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マシンナード ~機械オタクと魔女5人~  作者: 於田縫紀
第6章 新役員がやってきた

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第87話 新役員がやってきた

 新会長や新副会長が誰かわからないまま、間もなく午後4時を迎える。


 空いている机を由香里姉と鈴懸台先輩の横に移動させ、それにともなって他の机も少しずつ移動させて準備は整った。

 お茶の準備も出来ている。


 それぞれの役職の仕事内容を記載したレジュメも用意した。

 実際にやっていると役職で仕事を振るより各自の得意分野で仕事を振る方が多くなるのだが、まあ基本は基本だ。


「来ましたれす。筑紫野先生とあと2人。どっちも女性です。」


 ジェニーの魔法が反応したようだ。

 ドアがノックされ、こっちが返事をする前に開かれる。


「入るわよ。」


 筑紫野先生の後に続いて入ってきたのは、ジェニーの言うとおり女子学生2人。

 一人はやや灰色がかった特徴的な色の髪をミディアムボブにした色白な物静かそうなメガネをかけたやや小柄な女の子。

 もう一人は茶色いショートヘアの、身長170センチ位の引き締まったいかにも活発そうな感じの女の子だ。


 俺達は立ち上がって迎える。


「細かい事は抜きよ。この2人が教授会推薦の来期会長副会長候補。自己紹介して。」


 まずは灰色髪の小柄な方が頭を下げる。


「来期の会長候補に推薦されました補助魔法科3年の鷺沼風遊美です。よろしくお願いします。」


 次は背の高い方だ。


「同じく、副会長候補の宮崎台奈津季だ。攻撃魔法科3年。よろしく。」


 続いて俺達も由香里姉から順番に挨拶をする。


「それじゃあ、引き継ぎなり情報交換お願いね。あと役員選出は例年通り、投票無しで不信任のみ意見票の提出でいいわ。あとはよろしくね。」


 筑紫野先生はそう言うと、席にも座らずそのままターンして扉を開け、出ていった。


「それではこちらにお座りになって。簡単な資料も用意致しましたから。」


 月見野先輩のその言葉で香緒里ちゃんとジェニーは紅茶等の用意をしに行き、2人が座るとともに全員で座る。


「さて、仕事の流れとかは後でそのレジュメを見てもらえばわかると思うわ。居残りも3人いるから多分問題はないしね。だから優先課題としてはお仕事以外の件になるかな。」

「そうだね。例えば詳しい自己紹介とか質問とか。3月の交代までは引き継ぎ含めて一緒に仕事する訳だし、会計以下は来年度も一緒に仕事する訳だしな。」

「という訳ですし、まずは詳細な自己紹介でも致しましょうか。という訳で、まずは一番長い付き合いになると思われる来期監査担当の長津田君からお願いね。」


 え、いきなり俺か。

 何も用意していないぞ。

 でもしょうがない。


「2年魔法技術科の長津田修です。趣味は電子工作、苦手なのものは体力が必要な事一般。得意なものは工作全般。使用できる魔法は物品加工と製品審査。で後は何を言えばいいんだ。」

「好きな女の子のタイプとか。」

「特に無し。好きになってから考える。」


 由香里姉の攻撃を撥ね付ける。


「じゃあ由香里とジェニーと香緒里ちゃんの3人なら誰を恋人に選ぶ?」

「回答を拒否。」

「強いて言えば。」

「黙秘権を行使。」


 鈴懸台先輩の意地悪な質問が続く。


 何か自己紹介でなく単に俺をいじる場になっているような……

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