悪夢と虚構の掃き溜め
……ここは暗くて冷たいところ。
少し先には暖かそうな明かりが灯されている。
少し、もう少し前に踏み出せば届きそうなのに……。
ずっと昔から浴びせられた刺さるような罵倒が、言葉の枷が、私が前に踏み出そうとするのを妨げる……。
前に踏み出せばきっと変われるのに……。
悪いままの今から抜け出せるはずなのに……。
その先にあるかもしれない何かに怯えて、更に下へ落ちるのを恐れて、私は今日も変われない、逃げ出せない……。
暗くて冷たいこの場所から、いつまで経っても抜け出せない……。
〜しちゃいけない、〜するやつは〜だ。そんな大人達の価値観の押し付け、否定の嵐。
そんな中で育った私が、どうして人目を気にせず振る舞えるだろうか。
何かをしてみよう、何かを変えてみよう、そう思っても、脳裏によぎるのはそんな自分の想いを否定する大人達の姿……。
囚われていたのだろう、自分でも無意識のうちに、私は大人に都合のいい、自分では何もできない、籠の中の鳥にされていたのだろう……。
その事に気付いても、それでも私はもう、籠の外には行けないの……。