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踏切と信号待ち

作者: 各務原逍遥

 わが家からいつもウォーキングしている場所(おがせ池)

まで出ようとすると、三つの難関を強制的に渡らなければ

ならない。

 まず一つ目は、踏切のすぐ東側に苧ヶ瀬駅おがせえきのある、名鉄

各務原線・名電各務原6号踏切が待ち構えている。

 初めてこの駅に降り立った人なのだろう、「苧ヶ瀬駅」

を「いもがせえき」と読んでいるのを聞いたことがある。

 学生時代は、岐阜まで出るのにこの駅を毎日通学に利用

していた。当時は、駅長ともう一人が常時勤務していたが、

一九六七年に無人駅となった。

 この頃の駅は2面2線で、ここから東にある鵜沼駅まで

は単線になっており、時間帯によっては、岐阜行の電車が

来るとき、鵜沼行が待機していた光景をよくみかけたもの

である。

 駅のすぐ前には、自転車預かり所があり、毎日ここに自

転車を預けていた。下校してくる時間帯が同じことを知っ

てか、預かり所のおばさんが親切に、何台もの自転車が並

んでいる中から、自分が乗っている自転車を、すぐに乗っ

ていけるように出してくれていたのを思い出す。

 無人駅となったとき、その預かり所もいつの間にか無く

なり、新しい家が建ち、かつての預かり所は、広い庭にな

っていた。

 この踏切でつかまると最悪の場合、上りと下りの電車が

通過するまでけっこう待たされることになる。その間に車

は徐々に増えてくる。そんな状態をやっと乗り切って各務

原6号踏切を通過することができる。


 次は二つ目の踏切、JR高山線・各務ケ原道踏切に差し

掛かる。この踏切の特徴は、岐阜方面の列車が来るときは

遮断稈しゃだんかんが下りてから列車が通過するまで約8秒と短いが、

鵜沼方面のときは、しこたま長く6分は待たされる。思う

に1キロ西にJR各務ケ原駅があり、列車がこの駅に到着

したと同じに遮断稈が下がるのではないかと思っている。

 ちなみにこの遮断稈だが、7秒ほどで下がり、5秒ほど

で上がるようだ。ついでにもうひとつ遮断機で気になって

いたことがいくつかあった。カンカンと鳴る警報音がどこ

で鳴っているのか……どうも遮断機の近くにある四角い箱

があり、そこから警標(クロス状の物)が付いている柱の

てっぺんにあるスピーカーに伝わり、音が出ているようだ。

 また、閃光灯(赤いランプ)の点滅と警報音がズレてい

ることなど、遮断機ひとつとっても様々なことが見えてく

る。


 ここまでに車が停滞している分、車列は長くなっている。

 そして三つ目は踏切ではなく、国道21号線・山の前町

交差点が待っている。名鉄各務原線踏切から国道21号線

まで距離にして約130メートル。タイミングが悪いとき

には、すべてにつかまってしまうことがあり、三カ所を渡

り終えるのに20分近くかかることがある。

 そんなイライラも、ウォーキングをするとスカッとした

気分になる。しかし、自宅に帰るときも同じ道を通ること

になるが、なぜか帰りは、三つの難関をスムーズに通り抜

けることの方が多い。

 こんなことを避けるため、今ではウォーキングの時間帯

を変更している。


 

 

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