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マシンナード ~機械オタクと魔女5人~  作者: 於田縫紀
第5章 新しい日常

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第74話 退寮届と長電話

 寮に入って自分の郵便受けを確認したら、何やら封筒入りの書類が入っていた。


 出してみると、『退寮届』とある。

 何故こんなものが入っているんだろう。


 そう思いながら寮の玄関を通り過ぎようとした処、寮務室から声がかかった。


「長津田、退寮届は今週中に出しておけよ。」


 え、何だろう。


「俺が退寮するんですか?」

「おや、聞いていないのか。親御さんから連絡あったぞ。今月中に退寮するからよろしくお願いしますとな。」


 何でですか、と聞こうとして思い留まる。

 それは寮務教官に聞くことではないだろう。

 聞くなら俺の家にだ。


「わかりました。」


 そう言って自分の部屋に帰り考える。

 ひょっとして実家に金が無くなって俺に帰ってこいというのだろうか。


 今現在、俺は仕送りをほとんど使っていない。

 ヘリコプターを始めライセンス料や買上げ代金でほぼ学費全般は賄えているからだ。


 でももし親父が倒れたりしたら、とも思うがその可能性も薄い。

 そんな連絡はないし万が一親父が倒れても保険で何とかなる筈だからだ。


 考えつつも答えは見つからないので、結局実家に電話をかけることにする。


「もしもし、俺だけど退寮届って何だ。」


 率直に聞くことにする。


「修元気している、風邪などひいていない。仕送り全然使っていないけれど大丈夫。」


 俺の質問と関係なく問われる質問の数々。

 これは長くなりそうだ……


 

 結局電話で聞けた主な内容は、

 ○ 今月末の日付で退寮出来るよう書類を作っておきなさい。

 ○ いつでも出られるように荷物はまとめておいて家具などはたたんで本などもダンボール等で運べるようにしておきなさい。

 ○ 父も母も元気です。

 ○ 薊野さんとこの姉妹によろしく。

だけだった。


 30分も話したというかほぼ聞きっぱなしだった電話の内容がこれだ。

 意味ないやんけ。


 仕方ないので俺は考えるのを止め、明日の予習をする事にした。

 高専生の勉学は厳しいのだ。


 荷物なんていつでもまとめられる量しかないしな。

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