プロローグ
初投稿です。
異世界転生。
それが妄想の産物ではないことを俺は身をもって経験した。
かつて俺は日本の高校生だった。しかし、その人生はあっさりと終わってしまった。死んでしまったのだ。普通はそこで終わってしまうのだろう、だが俺は違った。異世界であるアルザーナのニルバーネ王国に4家しかない高位貴族の内の1家であるシルフィード家に次男として転生したのだ。
初めのうちはとても混乱したが、俺はこの二回目の人生を得たことに感謝しながら生きていこうと決めた。
異世界であるアルザーナには、地球とは違うことがいくつかある。その一つが魔法だ。俺はそれを知ったときとても興奮した。魔法を使っていろいろなことをしてみたいと思った。しかしそれはできなかった。たしかに魔法は使える。実はそれだけでも凄いことなのだが、俺は魔法を使う魔法師の中でも、中の下といったところでしかなかった。
もう一つは闘いだ。この世界では、闘いが日本よりだいぶ身近だ。これは生物の怨みや妬みといった負の感情を元にした障気というものがあり、さらにそれを元とした生物である魔物がいるからだ。魔物は同じ魔物以外の動物すべてに見境なく襲いかかる、ゆえに人類共通の敵とされており、障気が一ヵ所に集まる魔の山とそれを取り囲むように存在する魔の森からの侵略を防ぐために闘わざるをえないのだ。ゆえに魔物と戦う職業の一つとして冒険者があり、冒険者や魔法師、国王に仕える騎士を育てるための学校がある。それが王立アレイザード学園、数多のエリートを排出してきた場所である。これは、学園に俺という男が入学したことで始まる物語───────────────────