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マシンナード ~機械オタクと魔女5人~  作者: 於田縫紀
第6章 新役員がやってきた

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第90話 露天風呂開始

「うぉー、何じゃこりゃ。」


 宮崎台先輩のテンションが急上昇したのが見るだけでわかる。


 薊野家専有露天風呂は、更にバージョンアップをしている。

 中間テスト後、色々な要望を受けて俺が大分手を加えたのだ。


 メインの風呂はそのままに、温度調整が自由に出来る個人用の樽風呂、樽風呂と同じ筐体を使った水風呂、全身がちょうどひたひたになる位の寝湯も作った。

 MJ管を使ったジェットバスも1人分作ってある。

 規模は小さいがちょっとしたスーパー銭湯程度には色々揃っている筈だ。


「これって、まさか既成でこんな状態の筈は無いですよね。本土の専門の工務店を入れたのでしょうか。」

「全部、修の手作りですわ。材料搬送は手伝いましたけれど。」


「これは手作りっていうのはちょっと信じがたいレベルですけどね。」

「俺の魔法は物作り専門で、これくらいしか出来ないからね。」


「それより早く入ろうよ。」

 気を抜くと宮崎台さんはすぐにでも服を脱ぎそうな勢いだ。


「その前に、俺はちょっと車の方に避難しておきましょうか。」

「何で。」


 まさか宮崎台さんにそう聞かれるとは思わなかった。


「一応俺は男ですし。」

「でも今まで問題なかったんだろ。じゃあ今日も問題ない。」

「そうですね。私もそう判断していいかと。」


 宮崎台さんだけでなく鷺沼さんまで。


「じゃあ鷺沼さんと宮崎台さんはその中央の部屋を使って。ベッドは臨時用の折りたたみ出してあるから。翠と朱里は今日は私と香緒里の部屋を使って。」



 そして、露天風呂が始まる。


 俺がいるのはメインの風呂の隣に設けた、通称『ぬる湯』。

 全体から見ても一番端の方で、かつお湯の温度が一番低い。

 低体温で熱い風呂が苦手な俺用のスペースだ。

 樽風呂も温度を調節できるのだが、大抵は香緒里ちゃんが温度高めにして占拠している。


 他はメインの風呂で伸び切っていたり、寝湯にいたり色々。

 俺と同じく熱いのが苦手なジェニーは早くもデッキに横になって涼んでいる。

 こっちに脚を向けて大の字になっているのだが、見えてはいけないところが丸見えなので少しは色々考えて欲しい。


 と、鷺沼さんがとことここちら側へやって来た。


「隣、いいですか。」

「どうぞ。」


 鷺沼さんは全くためらいもせず、俺の入っている真横に来る。

 一応肘が当たらない程度には間があるが、それでもどきりとする。


「何なら出ましょうか。」

「お気になさらず。そのままで大丈夫ですよ。」


 逆に出るタイミングを逸してしまった。

 俺は微妙に気まずいまま、ぬる湯で固まる羽目になる。


「これ全部、長津田君が作ったんですよね。設計も施工も。」

「これを外部の誰かに頼むのも問題ありそうなんで。」


 いくら何でもほぼ女子高生だけで住んでいるマンションに露天風呂作れなんて以来、外に出すわけにもいかないだろう。


「ならこの露天風呂の中の段差も深さも、浴槽の大きさも全部長津田君が考えたんですね。」

「えっ?」

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