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9 ささやき

強く意思を持って 生きると誓おうと

悲しみが向こうからやってきて

私からすべてを奪う


野良猫の嘆きを 聞き入れる人がいなくて

途方にくれるの

同情は欲しない

だから 孤独の目をして

一本道を走り抜ける


いらないものが多すぎて

隙間にすら 愛は入ってこない

優しすぎるあの人

会う度に さよならを言いたくなるの


野良猫は 爪を立てながら

抱き寄せるあの人を遠ざける

美しい夢はすぎるのが早くて

途端に月の下に置き去りにされてしまう


帰りたい

帰りたい

あの頃へ

帰りたい

帰りたい

包み込まれていた時代に

暖かい胎内に

息をして 浮かんでいく

未来に希望をかけて

帰りたい……

もう 帰ろう


そして 野良猫は

旅路を終えた 地球の外側へ行くの

目を開けながら 眠りにつく

視界は脳内の奥へ

だけど もう声は聞こえない

もう鳴く必要もない



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