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マシンナード ~機械オタクと魔女5人~  作者: 於田縫紀
第4章 嵐と実りの季節です。

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第68話 小話4の7 今日も風呂の日

 学園祭も半ばすぎると惰性になる。


 土日はまた盛り上がるのだが今日は水曜日。

 一番客が少なく盛り下がる日だ。


「まあ今日は事件も事故もなくて良かったです。」

「でも何もないと退屈じゃない。」


 創造制作研究会特製どら焼きを頬張りながら由香里姉が言う。


 時刻は午後4時。

 南の離島であるここ聟島ではまだ日は長いが、そろそろ俺にとっては危険な時間だ。


「露天風呂はNGですよ。この時期島の色んな所に観光客が入り込んでいるんで。」


 だから先に釘を打っておく。


「ついでに言うと工房で風呂も駄目ですからね。シャッター閉めておいても今は人通りありますし、間違って管理担当の先生に見られたら洒落になりません。」


 と更に強く釘を打っておく。


「じゃあ、この島以外なら大丈夫ね。」


 あ、思ってもみない方向から反撃された。


「学園祭期間中に島を離れるのはどうかと思いますが。」

「10分以内で学校に辿り着けるなら問題はないですわ。」


 あ、月見野先輩も露天風呂賛成派に回った。


「この前海水浴をした島、あそこなら急げば10分で学校に着けるよな。」


 鈴懸台先輩も敵に回った。


 あ、駄目だ。

 俺に勝ち目はなくなった。


 

 午後6時過ぎ、すっかり暗くなった中をマイクロバスは走り始める。


 港はこの時期混んでいるので直接空中へ。

 既に回りは暗いが携帯電話のGPSとヘッドライトを駆使して飛んでいく。


 幸い今日は風がそれほど強くない。

 学校から10分もしないで目的地の北之島へ到着した。


 崖にぶつからないよう慎重に高度を下げ、この前の浜辺に到着する。


 お、ジェニーが魔法をかけたようだ。

 島の近辺を上空から見た図が脳裏に描かれる。

 人の印はこの浜以外には無い。


「こういう時ってジェニーの魔法は本当に便利ね。安心できる。」

「そう言ってもらえると嬉しいす。」


 そう言いつつ風呂の準備。

 PVCのプールを組み立てポンプをプールと海とに放り込む。

 ポンプ部分もかなり強化したので見る間にお湯が溜まっていく。

 プール部分も加工済みなので放っておけばかけ流しの露天風呂の完成だ。


 既に由香里姉や鈴懸台先輩等は服を脱ぎだしている。

 まあ今日はもう暗いしいつもの事だから俺も慣れてしまったが。


 まだ半分くらいしかお湯が溜まっていない状態だけど由香里姉と鈴懸台先輩は風呂に入る。

 全身を延ばして大の字になってお湯に浮いている状態。

 風呂が充分大きいから2人なら大の字になっても何とかぶつからずに入れる。

 まあ邪魔になったら月見野先輩が強制手段に出ると思うけれど。


 その月見野先輩も服を脱ぎだした。

 そろそろ俺も諦めようかな。


 俺も服を脱ぎ、お湯に浸かる。

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