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マシンナード ~機械オタクと魔女5人~  作者: 於田縫紀
第6章 新役員がやってきた

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第88話 ご近所さんを探せ

「さて、長津田君をいじるのはこれくらいにして、何か質問はあるかな。」


 鈴懸台先輩の台詞に、鷺沼さんが軽く手を上げる。


「学生会ってここ数年選挙をしていないと思うのですが、皆さんはどういうきっかけで入られたのですか。」


「敬語は使わなくていいわよ。仲間なんだし。

 私は2年の時、その時の会長と知り合いで頼まれて会計やって以来かな。副会長の翠も同じ時に頼まれたのがきっかけ。朱里は昨年12月に教授会から推薦。あと後輩の3人はそれぞれ私の妹と幼馴染とその友人よ。」


 由香里姉が全員分を簡単に説明する。


「私の場合は推薦と言うか先生に泣き落としされましたわ。あの2人の猛獣を止まられそうなのはお前しかいない、頼むぞって。」


 月見野先輩の台詞に由香里姉と鈴懸台先輩が苦笑する。

 自他共に認める事実なのだろう。


 香緒里ちゃんとジェニーが紅茶入りのカップを持ってきた。


「ごめんなさいね、今日の葉っぱは蒸らし時間がかかるから手間取らせちゃって。」

「でもこの薫りは好きすから。」

「うん、この紅茶はやっぱり薫りがいいよね。」


 そう言いつつ全員に配る。


「この島の環境だから、お菓子もあまりいいの入らないしね。だからお茶だけは凝ってるの。」

 宮崎台さんがカップを手に取り軽く持ち上げる。

「ダージリン、それもセカンドフラッシュのいい奴だ。」

「正解ですわ。アパキパサンドのSAN-CHAブランドのダージリン。紅茶、お好きですの。」

「僕は特区生まれの特区育ちでね。うちの母も同じことを言っていたよ。食べ物は冷凍や長期保存きくものしか無くて凝れないから、紅茶くらいしか楽しめないって。」


 宮崎台さんは一人称が僕らしい。


「特区育ちって、珍しいですわね。」

「一応父島の小中学校の分校があるけどね、小中学校併せて生徒が10人いなかったな。僕の場合は同級生もいなかったし。まあおかげで今の学校も家から通えるけどね。」


「あれ、ご自宅から通学なんですの。ご自宅はどのあたりなんでしょうか。」

「ハツネスーパーの裏のマンション。」


 え、それって。


「まさかアルバトロス初音じゃないですよね。」

「そこの801号室だけど、何故だい。」


 俺の質問にほぼ最悪の返答が返ってきた。

 まずいかも。


「うちと同じマンションですわ。」

「わー、一緒なのれす。」

「あれ、それってどういうことでしょうか。」


 鷺沼さんがちょっと訝しげに尋ねる。


「由香里さんも同じマンションに住んでいて、そしてジェニーさんも同じマンションに住んでいるという事ですか。」

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