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マシンナード ~機械オタクと魔女5人~  作者: 於田縫紀
第3章 迷い考えて作るんだ!~魔法工学生の夏~

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第39話 小話4の5 たまには少し息抜きも

 かなり危険な事になっている。


 何せ香緒里ちゃんがいるのが俺の工房でだからすぐに分かる。


 今香緒里ちゃんがやっているのは必要な理論の収集。

 バネに魔法をかける作業をやりながら合間にネットで情報を収集している。


 ちらっと見るとHEAT弾の構造とかAPFSDS弾の構造とか、物騒な内容が表示されていた。

 ちなみに高価な魔力貯蔵合金や濃縮魔力粉末、タングステンの棒材等も通販で届いている。

 更に関係あるのかわからないが色々な化学剤まで。

 一体何を作る気だ。


 見なかったことにしよう。

 いやしたいけれど。


「香緒里ちゃん、一体何を作るつもりなんだ?」


 間違って事故でも起きたら大変だから一応聞いてみる。


「まだわからないのです。取り敢えず可能性のあるものを一通り調べて必要そうなものを揃えているのです。」


 まだ方針は決まっていない、と。

 それにしては色々高価なものまで買いすぎではないだろうか。


「お金に糸目をつける必要はないのです。」


 そうだった。


「一応核爆弾も考えたのですが、近距離だとどう制御してもこっちにも被害出るので諦めたです。あと戦車用徹甲弾の方式は汎用性が今ひとつなのです。由香里姉や鈴懸台先輩の魔法くらい汎用性がないと対抗できないです。」


 何に対抗する気だ一体。

 由香里姉や鈴懸台先輩は敵じゃないだろ。


「とにかく、今一つの調査と研究が必要なのです。」


 そう言って香緒里ちゃんは自分用パソコンに向き直る。


 まあ、夏休みなのに外泊も旅行もできないんだ。

 いい暇つぶしの種が出来た位に思うのが正解かも。

 そう思いつつ俺は自分の趣味の電子工作に戻る。

 

 翌朝9時、学生会幹部3人が俺と香緒里ちゃんがいる工房に現れた。


「せっかくの夏休みなのに工房(ここ)学生会室(あそこ)と寮の往復だけじゃつまらないから、ちょっと遊びに行こうぜい!」


 鈴懸台先輩がそう切り出す。


「でも私が危険だから学園外には極力出ないほうが良いって言われているんじゃないですか。まあ私が危険なら私を置いていけばいいだけなのですが。」

「香緒里さんを一人残すのもそれはそれで危険なのですわ。ですから行くのは皆一緒ですわよ。」

「自衛隊の基地司令に話をつけてきたわ。可愛い女子高生3人で差し入れ持ってお願いしたら、簡単にOKしてくれたの。」


 由香里姉はそう言ってウィンクして見せる。

 まさか魔力で脅迫していないよな。


 ふとそう思ったが取り敢えずそれは言わない。

 俺もいい加減この生活に飽きていたからだ。


「修はそのままで良いわね。香緒里の水着は取り敢えず用意したわ。」


 水着とは?

 それに自衛隊と話をつけてきたとは?


「久しぶりにこの車を動かすけれど大丈夫?」

「勿論、強いて言えばそろそろ軽油を使い切って新しいのを入れたい。」

「わかったわ。帰りに入れればいいでしょ。」


 俺は頷く。

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