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マシンナード ~機械オタクと魔女5人~  作者: 於田縫紀
第4章 嵐と実りの季節です。

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第46話 導入話2 危険なもの程面白い?

 大変だな、月見野先輩。

 そう思いつつ、俺も渡された申請書の確認作業を始める。


 暗黒魔法や闇魔法を脅かしと舞台設定に使用したお化け屋敷はまあ大丈夫だろう。

 治療魔法による健康診断と健康相談なんてのも健全だしOKだ。

 魔法調理研究会の激辛カレーショップは確か昨年救急車が出たが名物だし被害者納得済で食べる前に宣誓書書かせているしまあ条件付き許可かな。

 召喚魔法愛好会の恐怖の館はちょっとNGか。


 これは後で月見野先輩に確認しよう。


 そうやって見ていくと確かに危険なものもいくつかある。


 例えば『魔力によってバネ定数が変化する素材のデモンストレーション』。

 例の香緒里ちゃんの魔法で作ったバネのデモで名前は一見研究者っぽいが、実際の内容は単なる人間大砲だ。

 バネを柔らかくして人間を先端部に載せた後、一気にバネを固くして乗った人間を打ち出すという危険極まりない計画。

 提出元は田奈秀雄主任教授になっている。


 また、『教官による学科対抗飛行スクーターレース』なんてのもある。

 提出元は教授会一同になっている。


「月見野先輩、教授なんかが出している危険な企画はどうするんですか。」


 月見野先輩は大きくため息をついた。


「あれは学生会にも審査権限は無いですわ。まあ自己責任ということで無視してくださいな。」


 そう言えば昨年は俺の作ったヘリコプターでのレースをやっていたっけ。

 あの時は確かヘリコプターの接触で用賀先生が墜落して足の骨折ったんだよな。

 まあ審査外ならしょうがない、無視するか。


 それにしても教授連中の危険な企画、今回は香緒里ちゃん関連ばかりだな。

 そう思ってふと気づく。


「そう言えば香緒里ちゃん、遅いですね。」


 時計によると現在時刻は午後4時ちょうど。

 既に4限は終了している。


「香緒里には今日から来る補助魔法科1年転入生の校内案内等をお願いしたの。本当は学生会幹部の仕事なんだけど書類が溜まっているから頼んじゃった。」


 と由香里姉。


「転入生って珍しいですね、この学校に。」

「留学生枠よ。でも日本語喋れるらしいし入学試験の成績も良かったみたい。池尻先生が褒めていたわ。」


 成程。


 そんな話をしながら、俺達は書類の山を片付けていく。


 俺が安全確認関係。

 月見野先輩が予算と購入物品等の関連。

 由香里姉がスケジュールや場所の調整等と裁定関連全般。

 鈴懸台先輩がそれらチェックが終わった書類のはんこ押しとコピー。

 そんな感じだ。


 本当ははんこ押しは快調である由香里姉の仕事の筈だが、各自の能力分担としては今の状態が正解なのだろう。

 鈴懸台先輩は自他共に認める脳筋だから。


 コンコン。

 学生会室の扉がノックされる。


「はい。」

「香緒里です、失礼します。」


 よそ行きの香緒里ちゃんの声。

 香緒里ちゃんは金髪の女子学生を一人連れている。

 この人が例の転入生かな。

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