第51話 小話2の1 義足改良ノーパン対策
今日の放課後は学園祭の全体会議。
幹部3人は会議出席で誰もいない。
なので書類仕事を中断し、俺達3人は工房へ来ていた。
目的はジェニーの義足の改良だ。
「でも、今の状態でもこの義足結構良いすよ。」
ジェニーはそう言って、軽く助走をつけて飛び上がり、空中で一回転して着地してみせる。
「これくらいは出来ますし。」
「そんなプログラム入れていないんだけどな。」
俺が想定したのは単純なジャンプまでなのだが。
ちらりと水色の布がスカート内に見えたが無視しよう。
「今回改良しようと思うのは、主にソケット部分だ。ジェニーに魔力があるのなら魔力で固定と保持が出来るから。構造が簡単になるし取り外しやメンテナンスも楽になるしな。」
実を言うと本音は露天風呂実施時のノーパン対策だ。
この前は厳しかった。
厳しすぎて何度もベッドから脱出しようと試みたが、ちょっとバランスを崩すとジェニーに接触しそうでその度に諦めたのだ。
俺は以前にモデリングしたジェニーの義足をディスクから呼び出す。
「この足の付根部分より前や後ろに大きく回っている部分を全部無くして、体重がかかる部分の最小限にする。クッション性を考えてこの部分はそのまま。代わりに身体への保持は魔法保定具を使う。ある程度の柔軟性を持たせるから使い心地も今までと同等以上の筈。」
この魔法保定具は結構一般的に出ている魔法道具だ。
基本的な効果は記憶した魔力パターンを持つ個人と一定以下の距離を保つ事。
今回用意したのは若干高機能化したもので、身体のどの部分から一定の距離にするかを選べる機能がついている。
勿論使用者が明示的に機能をオフにすることも可能。
これを使えばソケットのライナー部分はまだ少し残っているジェニーの太腿部分のみにすることが出来る。
それならノーパンでなくても着脱可能だ。
ジェニーは工房の片隅から肘掛け付きの椅子を持ってくると、おもむろにスカートをまくってパンツを下ろしだした。
俺はとっさに回れ右をする。
「ちょっと、ジェニー何をするつもりなの。」
「パンツを脱がないと義足が外せないす。」
香緒里ちゃんにも衝撃的だったようだ。
「でも修兄だって男性だよ。一応は配慮しないと。」
「もう形状は知られているし意味ないす。ほら。」
ジェシーが示したのは義足のモデリングデータ。
ソケット部分と身体部分はCADデータとして学生に配布されたものだが、あの時は仮想の人間だと思って気にもとめていなかった。
だがジェニー本人のデータだと思ってみると、確かに問題がある。
具体的に言うと股の間の女性の器官の形状までモデリングされているのだ。
あ、気づかなければよかった。
「ふーん、修兄はこれを見て色々考えていたんですね。」
心なしか香緒里ちゃんの声が冷たい。
「データ貰った時は課題用の仮想の人間のデータと思っていたから気付かなかったの。」
「でもデータしっかり保存して取ってあるじゃないですか。」
「何か修理や改造する時のために全部データは残す主義だから。現に改良のために今も呼び出したんだし。」
言い訳じゃなく事実なんだ。
頼む納得してくれ。




