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Episode:35

◇Rufeir

「先輩、どこへ……行きますか?」

「そうだな……」

 病院の外へ出たところで、あたしとシルファ先輩は悩んでしまった。

 食料はまだその辺りの食料品のお店で買えるだろうけど……。


「タシュアの暇つぶしの本、か……」

「歴史の本が、いいんでしょうか……?」

「いや、タシュアは案外、なんでも読むぞ」

「そうなんですか?」


 シルファ先輩が言うには、タシュア先輩は乱読家らしい。けどあたしは、歴史関係しか思いつかなかった。

 不正アクセスとかの本じゃ呆れられそうだし、その他はあまり興味がなさそうだし……。


「どちらにしても、小さい本屋じゃ置いてないだろうな」

「たぶん……」

 それどころか、そうとう大きな本屋さんへ行ってもみつからなそうだ。


「実家へ帰れば、珍しいのがたくさんあるんですけど……」

「だが、取りに行くわけにいかないだろう?」

「はい……」

 取りに行ったりしたら、往復で1週間くらいかかりかねない。


「ともかく、どこか大きな本屋へ行ってみないか?」

「はい」

 その時また、あたしは不意に「何か」を感じた。

 何かひどく殺気立っているのに、それを押し殺したような……。


「どうかしたのか?」

 けど不審そうにシルファ先輩が尋ねた時には、もうその気配は消えていた。

「何か気配が、したと思ったんですけど……」

「――そうか」

 言って先輩が考え込む。


「あとで学院に、報告したほうがいいかもしれないな」

「あ、いえ、そんな大したことじゃ……」

「だが、したんだろう?」

 きっぱりと訊かれて、あたしはうなずいた。


「タシュア先輩が『気のせい』って言うから、そうだと思ってたんですけど……」

「まぁ、タシュアは熱があったからな。

 ともかく本屋へ行かないか?」

 先輩がうながす。


「あの、食べ物は……?」

「それは後で、いいんだろう」

「あ、そうですね」


 食料は後に回して、病院から少し離れた大型書店へ行くことにした。

 それによく考えてみると、携行食でないものを長時間持って歩くのは、食中毒でも起こしそうで何か嫌だ。


「駅のほうの、本屋さんが……大きいですよね?」

「そうだな」

 行き先も決まる。

 そのまま10分ほど歩いて、あたしたちは目当ての本屋さんに入った。

 案内板を見て階段を上がり、歴史関係の本が置いてあるフロアまで来る。


「先輩、どれに……します?」

「そう言われても、歴史は苦手で……」

 シルファ先輩が言いながら、本のタイトルを見て考え込んだ。


「それにタシュアじゃ……全部読んでいそうだ」

「そうですね……」

 タシュア先輩は時間がある時はたいてい図書館にいて、何か本を読んでいる事が多い。

 それにシルファ先輩の話じゃ、寮の自室も壁が一面全部本棚になっていて、本で埋め尽くされているって言う。


――うまく、見つかるのかな?

 むしろ情報関係の雑誌の新刊のほうが、いいのかも……。





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