表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/121

Episode:28

「あ、すげぇ……」

「これは行きましたかね?」

「――??」


 若干1名分かっていないようだが、理想的なコースだ。振り向いたシルファも、満足げな笑みを浮かべている。

 それからすぐ、軽快な音と共にすべての魔法球が弾けた。


「あ、先輩、すごい……♪」

 ルーフェイアもようやく理解したようだ。

(この程度はさすがに、知っているわけですか)

 そう思ってこの少女を見ていたのも束の間。


「先輩……もう1回、投げないんですか?」

 これには訊かれたシルファのほうが、唖然としている。


「ぜんぶ壊した時は……もう1回は、投げないぞ?」

「え? あれ……?」

 どうも何かと勘違いしているらしい。


「ルーフェイア、本当にキエーグをしたことがあるのですか?」

「すみません……」

「質問に答えていませんよ」

「えっと、あの……」

 話が進まない。


「ともかく、やったことはあるんだろう? ほら、投げたらどうだ」

 いじめている途中で、シルファが攫っていった。

 この子にボールを持たせて、投球ゾーンへ送り出す。


「まっすぐ投げれば、大丈夫だ」

「まっすぐ、ですか……?」

 ルーフェイアが少し考えて、投球動作に入った。


(――おや?)

 意外に綺麗だ。生と死が交錯する場所で育ったゆえか、自分の身体を扱うことには長けているのだろう。


――もっとも水に入ると、まともに動けないのだが。


 そんなことを思いながら見ているうちに少女の手からボールが離れ、軽く飛んで行った。

「なんてやつだよ……」

 イマドが呆れる。


 それもそのはず、ルーフェイアの投げたボールは、ほぼ完全に真っ直ぐなのだ。計れば多少の差はあるのだろうが、左右に曲がることがない。

 結局そのまま魔法球へ突っ込んで中央を抜け、ボールが軽いせいもあって、右に1つと左に4つ残す結果になった。


「驚いたな……」

 見ていたシルファも、どこか呆れた声になる。


「え、でも、先輩真っ直ぐって……」

「だが、こうまで真っ直というのも……」

「ですけど……」

 当人は言われたとおりにしただけらしい。


「――お前さ、こゆふに真っ直ぐに投げんのって、かえって難しいんだぜ?」

「そうなの?」

 これで出来るのだから、たいしたものだ。


「にしても、これじゃ全部壊すのはムリだな。

 んと、そうしたら――この辺からあっち向かって、真っ直ぐ投げてみ」

「わかった」

 こっくりとうなずいて、この少女が再度投球ゾーンへ出る。

 それからまた、なめらかにボールを投げた。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ