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カード使いの少女と課せられた課題

「仁藤さんおはようございます!」


「おはよっ」


 先に来ていた仁藤さんに挨拶し、いつもより賑わっているムゲンゲームスの大会ならではの空気を感じます。参加者かどうかは分かりませんが誰も彼もゲームが上手そうに見えますが……


「志垣さんは……」


「来てないわね、まったく」


 やはり乗り気ではなかったようなので来てくれなかったのでしょうか? 怒りをあらわにしている仁藤さんには話しかけにくい感じになってしまい幸先不安です。


『えー、こほん! それでは只今よりムゲンゲームス毎春秋恒例ゲーム大会を開催します!』


 吉崎さんもいないと思っていたら司会をすることになっていたんですね!


『簡単にルールを説明しますと、一チーム三人まででチームを作ってもらいましてゲーム対決を行ってもらいます!』


 三人までということですが、僕たちはひとまず二人で参加することになっています。


『優勝商品はゲーマーならほぼ間違いなく嬉しいであろう物をご用意しました! 今は伏せておくのでお楽しみに! それでは早速一回戦目の種目は……!! カードゲーム「バードキング」です! 本番は一週間後、それまでに自信のない方も是非腕を磨いてくださいね~!』


「あ~」


「カードゲームですか」


「そ、弟がやってて多少は知ってるけどこれは……」


「勝算ありそうですか?」


「微妙ね」


 手に顎を乗せてさっそく何かを考えている仁藤さんも音ゲー以外は難しいのでしょうか? それともやっぱり僕の力不足が足を引っ張ることになっているのでしょうか?


「どうすれば勝てる確率は上がるでしょうか?」


「練習するのは当然なんだけど、それ以前にカードゲームはカードの強さが勝敗をおおきく左右するでしょうね」


「運ってことですか?」


「いや、私に考えがあるわ」


 にやりと笑った仁藤さんに連れられてトレーディングカードゲームとやらの台が集まっている一角に来ました。小学校低学年くらいの子達が牛耳ぎゅうじるこの一角で辺りを見渡す仁藤さん、何かを見つけたらしくとある台に近づいていきました。


「ムーちゃんっ!」


 その台で遊んでいた少女に抱き着いた仁藤さんに、少女は怪訝(けげん)そうな顔をしています。


「ニトーどいて」


「あーごめんごめん!」


 待つこと数分、少女がこちらに体勢を向けてくれました。


「何の用」


「紹介しとくと、こちらは繭峰夢羽(まゆみねむう)ちゃん! データカードダス全般に詳しいのよ。こっちは冨山太一、一緒に大会に出ることになってるの」


 紹介された繭峰「ちゃん」というのか「さん」というのか、その少女には少女とは思えない貫禄があります。


「何の用かっていうと、バードキングの強いカード持ってないかなーと思ってね」


「……」


「もしかして持ってない?」


「持ってなくはない。でも、タダで貸すのは(しゃく)


 仁藤さんが繭峰さんに好かれていないというのは分かりました。


「どうすれば貸してくれる?」


「CPUと200戦、その後私と勝負する」


「「200!?」」


 数字上厳しそうな条件を突きつけられ、どれほど難しいことか分からないまま僕は仁藤さんはハモってしまいました。


「繭峰さんが言っていた条件というのは物理的に可能なのでしょうか?」


「可能と言えば可能よ」


 仁藤さんはまた何とも煮え切らない言い方をしています。


「太一、あんた平日何時からここ来れる?」


「16時に授業が終わって学校から30分くらいなので……16時半といったところでしょうか?」


「風営法を加味して滞在時間は18時までの1時間半、一戦辺り10分くらいと仮定して1日9戦、私も同じようなもんだから……」


 ブツブツと仁藤さんは何かを計算し始めました。


「平日マックスでも五日で90戦、今日の午後と来週土曜をフルに当ててもギリギリね」


 どう考えても難しい状況に変わりはないようです。しかし、既に200戦が難しい上に繭峰さんとの勝負が何戦になるか分からない。それなら自分たちで強いカードを引くことに専念した方が良いのでは?


「本気で勝ち残ろうと思ったら普通にやってちゃ無理よ。バードキング(これ)は二、三年前から稼働してるわけだからド素人の私たちじゃ戦い慣れてるガキどもに勝てはしない。太一、この一週間をバードキング(これ)に賭ける覚悟はある?」


 確かに子供は吸収が早いです。好きなこと、楽しいことならなおのことそれは顕著に現れることでしょう。

 しかし、だからといってこちらも諦める訳にはいきません。志垣さんにチームに入ってもらうまで勝ち残るにもここは一戦必勝でいかなければなりません。


「……あります!」


「よく言った! 一刻も惜しいからさっさと始めるわよ!」


「はい!」


 そうして始まった短くも長い繭峰さん&鳥対僕達の戦い。早速始めようかという直前に繭峰さんからデータカードとやらを渡されました。これをもとに何戦したか、その他プレイヤー情報を記録するとの説明を受けて、ついには最初の百円を投入するのでした。

どうも、ロカクと申します(*・ω・)ノ

前話(6年前)から読んでくださっている方は大変お久しぶりでお待たせしました!

しばらく書かなかった?書けなかった?ですが、いつまでも中途半端にしておけないなと思いましてこの度再び(韻踏み)筆を持つことになりました。

頻繁に更新できるか定かではありませんが、気長にお待ちいただけると幸いです( ´^ω^)

それでは改めて、よろしくお願いします!

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