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マシンナード ~機械オタクと魔女5人~  作者: 於田縫紀
第6章 新役員がやってきた

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第89話 ご近所さんを誘え

「こいつらあのマンションの部屋買って、一緒に住んでいるんだよ。」


 鈴懸台先輩があっさりネタバラシをする。


「一緒にって、薊野姉妹とジェニーさんですか。」

「長津田君もですわ。4人であのマンションに住んでいるんですの。」


「えっ。」


 鷺沼さんが絶句する。


 それはそうだ。

 危険な年齢の男女が親無しで一緒に住んでいるなんて。

 住んでいる俺ですらそう思う。


「何か面白そうだね、少女漫画の設定みたいで。でも親とか学校とか文句言われないのかい。」


 興味津々という感じの宮崎台さんの質問。


「修と住む件については、双方の両親及び修の担当教官の公認済みですわ。」


 あっさり由香里姉が答える。


「何か、婚約者とかそういう関係なのでしょうか?」


 恐る恐るという感じに鷺沼さんが聞いてくる。

 それは親公認といったらそう聞くだろうなと俺も思う。


「そうなれば面白いと思って私達も観察しているのですが、なかなかそういう展開になってくれないみたいですわ。」

「というか、そんな変わった話じゃないですよ。」


 いい加減危険なので、俺がちゃんと説明することにした。


「薊野姉妹と俺とは小さい頃からの幼馴染で家同士も仲がいい家族みたいなものなんです。そして今年夏に香緒里ちゃんがちょっと特殊な魔法を発明して、その為に色々狙われたりする事態もあったので、外敵の接近が魔法でわかるジェニーに一緒に住んでもらうことにした。ついでに俺も近所のよしみで一緒に住まわせてもらっている。それだけですから。」


 何か冷たい視線が由香里姉、香緒里ちゃん、ジェニーから俺に注がれた気もするが気にしない。

 あくまで表面上の事実はそうなのだ。


「うちの親は言ったけどな。もし修がその……」

「あれは俺を安心させるための言葉のあやという奴です。」


 由香里姉が余分な事を言う前に話をぶった切る。


「そうだ、今日は金曜日だし鷺沼さんと宮崎台さんも露天風呂誘わないか。」


 不意に鈴懸台先輩が最悪な提案をした。


「露天風呂ってこの島では聞いたことがないけどな。」

「毎週金曜日に皆で集まって露天風呂を楽しんでいるのですわ。今の学生会の恒例秘密行事ですのよ。」

「本格的な奴をつくったんだよ。見晴らしも最高の奴を。」


 あ、鷺沼さんも宮崎台さんも反応した。


「それは面白そうですね。でもお邪魔していいのでしょうか。」


 遠慮がちだけど興味あるよ、って感じで鷺沼さんが聞いてくる。


「大丈夫。全員分のベッドもあるし。泊まりがてら着替え持って来てみたら。」


 由香里姉はそう言うが、ベッド数は……あれ。


「何なら俺、今日は車の方にいようか。あそこも一応ベッドも電源もあるし。」

「大丈夫だから修は逃げない。」


 脱走に失敗した。


「楽しそうだね。僕も一緒に行ってい良いかい。」

「大歓迎ですわ。御二方の分を含めてベッドはありますし。それでは5時になったら、皆でここを出ましょう。それまでに鷺沼さんは着替え等を寮に取りに行って下さいな。」


 どうなるんだろう。

 あの不健全な集いに早くも新役員候補を巻き込んでしまって良いのだろうか。


 まあ、考えても俺に決定権は無いのだが。

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