第53話 小話2終話 改良終了セクハラ完了
取り敢えずこれ以上セクハラする前にジェニーを椅子の上に戻す。
「香緒里ちゃん、まだ動くなよ。」
「何でですか。」
「ジェニーの脚の参考にするから。」
マルチプルフィクスチャーで浮かした状態で義足を固定して、俺は魔法をかける。
義足の外側の素材であるシリコンライナーを任意に加工する機械などここにはない。
なので俺の魔法で加工して一気に仕上げる。
今まで身体に回り込ませていた部分をカット。
その分をジェニーお望みの増量に使う。
ラインが自然になるように整え、シリコンライナー部分の加工は終わり。
台の上に戻し、最後にソケットとライナーの間を外して調整済みの魔法保定具を埋め込んで完成だ。
「香緒里ちゃんありがとう、もういいよ。」
香緒里ちゃんは作業台の上から降りる。
「うー、修兄、見たですか。」
「脚のデータはね。」
「うう、そういう事ではないです。」
そう言いつつも香緒里ちゃんはそれ以上文句を言わない。
「あとジェニーに義足渡して。俺は向こう側を向いているから。」
「えっ、あ、そうですね。」
香緒里ちゃんは何故俺が向こうを向いたか理解したらしい。
そこそこ重い義足を片方ずつ作業台から下ろし、ジェニーが座っている椅子へと運んでいる気配。
そしてもぞもぞとジェニーがやっている気配。
「オサム、付けたすよ。」
「まだ振り向かないで!ジェニー、せめてパンツはいて!」
すぐに振り向かないで正解だったようだ。
「もう大丈夫か。」
少し間を置いて、俺は聞いてみる。
「オサム大丈夫すよ。」
今度は香緒里ちゃんの駄目出しがないので、多分大丈夫なのだろう。
俺が振り向くと満面の笑顔のジェニーとちょっと疲れた顔の香緒里ちゃんがいた。
「どう、義足の方は。」
「前と感じは変わらないすね。」
ジェニーはちょっと広いところへと行って、いきなりジャンプして空中一回転をしてみせる。
「運動能力も問題ないすね。」
さっき以上に水色のパンツが丸見えだったのだが、もう俺も指摘する気力がなくなりつつあるのでどうでもいい。
「強いて言えば太腿につなぎ目がよく見ると見えるからブルマやハイレグはけなくなったすね。」
何だその意見は。
「でも蒸れる部分は減ったし着脱も楽だろ。それくらいは大目にみてくれよ。」
「まあそうすね。肌の色あわせてあるしよく見ないとわからないすし。ただ、お気に入りの点が一つ増えたす。」
ジェニーはそう言ってにやりと笑う。
ジェニーは香緒里ちゃんの横にぴたっと寄り添うように立って、次の瞬間。
「お揃いなのす!」
自分と香緒里ちゃんのスカートをまくり上げた。
「いやーっ!」
香緒里ちゃんの悲鳴と一瞬の残像。
確かに香緒里ちゃんの脚と形はそっくりだ。
何せ香緒里ちゃんの脚の形を元に加工したのだから。
でも俺の目に残像として残ったのはそれだけではない。
香緒里ちゃんの足の付根を覆っているグレーの布地とジェニーのそこを覆っている水色の布地。
俺の目に思い切り焼き付いてしまう。
「ううー、こうなるならもっと可愛いのはいてきたのに……」
そして香緒里ちゃんの涙声が工房に響いた……
セクハラ小話は終了です。
次の小話は長くなります。
よろしくおねがいします。




