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第1話  プロローグ

一体いつからだろう。『異世界』に憧れを抱いたのは…

一体いつからだろう。世界の『矛盾』に疑問を抱き始めたのは…

一体いつからだろう。幼馴染みの少女に『恋』をしたのは…

そんなことを考えながら俺こと、守谷誠(もりや まこと)は見慣れた

天井を見上げる。時計の時刻を確認すると時刻は7時を指していた

重い身体をお越し、階下に向かう。

「あっ、おはよう誠!もうすぐ出来上がるから座って待ってて~」

 キッチンルームに向かうと、幼なじみである杞槍季咲(きそう きさき)は笑顔で対応した。季咲は、昨年無理心中をした両親の代わりにいつも朝昼晩の三食を作りに来てくれる。言わば、家族のようなものだ。いつも顔を合わせ、いつも同じ食卓を囲むのが、一番の幸せだった。今日から始まる高校生活最初の夏休みに胸を膨らませ、

朝ごはんを持ってきた季咲と夏休みについて話し合う。

「ねー?誠はさ、夏休みなにがしたい?」


「んー、そうだなあ…海とかはどうだ?」


「ちょっと定番過ぎない?それ」


「それじゃあ、ショッピングにでも行かないか?」


「あー‼それはいいわね!行こう!今すぐ行こう!」


「ちょっと落ち着け。とりあえず朝ごはん食べてからな?」

 テンションがマックスまで上がった季咲を制止させ、しばらくして、朝ごはんを食べ終える。その間杞咲はずっと鼻唄を歌っていて

ご機嫌な様子だった。長いまつげと長い黒髪が美しく揺れる。

季咲は朝ごはんを食べ終えると大きな目とそれを彩らせる整った輪郭をクシャッと崩し、

「30分後にここで集合ね!遅れたら私自慢の槍、ぶっ刺すから!」

そんな物騒なことを言い残し、季咲は自分の家に帰っていった。

季咲は小中ともに槍術を学んでおり、つい最近全国優勝したとか何とか。黙っていればお人形さんみたいだし、学力も中々高いので基本高スペックではある。対する僕は学力こそ学年一位だが、顔も普通な上にコミュニケーション能力も乏しい。季咲を見習って剣術を勤しんでいたため、武術の心得があるとはいえ、季咲のように何でも出来てしまうわけではない。遅れてしまうとぶっ刺されるので

急いで準備をこなす。そして約束の10分前に我が家の前に到着する

すでに季咲は到着しており、先程と変わらないショートパンツに

半袖というラフな格好で俺のことを待っていた。

季咲の元まで駆け寄り到着をアピールする。

2、3秒ほど沈黙が続き、季咲がこちらに振り替える。

「よーし、来たわね!それじゃあ行こっか!」

 

「ちなみに季咲は何を買うつもりなんだ?俺は筆記用具と食料を買うつもりだけど」


「うーん。私もにたようなもんだよ。強いて言うなら『思い出』かな?」


「なんだよそれ!季咲、お前死ぬつもりかよ!」

 冗談めいて笑い飛ばすが、季咲は静かに黙りこんだまま返事が来ない。しばらくしてハッっとした様子で笑いかける。

「あははーだよねーごめんごめん。ちょっと考え事してたんだー」

 そう誤魔化すが僕達くらいの付き合いになると嘘なんて丸分かりだ。季咲はなにかを隠している。なにか力になりたい。日頃から世話になっているし、長い付き合いだし、それに彼女のことが

『好き』だから。

「なあ季咲さ、辛いことがあるんなら言えよ?俺はお前の力になりたい。すべて1人で抱え込むなよ。俺も半分くらいなら背負ってやるからさ?」


「ありがとう誠。おかげでだいぶ楽になったよ。でも本当に大丈夫なのよ。これは私の事なんだから」


「そうか、なんかあったら遠慮せずに言ってくれよ?」

 季咲がそう言うなら俺には止める事は出来ない。季咲は小さい頃から信念が強い。一度決めたら絶対に曲げない。

たとえ季咲の大丈夫に『嘘があったとしても』だ。何も無いわけがない。普段は明るい季咲がここまで落ち込んでいるのだ。

自慢ではないが、俺は決意が固く、包容力があると感じている。

いつだって季咲を支えてきた。季咲の親が死んだときも一晩中泣いていたときは俺も一晩中季咲を慰めた。その時俺は誓った。

『もう絶対に季咲を泣かせない』と、行動に出るのは早かった翌週から武術を習い、翌月には季咲を追い抜いた。未だに武術の面では

季咲には劣っていない。まだ意思をただ固く、持ち続けているからだ。話は今に戻るがそれからはショッピングモールに着くまで、会話が無かった。ショッピングモールに着いたのは家を出て三時間後

お昼前になり人が溢れ帰っている。

「やっと着いたね~。さあ今、この時を全力で楽しもう!」


「ああ、そうだな…」

 知らない間に季咲の機嫌が戻っていて、少しだけ気後れしてしまった。でも季咲の機嫌が戻ってくれたのは嬉しかった。それからの過ぎ去る時間はとても楽しくて一瞬で、気付けば夕方になっていた。

「今日は楽しかったねー」


「ああ、そうだな。これから帰って7時か。どうする?他に行きたいところは無いか?」


「ないよ!じゃあ…帰ろっか?」

 それから来た道を三時間かけて家に帰る。道中は行きとは違い、

会話が弾んだ。家に帰ると季咲は晩御飯の支度を始める。

俺も少し手伝い、俺の大好物のお好み焼きが完成する。

夕飯を食べ終え、風呂に入り、寝仕度をこなす。

今日は楽しかったな。と心で呟き、目を閉じようとすると自室のドアが開けられ季咲が顔を出す。体をお越し、季咲を見ると

「今日はありがとね、楽しかったよ!おやすみなさい」

 笑顔でそう言い残し部屋を後にする。今日の季咲は変だったなと

心で呟き今度こそ睡眠に入る。あまり気にしていなかった、いつも通りのあの笑顔がこの世界で見る最期の笑顔だとも知らずに。

俺は薄れ行く意識の中心地のいい夢を見る。

俺は『すでに死んでいるとも知らずに』ある心地よい夢をみた。

どうも、最近昼夜逆転を果たしそうな、えまと言うものです。

初めて書く異世界転生にドキドキを覚えながら描きました。

テーマは見ての通り『矛盾』です。

先に断っておきますが私は厨二病でもなければ、キチガイでもありません。

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