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マシンナード ~機械オタクと魔女5人~  作者: 於田縫紀
第3章 迷い考えて作るんだ!~魔法工学生の夏~

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第24話 小話2の3 素材はこれで出来たけど

「そうですね。大体形になったです。でもまだ分厚くて小さいし刃が無いですが。」

「叩いて伸ばして最後に研げば予定通りさ。さて、普通はここから炉に入れて叩いてを繰り返して打って伸ばすんだけど、今回はこの前作ってもらった金属分子を密着させる炉があるからそれをまず使うよ。」


 炉に突っ込んで約1分。

 この炉のチートな付加魔法で、それぞれの鋼材が成分はそのままで隙間を残さず密着した。


「本当は炉に突っ込んだり叩いたりすると鋼材の成分がある程度変わったりするんだけどね、今回は魔法で成分維持がかかっているからいくら熱しても成分はそのまま。

 今度はこの包丁の元を一時的に成分変えずに展延性を無茶苦茶に上げる炉とハンマーを使って形を作るよ。」


 チートな炉その2に包丁の元を突っ込んで赤熱するまで加熱。

 ちなみにこの炉は赤熱している間金属の展性と延性を増加させる魔法炉。


 取り出してハンマーでワシャワシャ叩く。

 魔法の効果で軽く叩くだけで素材が伸びるので叩き過ぎ厳禁だ。


「ここからは選手交代。アドバイスはするから香緒里ちゃんがここからは作って。」

「了解です。面白そうなのでやってみたかったです。」

「魔法効果があるから力は入れないで叩いてみて。」

「わかったです。」


 わりと器用に延ばして整形している。

 だから俺はミスりやすいところだけを指摘してやればいい。


「伸ばすのは刃の部分だけじゃなくて柄の部分以外は全体的に叩いてね。そうしないと分厚くて小さい包丁になっちゃうから。」


 とか。


「次は裏返して。今回は両刃だから裏表両方均等に叩いて。」


 位でほとんど修正せずにほぼ予定通りの形になる。


 ちなみに俺が最初に似たような物を作った時は予定外の歪な形の刃物になってしまった。

 そういう意味では俺より香緒里ちゃんの方が、刃物作りの適正はあるかもしれない。


「伸ばすのはその辺でいいかな。じゃあ整形するよ。」


 俺は再びノギスファンネルを起動して今の包丁の形を入力。

 先程の予定図と合わせて最適値を決めてそのまま4D自動グラインダで整形。

 ここまでくればあとは研いで刃をつけるだけだ。


 ついでにストックに転がっていた杖用の高級木材で柄の部分も作成。

 穴を開けてステンレス丸材を入れて両端をチートなハンマーで延ばして柄を固定。

 この柄の部分は俺のサービスだ。


「包丁の研ぎ方は今回は省略。必要なら後ほど研究してね。」


 自動中砥石と自動細砥石で仕上げて完成。

 本格仕上げ風の包丁が素人でもわずか2時間で完成するのは魔法チート多用のおかげだ。


「後は魔法をかければ出来上がりだけれど、縞縞に魔法をかけるのはどうやるつもりかな。」


 香緒里ちゃんはちょっと考える。


「刃の上に鉛筆で線引いて一本一本集中してかければ出来ると思うのです。」

「でもそれじゃ面倒じゃないかな。」

「なら他に方法があるのですか。」


 俺はヒント半分で香緒里ちゃんに聞いてみる。


「香緒里ちゃんは見える面だけ、とか見える面から何ミリの深さで、という指定で魔法付加をかけられる。」


 香緒里ちゃんはちょっと考える。


「それは……出来ますね。」

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