を起こした後輩に、思わず突っ込む。


「そう言われても、したんですって。

――先輩、あいつ、どこまで行きましたかね?」

 後ろ半分は、シルファに向けての言葉だ。


「よく分からないが……たぶん、外まで行ったと思う」

「律儀なヤツだな〜。なきゃないで良かったのに」

 主題がないまま、唐突に2人の間で話が進行する。とはいえ内容が内容のため、タシュアにも何の話かはすぐ分かった。


「おや、イマドともあろう方が、ルーフェイアの性格を分かっていないのですか」

「また先輩、そうやって後輩をいじめるんですから」

「事実を指摘しただけで、いじめてなどいませんがね」

 やけにテンポのいいやりとりに、シルファが苦笑しながら包みを差し出した。


「とりあえず2人とも、食べないか?」

 こう言えば一時中断するのを、よく知っている。

「あ、ども♪」

「では、遠慮なく」

 だが手を伸ばしかけて――タシュアは食べるのをやめた。


「まったく、よりによって、ですか」

「マジ、何考えてんですかね。

――あれ、先輩食わないんですか?」

 イマドのほうはもう、話に乗りながらしっかりひとつ口に運んでいる。


「この状況で満腹にしたりすれば、いざと言うときに動けませんからね」

「けど、ひとつくらい」

 今度も唐突に進行した話に、シルファは付いてこられなかったらしい。


「その、何の話を……してるんだ?」

「すぐに分かります。

 それよりシルファ、ちゃんと武器は手元にありますか?」

「え?!」

 同時に、病棟内に悲鳴が響き渡った。








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